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4周年記念対談

国連フォーラム関西 4周年記念対談
~ 久木田 共同代表 × 初代代表 上村 × 現代表 米田 ~

本日11月12日は、国連フォーラム関西支部の創立記念日です。今年、国連フォーラム関西支部は設立から4周年を迎えます。また、関西支部の会員数が1000人を超えるなど、一つの節目を迎えました。そこで、国連フォーラムの共同代表であり、関西支部の顧問である久木田さん、関西支部の創立のきっかけをつくり初代代表を務めた上村さん、そして現代表の米田で、国連フォーラム関西支部の軌跡とこれからの展望について対談を行いました。

右:久木田さん、左:上村さん / ©国連フォーラム関西

通の挑戦状から始まった― 関西支部の設立

米田   国連フォーラム関西支部は、上村さんが久木田さんへの挑戦状を送ったことで始まった、と聞いたのですが、どのように設立に至ったのでしょうか。

上村   ははは…挑戦状っていうほどのものではないですよ(笑)。最初は、個人的に、関西で国際協力や開発に関する勉強会やイベントがないか探していたんです。そのとき、国連フォーラムを見つけました。

久木田  それが、確か4年ほど前の夏頃でしたね。その当時の国連フォーラムは、発祥地であるNY、東京、九州で勉強会を開催している状態で、関西には支部などありませんでした。

上村   そうでしたね。懐かしいな~。そのとき、何で関西では活動していないのだろうかと疑問に思って国連フォーラムにメールを送ったんです。

久木田  ちょうどその頃、関西学院大学の教授として赴任の準備をしていて、関西に用事があったので上村さんと合って、関西ではどのようなニーズがあるのかを話しました。国連フォーラムでは、手を挙げた人にやってもらう自由な運営風土があったので、上村さんにニーズ調査をお願いしたんですよね。

米田   なるほど。そこで、ニーズ調査が始まったんですね。でも、ニーズ調査って、かなり大変な作業になりますよね。それは、上村さん一人で実施されたのですか。

上村   いいえ、他のメンバーも誘ってニーズ調査を行いました。そのメンバーが初期運営メンバーとなり、国連フォーラム関西支部の活動を開始しました。

米田   なるほど。ニーズ調査を行った結果、どのようなことが当時の現状としてあったのでしょうか。

上村   そうですね、関西において各機関やNGO・NPOがイベントは実施していたのですが、ネットワークの場や議論の場が少ないことが分かりました。関西には、国連機関も複数あって、国連や世界規模課題に関心を持っている大学生も多いことが分かっていたので、人々が議論し、交流する場をつくるニーズがある、と久木田さんに報告しました。

久木田  ニーズもあって、課題とやりたいことが明確だったので、関西支部を作りましょうと幹事会に提案して、関西支部として認めるに至ったんですよね。

米田   へえ~、そのような経緯で発足に至ったんですね。

 

「学習する組織」を目指して

上村   最初の活動は、ミッション決めでしたね。大体1カ月半くらいかかりました。その時に、あまり根詰めて決めすぎないように、というアドバイスを久木田さんから頂きました。

久木田  そうですね。「学習する組織」になれば良いのではないかと思ってアドバイスしました。そのためには、活動に自由度をもった組織が良い。だから、国連フォーラムも、手を挙げた人を中心に活動できるようにしています。

米田   とても良い考えですね。その考えは、幹事の立候補などにも見て取ることができるように思います。

久木田  今は、マルチ・タスクの時代で、メイン・キャリア以外にも活動する人が多くなってにきたように思います。

米田   時代が国連フォーラムの体制に追いついてきた感じですね(笑)。

久木田  ただ、この体制ではリスクもありますよね。中の人がやらないと動きが止まってしまいます。基本的に自由だけど、やると言ったことへのアカウンタビリティを確保しなければならない。

米田   たしかに…。そういう点で、関西支部の運営メンバーの確保はリクルーティング方式で行っているんですね。

上村   そうだね。だから、リクルーティングの際に、候補者が国連フォーラム関西で何をしたいのか、国連フォーラム関西支部の運営メンバーとして活動してくれた際に、候補者は何を得たいのか、こちらも活動の中で何が提供できるのか、という一致を重視して確認するようにしています。

 

人々のインキュベーターとしての国連フォーラム関西支部

米田   国連フォーラム関西の活動の軸である、議論や情報共有の場を提供することの意義ってどのようなものだと感じますか。

上村   やはり、国連フォーラム関西の活動が人々のニーズに合っている点だと思います。勉強会後のアンケートで、「新しい発見があった」と言ってもらえることから、その勉強会のニーズがあったことが確認できますし、「今後はこんな勉強会を開いてほしい」という意見も尽きないですよね。そこから、国連フォーラム関西支部の意義って読み取れるかと思います。

久木田  そうですね。私もニーズに合っていると思います。さらに、今回国連フォーラムの設立趣意書が改定されたように、「具体的な行動を起こす」ことが今、そしてこれからの時代は求められていると思います。むしろ、行動を起こさないと危ない世界になってきたと言えます。

上村   議論することで、参加者間で刺激が生まれて、何か活動を起こす場になればいいですよね。

久木田  そうですね。国連フォーラム関西は、まさに人々のインキュベーターとなればいいですね。

米田   活動を起こすという点でいえば、最近の勉強会でも人々の認識は高まっているように見受けられます。勉強会で「自分には何ができるか」を話し合う際に、情報を共有するとともに自身の意見を発信することが求められているなと感じます。

久木田  そうですね。あと、将来的には、国連のミッションである、「平和と安全」の場をつくることにもつながってくるのではないかと思います。

上村   それに、勉強会に参加することで、世界で起きている事柄のイメージを持つ、という価値を提供できるのではないかと思います。

米田   たしかに。私も勉強会に参加するたびに、勉強会で教わった世界の現状に対して、「じゃあ、自分はどうしようか」と考えるきっかけになっています。関西支部は、ユース層が多いと思いますし、最近では高校生の参加者も増えてきたように思います。国連フォーラム関西が提供している価値が、ユースのキャリア構築の一助になればと考えています。

 

講演に、ディスカッションに、ネットワーキングタイム…
「フルコース」の提供をこれからも

久木田  最近のユース層は、「自分たちが生きる時代がどうなるのか?」に関心を持っていると思います。

米田   うーん、なるほど。変わらなきゃいけないけど、どう変われば良いか分からない、というのが私たちユース層の現状かもしれません。

久木田  ちょっと時代の先を考える場を提供できるとよいかもしれませんね。

上村   それって、とても重要なことだと思いますね。情報を手に入れることで、人の行動って変わってくると思うんです。だから、ユース層に限らず、これからの時代を生きるすべての人が、得たいと思った情報にアクセスできるようになること、そしてそのような場を提供することが国連フォーラム関西の今後のあるべき姿ではないでしょうか。

久木田  そうですね。国連フォーラム関西は、開発だけでなく人権や平和など幅広く考えるSDGsをシリーズ化して勉強会を行ってきましたよね。SDGsの勉強会をここまで連続開催しているのは、国連フォーラム関西が一番じゃないでしょうか。それに、国連フォーラム関西の勉強会は、専門家や実務家のゲストによる講演を聞いて、ディスカッションを行い、最後には参加者やゲストも交えたネットワーキングタイムがある。もう、フルコースですよね。

米田   確かに、そう考えると、とてもいいプラットフォームが関西にできたんじゃないかと思います。人々が自由に参加し議論や情報提供、そして行動を起こすきっかけとなる場があることをもっと多くの方に知っていただきたいです。

 

国連フォーラム関西は、「あなたと国際協力のスペシャリストが議論・情報交換する場」として出発し、これまで様々な勉強会やFacebookグループを通して情報共有や議論を行う場を提供してまいりました。このほか、ウェブサイトの開設、関西SDGsプラットフォームへの加盟、連携組織として高校生SDGsネットワークの設置など、時代の変化とニーズに応じて日々発展をしてきました。

そして、この度、国連フォーラム関西はより多くの皆様に国連フォーラム関西主催の勉強会や情報共有の様子をお届けするために、公式Twitterアカウントを開設いたしました。

先日10月24日の国連フォーラムの設立趣意の改定に見られるように、関西支部も「情報共有」と「議論」を行うにとどまらず、さらに一歩踏み込んだ「行動を起こす」きっかけとなる場を提供できるよう、運営メンバー一同努めて参ります。

今後とも、よろしくお願いいたします。

 

国連フォーラム関西支部