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世界人道デー企画:自然災害に伴う人道危機の現在

世界人道デー企画「自然災害に伴う人道危機の現在」~脅威に立ち向かうOCHAとJICAの活動とは~

2019年 8月11日  実施

世界人道デー企画「自然災害に伴う人道危機の現在」
脅威に立ち向かうOCHAとJICAの活動とは

開催報告

8月11日(日)に、関西学院大学大阪梅田キャンパスにて、『世界人道デー企画「自然災害に伴う人道危機の現在」〜脅威に立ち向かうOCHAとJICAの活動とは〜』を開催致しました。そのご報告をさせて頂きます。

【イベント概要】

《企画概要》
日時 2019年8月11日(日)13:00~17:00
場所 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1004教室
共催 国連人道問題調整事務所神戸事務所、独立行政法人国際協力機構関西センター、国連フォーラム関西支部
ゲスト

・吉田明子 氏
2007年 国際連合人道問題調整事務所(OCHA)入職。2018年11月 OCHA神戸事務所 所長就任。アジア太平洋地域事務所、ニューヨーク本部、 フィリピン事務所、組織変革実施チーム、機関間常設委員会(IASC)事務局、各国での人道支援を経た後、現職に就任。

・金塚匠 氏
2017年4月 JICA地球環境部 環境管理グループ 配属 2017年8-10月 JICAタイ事務所 OJT 2019年5月 JICA関西 業務第一課 異動 学生時代は土木工学、特に都市洪水に関する研究し、洪水解析モデルの最適化問題に取り組む。 JICA地球環境部ではタイ・カンボジア・スリランカの環境問題(気候変動・廃棄物・下水道)に関する技術協力事業を担当。 JICA関西センターでは農業・都市交通・交通安全・災害復旧等に関する研修事業を実施中。

内容 1.オープニング
2.イントロダクション
3.講演
4.質疑応答
5.個人ワーク
6.グループディスカッション
7.意見の共有
8.クロージング
9.ネットワーキングタイム
《企画背景》

 人道に関する問題が大規模化・長期化・複雑化していることから、人道支援ニーズが国際社会で急速に高まっています。紛争及び自然災害が原因で、2018年には148の国と地域で新たに約2,800万人が被害を受け、世界で人道支援を必要とする者が1億3000万人以上存在しています(2019年4月現在 OCHA)。さらに、2018年に新たに発生した自然災害による国内避難民は、紛争を起因とする避難民よりも多い約1,700万人であることから(IDMC 2019)、自然災害も今日における人道危機を生み出す大きな原因の1つであると言えます。

 第49回世界経済フォーラムでグテーレス国連事務総長が、「人類が現在直面する最も重要な課題は気候変動である」と強調したように、気候変動や自然災害がグローバルイシューとして国際社会で活発な議論が近年交わされています。特に地球温暖化防止の国際枠組みであるパリ協定が本格的に始動する前年である2019年は、パリ協定加盟各国を集めて地球温暖化対策を議論する気候サミットが開催されるなど、非常に重要な年です。

 そこで、本企画では特に「自然災害」に着目し、自然災害に伴う人道危機の課題に関して、国連及び政府開発援助の実施機関の活動を発信することで自然災害と人道問題について参加者の関心を高めることを目的としています。

 

《目的と到達目標》
  1. 「人道への課題 Agenda for Humanity」、中でも「人道支援のニーズを減らす」こと、さらには支援ニーズを減らすために、人道危機の影響を受けやすく、かつ見落とされやすい女性や子ども、難民・避難民のような脆弱者に目を向けることが不可欠であるため、今回のテーマである自然災害に伴う人道危機に脆弱である人たちへの理解を深める。
  2. 人道危機・支援の事例に基づく議論を通して、人道支援の包括的なアプローチについて理解し、参加者が自身の関心や専門と照らしながら、自分にできる関わり方を考える。
  3. 現在の日本においても自然災害が脅威となっている現実から、将来の持続可能な社会の実現のために、世界で深刻化する自然災害と人道危機を「自分事」のように捉え、当問題解決に向けて自分なりの考えを発信できるようにする。

 

【開催報告】

 オープニング
  • 久木田氏より開会のご挨拶
  • 共催団体紹介(OCHA神戸、JICA関西、国連フォーラム/国連フォーラム関西)
    • OCHA神戸
       国際連合人道問題調整事務所(OCHA)は、自然災害や紛争によって人道危機に晒された人々の生命と尊厳を守るため、国際的な人道支援活動を調整しています。支援を必要とする国ごとに様々な人道ニーズや優先順位を把握し、包括的かつ戦略的な対応計画を取りまとめる作業を担当するのがOCHAの役割です。すべての人が、すべての人のために、効果的で、人道支援の基本原則に則った活動を行うことを推進しています。

       OCHA神戸事務所は2002年に設立され、日本政府や国内外の人道支援団体と連携を強化することで、主に海外での緊急人道支援活動やそのための備えをサポートしています。また、OCHAの、日本におけるスポークスパーソンとしての役割も担っています。
    • JICA関西
       国際協力機構(JICA)は、「信頼で世界をつなぐ」をビジョンに掲げ、開発途上国への国際協力を行う日本のODA(政府開発援助)実施機関です。技術協力や、有償資金協力、無償資金協力、民間連携や市民参加協力、国際緊急援助など様々なメニューでODAを実施し、開発途上国が抱える課題に取り組んでいます。

       JICA関西は、「途上国と関西を信頼でつなぎ、ともに『持続可能な開発目標(SDGs)』の達成に貢献します」をミッション・ステートメントとし、防災をはじめとする関西圏の多彩なリソースを生かした研修事業や民間企業の途上国への海外展開支援、市民参加協力事業など、地域と途上国を元気にする国際協力を推進しています。

 

  • ゲスト紹介

▲ 司会は国連フォーラム関西支部の黒崎が務めました。

 本企画では、ゲストとしてOCHA神戸より吉田明子氏、JICA関西センターより金塚匠氏をお迎えしました。
 吉田氏は、2007年に国際連合人道問題調整事務所(OCHA)入職され、2018年11月から現在においてOCHA神戸事務所 神戸事務所長に就任されました。
 金塚氏は、2017年4月 JICA地球環境部 環境管理グループに配属され、2019年5月から現在までJICA関西 業務第一課 国際防災研修センターに所属されています。

 

  • イントロダクション(企画背景や自然災害と人道危機の関係性について)

 冒頭のイントロダクションでは、国連フォーラム関西支部の森田が「自然災害と人道危機」の関係性やその概要について地球温暖化の問題を交えながら、説明を行いました。

▲ イントロダクションでの紹介は、国連フォーラム関西支部の森田が務めました。

 世界人道デーは、2005年8月19日を「人道支援を必要とする人々や、支援に携わる人々について考える日」として国連総会にて定められています。①進行する地球温暖化に伴う自然災害の暴力化、②世界で強制移住(displacement)を生み出すなど、自然災害が深刻な人道問題にまで発展していること、③近年日本においても自然災害が猛威を振るう事態が挙げられることより、今回の世界人道デー企画では「気候変動と人道支援」に焦点を充てて開催することとなりました。

 IPCC第5次報告書では、産業革命期と比較して、世界の平均気温が既に約1℃上昇しており、最も地球温暖化が進行した場合、2100年までに最悪で約5℃度上昇すると発表しています[1]。また、国連は気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする目標を掲げていますが[2]、2018年IPCC特別報告書は、2030年に1.5℃の上昇を達成する可能性があると指摘しています[3]。さらに地球温暖化によって海水温が上昇し、最大風速54m/s以上の強い台風の発生率も高くなる[4]と予想されています。

 様々なリスクが進行する地球温暖化によって表面化してきます。平均気温1℃の上昇が熱波や洪水などの異常気象による被害を増加させるとも言われており、実際に、世界の自然災害の発生数も1980年から2018年までに右肩上がりの状態である[5]など、気候現象や風水災害の気象に関連する自然災害は増加しています。また、2018年に新たに発生した国内避難民の要因は、紛争/暴力よりも、自然災害が原因で避難する人が多いと報告されています[6]。このように自然災害は、今日における人道危機を生み出す大きな原因であると言えます。

 昨年を象徴する漢字に「災」が採用されたように、日本も2018年は災害の脅威を目の当たりにする年となりました。西日本豪雨や台風21号などが原因で、2018年の自然災害による農業被害額は、東日本大震災があった2011年に次ぎ、過去10年で2番目の5,679億円でした[7]。今後も自然災害が増加することで、強制移住、ジェンダーによる暴力行為、家族の離散、雇用問題[8]など複数のリスクが国内外で多発することも考えられます。自然災害による人道危機の悪化を最小限にとどめるためにも、人道への課題(Agenda for Humanity)4「届ける支援から人道ニーズ解消に向けた取り組みへ」が重要となってきます。


[1] IPCC 第5次評価報告書 第1作業部会[http://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_wg1_overview_ presentation.pdf]
[2] 2015年パリ協定第2条1項(a)
[3] IPCC 1.5℃特別報告書 詳しくは環境省HPを参照。[https://www.env.go.jp/press/106052-print.html]
[4] 当銘寿夫(2019)「当たり前になっていく『異常気象』地球温暖化は誰が止めるのか」『Yahoo!ニュース 特集』ヤフー[https://news.yahoo.co.jp/feature/1337]
[5] Munich Re, Loss event worldwide 1980-2018. As at August 2019.
[6] Internal Displacement Monitoring Center (IDMC). 2019. DRID 2019 Global Report on Internal Displacement. p.1.
[7] 平成30年農業白書より。
[8] 自然災害時における人々の保護に関するIASC 活動ガイドラインより一部抜粋。[https://www/brrokings.ed/wp-content/uploads/2016/07/0106_operational_guidelines_nd_japanese.pdf]

 

 講演

講演では、各機関のレジリエンスの強化や開発援助など、自然災害に伴う人道ニーズ解消に向けた取り組みについて話して頂きました。

「自然災害による人道危機 ~早期緊急対応に向けて~」 吉田明子氏

 国連機関の中で、人道問題で大きな役割を担う国連人道問題調整事務所(OCHA)の吉田明子氏によるご講演を頂きました。

▲ OCHA神戸 吉田明子氏による講演の様子。

 はじめに、OCHAの組織について、そして人道支援資金の最近の試みについてお話を頂きました。OCHAは、国連総会決議46/182のもとに設立された国連機関です。国連による緊急人道支援の調整機能の強化を目指しており、支援の調整、アドボカシー、情報管理、資源の動員、政策支援の5つを主軸に活動されています。

 緊急支援のための資金である中央緊急対応基金(CERF)は、大規模な自然災害や紛争が発生した際に、ドナー等からの資金が届くまでの空白期間を埋めるため、緊急人道支援の初期財源として補填することで、被害の発生や拡大を最小限に抑えることを主な目的にしています。各国ドナー等から拠出金を集め、被災者のニーズに応じて、国際機関や援助機関の実施する人道支援プロジェクトに配分しています。

 自然災害の対応には年間15億ドルの人道支援資金が必要と言われますが、必要な資金と予算には大きな開きが存在しており、年々そのギャップは拡大しています。そこで、CERFの資金規模を拡大することによって、このギャップを埋め、さらに、予測される危機に対して早期に対応を行う資金を提供できないか、という案が持ち上がっています。

 干ばつによる食糧危機などが、今日においてモバイルデータの通信量、土壌の状態、栄養失調率などの統計的手法によって、発生の予測可能性が高まっていることから、あらかじめ事前投資することで、危機的状況を回避、あるいは自然災害が発生した際の被害を最小限に留められることも期待できます。また、グテーレス国連事務総長が世界の人道ニーズに応じるために、CERFへの拠出を10億ドルにまで拡大させることを提案しました。これに対して国連加盟国を含め幅広い支持や賛同の声が表明されるなど、CERFの意義は大きいことが分かります。

 実際に2017年のナイジェリア、南スーダン、ソマリアにおける飢餓や2018年サヘル地域おける干ばつに対して、CERFによる早期対応が実施され、その効果も認められています。しかしながら、吉田氏はCERF自体の課題も複数挙げられました。課題には、国連総会の総意、アーリーアクションの定義が曖昧なため、資金提供の決め手が見つかっていないなどが挙げられます。CERFの運営は他団体のコンセンサスが必要であるため、優先順位や金額などの合意の難しさを述べられておられました。

 

「気候変動と自然災害分野におけるJICAの協力」 金塚匠氏

一国の政府組織として、そして日本として行う人道支援について、国際協力機構(JICA)関西センターの金塚匠氏によるご講演を頂きました。

▲ JICA関西 金塚匠氏による講演の様子。

 はじめに、金塚氏の所属するJICAについてのご紹介を頂きました。「JICAは、ただ良いことをするばかりでなく、外交上の手段の一環として、途上国にも日本にもいい影響をもたらすことを目指して事業を行っています」と述べ、2015年に閣議決定された開発協力大綱や独立行政法人国際協力機構法などの基盤となる政府の決定や法律ほか、SDGsなど様々な国際社会の流れを組んで活動を行っている、という国際協力を実施する国の組織としての特徴を紹介していただきました。

 金塚氏は、気候変動は経済活動が大きい先進国のみならず、途上国を含むすべての国が取り組まなければならない問題として認識され、パリ協定という国際枠組みが定められたことや、IPCCの1.5℃特別報告書によると、産業革命以前と比べて気温が上昇しており、2030年から2052年の間には1.5℃上昇することが確からしいと議論されていることを紹介してくださいました。

 このような深刻な気候変動問題に、どう取り組むのか。金塚氏は、2つの方法があると指摘します。第一に、温室効果ガスの排出を減らす緩和策です。再生可能エネルギーの利用や運輸交通、廃棄物管理や農業・畜産業における工夫、森林管理や植林などによりCO2の排出を削減する方法があると述べます。第二に、気候変動の負の影響に備える適応策です。気候変動による自然災害に備えた防災の実施や品種改良など農業分野における工夫、生態系保全や水資源開発、感染症対策等が挙げられます。適応策については、特に途上国が関心を寄せており、JICAも気候変動対策の支援に貢献していると述べられました。例として、バンコク都に対して日本(特に横浜市)の知見を共有し技術移転を行ったり、インドの鉄道建設による公共交通機関への転換で渋滞・車両の減少を通じたCO2削減、また、ベトナムへの資金協力および制度構築の支援や、ラオスに対する気象システム設置の支援を通じた防災協力などをご紹介いただきました。

 自然災害に伴う経済的損失が近年増加しており、その一因は気候変動にあると金塚氏は紹介します。また、それらの影響を受けやすい人は貧困層の人々であり、これらの人は、自然災害に脆弱な場所に住まなければならず、被災しやすく、貧困によりさらなる二次被害を受けやすい状況にあると言います。

 「日本は、支援国の中でも特に自然災害に関する知見があるため、防災分野に関しては日本がリードしています。とりわけ過去20年の二国間協力ではトップドナーとなっています。」JICAでは、様々な事業に防災の知見を取入れ開発協力を行っていると金塚氏は述べます。例えば、タイでの地下鉄建設の際に入口の高さを上げることで、2011年の大洪水の影響を受けることなく地下鉄の運用に成功し、フィリピンでの病院建設の際に沖縄の構造物の特徴を取り入れた設計することで、台風に強い病院運営ができるようになった事例、また、ミャンマーの小学校の建設の際に、1階部分ではなく2階に教室を設置することでシェルターと学校の両方の機能を兼ね備えることができるなどの様々な成功事例を紹介してくださいました。また、JICAでは、脆弱な立場にある女性に対する避難ワークショップの実施や、障がい者を巻き込んだ防災計画の立案、研修の実施を行っていると言います。さらに、緊急時にすぐに資金協力ができる備えを行っており、保険の仕組みの提供や、植林や自然環境保護のための支援も行っていると述べます。JICAでは日本での経験を踏まえて、海外の人道問題、特に災害に関する分野での協力を行っていることが、金塚氏の紹介で学ぶことができました。

 

質疑応答

 質疑応答では、被災地における性暴力の防止やサバイバーへの支援について質問が挙がりました。吉田氏は、被災地の不安定な状況下では様々な事件が発生しやすい傾向にあることを言及したうえで、これに対して、専門領域の国連機関は、早期に対応できるよう開発の分野で、制度の構築やサバイバーへの支援などに取り組んでいることをご紹介いただきました。

 具体的にどのような日本の知見を海外に伝えているのか、そして国内の災害支援や対策に貢献していることはあるのか、という質問に対して、金塚氏は、JICAでは、被災者の心のケアに関する知見や、インフラへの事前投資によって災害のリスクを軽減することができた経験を共有している、と紹介されました。また、日本への貢献については、世界の被災者同士を繋ぎ、似たような経験をした方々で思いを共有することで、心のケアなどに繋げた例をご紹介いただきました。また、吉田氏は、人道支援が必要な緊急事態のもとでは、支援を受ける側の負担も多くなることに言及し、その際に、OCHAは国際社会に伝わるように情報を整理、発信していることを紹介されました。また、「支援の受け入れ側の負担を減らすような話し合いも現在進められています」と述べました。

 様々な分野を含めたプロジェクト実施が必要であると認識されつつある議論を踏まえ、JICAではどのように取り組んでいるのかという質問に対して、金塚氏からは「たとえば気候変動対策室を設け、他分野のプロジェクトであっても、計画策定時には同室に協議を行うことによって、全てのプロジェクトに対して気候変動対策の視点を盛り込めるよう取り組んでいます」とお答えいただきました。

 最後に、人道支援に対する取組みについて、報告書などを通して様々な日本人にもわかるように日本語で発信してほしいという意見が出され、国連機関や国際支援機関のみならず、市民である私たちによる協力の必要性を確認しました。

 

 個人ワーク・グループディスカッション・意見の共有

▲ グループディスカッションの様子。

 個人ワーク及びグループディスカッションでは、サイクロン、地震、干ばつの3つの自然災害の事例が載った情報シートをもとに話し合いました。個人ワークの時間では情報シートを読み込み、配布されたワークシートに記入を進めることで、自身の考えをまとめました。次に、6人程度のグループに分かれ、それぞれが考えたアイデアを共有し、①「どのような人道支援が求められるか」そしてそれらは「誰にとって必要か」、②「人道支援のニーズが解消された理想の状態はどのようなものか」、③「どのアクターが」「どのような取組みをする必要があるか」を議論しました。

 

サイクロン班

 1班では、人口の半分以上が被害を受けたという状況に着目し、「どのように国を再建することができるか」が重要だという意見に至りました。産業を成長させることと貧困率を下げることにより、被災前より良い状況をつくるための支援について話し合いました。具体的には、被災経験を活かし、予測した事態の対応ができるよう、マニュアルを作成し共有する必要があるとの意見が出されました。また、エネルギーの供給源を地域によって分散させ、それぞれの地域がエネルギーを生産できるようにする必要性も挙げられました。

 4班では、食糧不足や水・衛生問題の深刻化に着目し、リスク分散のための新たな食料生産や、安定的な食料や水の確保、感染症や衛生面への対応や、長期滞在支援者に対する宿泊先の確保やエネルギーの供給、物資供給の為の輸送手段の確保などが必要である、と様々な意見が出されました。被支援国としては、災害に強いまちづくり・復興対策が必要であり、支援国としては人材の派遣や技術支援や知識の伝達が、現地市民としては共助の意識が、そして私たちは情報収集をする力や情報を伝える力が必要であるという意見に至りました。

地震班

▲ グループディスカッションの様子。

 2班では、病院が被災し医薬品が不足している状況に着目し、ディスカッションが進行しました。足が途絶えてしまった山間部への救助チームの派遣や、病院が崩れてしまったために自宅で治療をしている患者をキャンプへ移動させ、電力や医薬品の供給、医療人財の派遣をすることが必要であるという意見が出されました。また、地域自立型のインフラや、災害時マニュアルの必要性についても話し合われました。

 5班では、首都に医療施設が集中している点や、石造りで破壊されてしまった建築物が多く、衛生的な水が不足している点、また短期的・長期的の双方で食糧不足が深刻な点に着目をして議論が進行しました。72時間以内の医療提供や、医療人財の育成や地域での医療の確保が重要であるという意見が挙がりました。また、Googleマップでの支援情報の共有や、市民参加による支援の輪の拡大が重要であるという意見も出ました。

干ばつ班

 3班では、干ばつによって不安が増加し治安の悪化によるコミュニティ関係の悪化に着目し、生活における不安がない状況が理想であると考えました。また、被害を受けた国が主体となることが人道支援の在り方ではないかという点で議論が盛り上がりました。そのうえで、現地の行政やNGOが動きやすいような財政づくりや支援体制が必要であると意見が一致しました。干ばつなどは、人に伝える「見せ方」が難しい問題である事に対して、私たちが感度を高く情報を収集し、発信していくことが重要であることを確認しました。

 6班では、水や食糧の分配に着目し、自然災害の支援者・被支援者の経験をもとに議論が進みました。特に、物資の共有時に妊婦さんや子どもに多く配分されることが理想であると考え、人的ネットワークと情報ネットワークが必要であると意見がまとまりました。災害時の情報格差を防ぐために、日ごろから情報を共有できるネットワークを作成すると良いという案や、風化させないための市民教育も必要であることが話し合われました。また、事前に予測し情報を提供することで、災害発生時の混乱が防げる点や、被災者の状況を支援側が理解するとスムーズな支援につながるのではないか、という意見も挙がりました。

 

 講評

最後に、グループワークやその意見共有を踏まえ、ゲストの吉田氏と金塚氏から講評を頂きました。

 吉田氏は、「緊急支援と開発の両方が重要と皆さんが考え、共有したことは、実際の現場でも長らく議論されていることです。ただ、それを実際に実現するのはとても難しく、最近ようやく『The New Way of Working』として、人道支援と開発の共同の成果をハイレベルで協力して実施していこうという段階にあります。しかし、今後より一層アイデアを取り入れて人道支援に活用していきたいと思っています。」と述べられました。また、「被災国が主体的に彼らが必要なことを進められることが大事で、現地の人々をエンパワーする「Localization」として世界人道サミットの課題として議論されています。」と最近の議論の潮流を紹介してくださり、自然災害の被災者や支援者の経験を防災や人道支援に役立てていく必要性を述べられました。

 また、金塚氏は、「グループワークの共有で指摘された『より良い復興』は、日本としても力を入れており『Build Back Better』という言葉で、仙台防災枠組にも取り入れられています。」と述べ、「Google Earth Engineなどプラットフォームを活かした防災協力も一つの形として想定されるので、ぜひ調べてみてください」と、実際の取組み可能性について示唆してくださいました。また、「トイレの問題や支援する側の課題、情報ネットワークの必要性など細かな点に目が回らなければならない点は、人道支援において重要な視点です」と述べられ、干ばつの発信の難しさや、情報の伝達から支援に繋げることの難しさにも言及されました。「SNSが普及しているという意味で、我々全員が問題意識についての情報を発信することができ、人々の意識向上に繋がります。そして、それが最終的な支援に繋げることができ、人道問題の解消や、OCHAやJICAなど支援側の活動の効果を向上することができると思います。」

参加者一人ひとりの意見に真摯に向き合い、共に考えてくださった吉田様、金塚様に心より感謝申し上げます。

 

【参加者の声】

本勉強会にお越し下さった皆様からは、多くのご満足いただいた意見を頂きました。本報告で、一部をご紹介させていただきます。

  • 様々な立場の方と意見を共有することができ、刺激を受けました。
  • ディスカッションを通じて、勉強するのみならず、知ること・考えることに繋げることができ、良いきっかけとなりました。
  • グループディスカッションを行う上で、異なる見解が合った点が面白かった。
  • ネットワーキングタイムでは、自分の関心分野に関する情報を得ることができました。

『世界人道デー企画「自然災害に伴う人道危機の現在」〜脅威に立ち向かうOCHAとJICAの活動とは〜』にお越しくださり、誠にありがとうございました。

▲ 記念撮影の様子。

 PDF版はこちら

国連フォーラム関西支部 特別企画 「『人』の視点で見るシリア ~シリア紛争と人間の安全保障~」

2018年12月22日実施 

国連フォーラム関西支部 特別企画

「『人』の視点で見るシリア

~シリア紛争と人間の安全保障~」

 

2018年12月22日(土)に、関西学院大学梅田キャンパスにて、特別企画「『人』の視点で見るシリア~シリア紛争と人間の安全保障~」を開催致しました。そのご報告をさせて頂きます。

【イベント概要】 

《企画背景と目的》

当勉強会は、国連フォーラム関西として、これまで開発分野、特にSDGsをテーマとした議論を中心に扱ってきたことを踏まえ、安全保障問題に関する議論に対する機運が高まっていたことを背景に発案されました。その中でも、日本の視点からは、「今世紀最大の人道危機」とされながらも、国際社会の一員として当事者意識を感じにくい「シリア紛争」をテーマとして取り上げています。
当イベントは、「多角的にシリア紛争について考える機会を提供することにより、一人ひとりが当事者意識と共に意見形成することを促し、更には、議論に参画する等、シリア市民のためになる行動を促進させること」を目的としました。

《イベントプログラム》
【第1部】
◆講演
概要:
研究者から活動家まで、シリアを知り尽くした登壇者を予定しています。人道危機の現状や、それを取り巻く背景。支援の現実や、今、私たちにできることまで、様々な観点での議論をしていただきました。
【第2部】
◆パネルディスカッション
概要:
イベントの最後には、登壇者が会場の質問に答える形でのパネルディスカッションをしました。講演を通して気になった点や、もっと知りたいポイントを事前配布の質問票に記入していただき、それをもとに、登壇者によるディスカッションを行いました。
《ゲスト》

– 独立行政法人国際協力機構 JICA研究所主任研究員 武藤亜子氏

– 特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan) 小田隆子氏

– シリア支援団体「サダーカ」田村雅文氏

– シリア支援団体 Piece of Syria 代表 中野貴行氏


【開催報告】

《第1部 講演》

1.「人間の安全保障」(JICA研究所 武藤 亜子 氏)

タイトル:「人間の安全保障とシリア紛争」

第一部初めの講演では、武藤氏より以下3点についてお話しいただきました。

1.「人間の安全保障」の歴史的経緯

2.「人間の安全保障」とはどのような概念か

3.シリア紛争にみる「人間の安全保障」の現状と課題

2.「シリア難民支援」(AAR Japan小田 隆子 氏)

タイトル:「シリアにおける人道危機の現状―トルコにおける難民支援から見えることー」

日本の難民支援NGOのなかでも特に有名なAARより、小田氏から以下3点についてお話しいただきました。

1.AAR Japan「難民を助ける会」について

2.トルコにおけるシリア難民の概況

3.AARトルコにおける活動のあゆみ

3.「シリア市民」(難民支援団体サダーカ田村 雅文 氏)

タイトル:「なぜ 紛争を止めなければならないのか―シリアの人たちの声を聴き続けて-」

最後に、田村氏より、紛争が起こる前後の写真の提示とシリア紛争の当事者の家庭訪問をした経験をもとに紛争が起こす個々人への影響についてお話しいただきました。

《第2部 パネルディスカッション》

〇パネリスト

-武藤亜子氏(武)

-小田隆子氏(小)

-田村雅文氏(田)

-中野氏(Piece of Syria)(中)

〇モデレーター

-久木田純氏(久)

〇質問:シリア紛争の原因に気候変動があるという議論はいかなるものか?

田:紛争前、2005年、2008年、2010年、干ばつが発生。

ダマスカス郊外に違法入国、定住化。テントの数が増加。水や電気など、インフラを無許可に使用されること。

〇質問:アイデンティティの問題。アイデンティティの差異を際立たせることによって、紛争の火種を蒔くという論点に関していかなるものか?

武:アイデンティティの細分化・差異を認識するようになった。

  紛争勃発の経緯に、「水平的不平等」がある。同一のエスニシティ内での差異(教育機会や雇用機会)が争いの引き金になるという論がある。

〇質問:シリア支援(トルコ)において、「言語」はどのような役割を果たすのか?「トルコ語が話せる/話せない」場合、中東支援に携わることができないのか?

小:トルコ国内においても、言語的多様性がある。家庭内でクルド語、アラビア語を話すなど。しかし、言語文化を超えると、コミュニケーションが困難。

現在、スタッフの雇用に際して、シリア人の雇用に重点を置く。アラビア語以外にも、クルド語、英語などの言語が話せる人を採用

 さらに現在、トルコ語教育を行っている。トルコ語学校に就学するシリア人の学費の支援(言語の支援自体は政府の規制により困難であるため)。

〇質問:

中野さんの活動について紹介

中:「Piece of Syria」という名は、「欠片」になってしまったシリアを、「平和(Peace)」のシリアにしたいという思いから。

 -活動内容:

①現在と過去のシリアを伝える(写真や動画で)

②難民を訪問することで、難民の暮らしの現状を聞き取り

③反政府組織がコントロールする地域の教育・幼児教育施設のサポート(政府の許可がないとシリア国内でのサポートができないが、個人での支援が受け入れられるため。毎年100人の子どもたちが通えるように)

久:「シリアの人達の顔が輝くのは、故郷の話をするとき」とありましたが、実際にそうでしたか?

中:昔のシリアを知っているということで、シリアの人々に一気に受け入れてもらえる。

〇質問:なぜ彼らは故郷を離れなければならなかったのか?彼らの目線にたって、なぜ紛争が起こったのか?

武:気候変動、干ばつが発生し、紛争の1つの原因となった(干ばつと都市への流入)

2011年にデモが発生したのは、アサド政権を倒すためではなく、「生活の改善」を求めていたという説もある。

-デモを政権が弾圧したことで、人々からの反発が高まった

-2011年3月に海外から人々が流入し、人々を煽っていったという説

-平和的なデモに対して、様々な外的圧力がかかった

 (紛争のルート・cause)

-prolong cause:欧米諸国が介入しなければ、ここまで長期化しなかった

中:シリア紛争に対して、様々な見方がある。そのため、紛争の原因を特定するような発言をしてこなかった。

 Wiki leaksが、シリアの市民デモの結果、市民よりも軍隊や警察の死者が多かったなどの報道もある。本当に市民だったのか?

そのため、「こうに違いない」という断言は非常に危険だと考える。

〇質問:ISが非人道的な行為を行ってきた。ISは実際、どうだったのか?

中:マンベジに駐在。ISの占領下におかれる。ISから、保釈金を支払えば、人質が解放されるという話があったものの、保釈されなかった。

 ISによって、教育が浸食されていた(教育が重要であるが、そこでどんな教育が行われるかが重要)。

久:カザフスタン駐在経験、カザフスタンからも多くの人々がISに賛同

 暴力を直接目の当たりに、取り残されてきた子どもや女性たちのケアが重要

〇質問:これから平和になるために、何が必要か、

田:一番重要なのは、対話の場を作っていくこと。家族同士でも考え方の相違、友人同士の関係が崩れている現状。「シリアに帰って、やっていけるだろうか」という不安と、「今までやってきただろうか」という揺らぎ。

これまで、殺戮や暴力を見てきた人々が成長していく

→敵同士であった元兵士たちがとにかく話をする、共に生きていくための対話のプロセスが必要。

しかし、難しいのは、「人」に焦点を当てる場合、「どの人に焦点を当てるか」が重要。

 例えば、反体制派、家族を守る人(家族を守るために、元通りの生活がしたい)

 *丁寧にナラティブを立ち上げる必要。

 

武:アメリカが撤退し、アサド政権が優位である現状は揺らがない。政権優位が揺らがないことを見通した上で、いかに人々が平和づくりに参加できるようにするのか?

 市民社会や政府が支えていくのか?

 しかし、現状の構造において一番困難な問題である。

 

小:反政府と見なされてきた人がシリアに帰国した際に、どのような扱いを受けるのか?

 それぞれの人々が相互理解・他者理解、1つの事象について見方が様々にあること

 

中:足元から変えていくために教育支援が重要であると考える。100人というまとまりで見ることと、一人ひとりの固有名詞で捉えること。

一人ひとりの成長を支えることが、不可欠

《参加者の声》

本勉強会にお越し下さった皆様からは、多くのご満足いただいた意見を頂きました。本報告で、一部をご紹介させていただきます。

・普段調べたり学んだりするとき、「民族」や「派閥」など一括りで考えがちですが、「人」がどのような思いを持っているかというのに触れられてよかったです。多角的な視野を増やせるようもっと学ぼうと思えました。

・多くについて知り、考える機会になり参加して良かったと思った。 同時に、自分に何ができるのかも考えさせられた。自分のフィールドとの交わりを、もっと学んでいきたいと思わされた。

・普段の関心分野とは違う分野であったので、非常に有意義でした。


この度「国連フォーラム関西主催『特別企画「『人』の視点で見るシリア~シリア紛争と人間の安全保障~」』にご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

今回残念ながらご参加頂けなかった皆さまも、次回以降の勉強会のご参加をお待ちしております。

国連フォーラムは引き続き皆さまに有意義な「場」を提供できるよう努めて参ります。今後とも、国連フォーラム関西支部をどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、多くの方のご協力で、今回のイベントを開催することが出来ました。ご協力してくださったゲストの方、参加者の方に厚く御礼をお申し上げます。

 

国連フォーラム関西支部のFacebookグループページホームページでは、国連や国際協力に関する情報共有を行っております。関心のある方はぜひチェックしてみてください!

第12回SDGs勉強会

第12回SDGs勉強会「途上国の教育を『非認知能力』から考える」

2018年10月28日実施 

国連フォーラム関西支部 第12回SDGs勉強会

『途上国の教育を「非認知能力」から考える』

開催報告

文責:矢野 泰雅

2018年10月28日(日)に、公文教育会館にて、国連フォーラム関西支部第12回SDGs勉強会『途上国の教育を「非認知能力」から考える』を開催いたしました。そのご報告をさせていただきます。

【イベント概要】 

《企画背景》

 国連フォーラム関西支部における2回目の教育企画となる今回は、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」「学習者の能力の向上」という視点から捉えました。

 質の高い教育を行うことができれば、知識や創造性、読み書き計算の基礎的スキルのみならず、分析や課題解決といった高次の認知機能や、対人関係スキル及びソーシャルスキルの獲得が期待されます。これらの能力は、人々が健康で充実した生活、十分な情報を得た上での意思決定、地域や世界の様々な課題解決に取り組むことを可能とするような市民としての能力や価値観、態度の形成にも寄与すると考えられています(【仮訳】仁川宣言Incheon Declaration)。中でもとりわけ、子どもたちの「粘り強さ」や「動機付け」、「忍耐強さ」などの「非認知能力」が、人々の幸福や社会の発展に貢献することが明らかにされつつあり、認知能力と非認知能力の双方を育む教育の重要性が強調されています(国立教育政策研究所、2017)。しかしながら、現状として教育や政策に関する議論においても、非認知能力は認知能力に比して過小評価されがちであるという見方があります(同上論文)。

 以上を背景に、本勉強会では「質の高い教育」を学習者の能力の向上の視点から、特に「非認知能力」をいかに向上するのかという点に焦点を合わせて考える機会を創ることを目指した勉強会の開催に至りました。

 

《企画目的と到達目標》

 本企画はSDGsシリーズとして「目標 4:質の高い教育をみんなに」に焦点を当て、以下の内容を目的および到達目標として開催しました。

  1. 非認知・認知能力とは何かを知る。
  2. 非認知・認知能力をどのように身につけるかを考える。
  3. 国際教育協力の一つとして「官民連携」を知る。

 

《イベントプログラム》

➢ オープニング

―ゲスト紹介: KUMONのミッションと国連・SDGsとの整合性について

―国際教育協力の歴史的な変遷

―非認知・認知能力の定義づけ

➢ 第1部

―講演① 井上勝之氏 (㈱KUMON執行役員 経営統括本部長)

       ・SDGsの達成に向けてのKUMONの貢献

-バングラデシュでのNGOとの協業に焦点を合わせて-

   ・KUMONを経験した子どもたちの変化

          -非認知能力の向上への貢献に関連して-

 

―講演② 久木田純氏 (関西学院大学教授(学長直属SGU招聘客員教員)、国連フォーラム共同代表)

       ・UNICEFによる教育の質向上のアプローチ

・バングラデシュにおけるBRACの役割とその特徴

・教育分野の民間企業が国際機関と連携することの意義と課題

       ・KUMONのBRACとの連携事業に対する講評

➢ 第2部

― 事例紹介

・国内外の公文式教室における取り組みの中で、非認知能力の向上に寄与していると考えられる事例の紹介(KUMON、JICA民間連携事業等)

 

― ワークショップ

       ・参加型ワークショップ

       ・ゲストからの講評

➢ 閉会の挨拶

-ゲストによる総評

 


【開催報告】

《オープニング》
  • ゲスト紹介:KUMONのミッションと国連・SDGsとの整合性について
    • 公文教育研究会は、発展途上国を含む50ヶ国に個人別、学力別学習を共通のメソッドで展開をしております。独自の公文メソッドでの教室事業や、福祉施設、学校、企業への施設導入などの様々な事業形態を通して、生徒の認知、非認知能力向上への取り組みを行なっております。
    • SDGsでは4番目の目標として、「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。SDGsでは教育の「質」に着目し、学校に通うことを保障するだけでなく、子どもたちが身につける教育の内容に焦点を当てています。国連やSDGsにおいて議論される「教育の質」に、「認知能力」と「非認知能力」が含まれています。
  • 国際教育協力の歴史的な変遷
    • 第二次世界大戦後、国際教育協力は人権の1つとして教育を提供しよう、という意図のもと始まりました。1970年代以降、主にアフリカにおいて、教育は国造りに取り組むことのできるエリートを要請するために用いられ、教育の初期段階以上に、高等教育や大学教育に予算・人材が集中しました。
    • しかし、1990年代に転機が訪れます。日本をはじめとした、天然資源などが存在しない東アジア各国が大きく発展し始めたのです。理由の1つとして考えられたのが、初等教育などの教育の初期段階の普及率でした。日本は資源による輸出ではなく、人を資源として成長したことを各国が倣う潮流が生まれました。
    • そこで、2000年代に入ると、2015年まで取り組まれていたMDGsのもと、教育の「量」に着目した目標が掲げられていました。結果として、すべての地域において教育の初期段階の普及は急激に改善されました。しかし、MDGs後に浮き彫りになった新たな問題が、教育の「質」でした。教員の能力が低かったり、教科書の内容が不十分であったりするために、子どもたちが学校に通っていても学び取っていない状況が明らかになりました。
  • 認知・非認知能力の定義づけ
    • 「質の高い教育」とはどのような教育を指すのでしょうか。本イベントでは認知能力・非認知能力と定義しました。
    • 認知能力とは、文字の読み書きができる、計算ができるなどを自分で使うことができる能力に加えて、複雑な話や課題を解決したり、思考をもとに問題を解決する能力も含まれます。
    • 非認知能力とは、知識ではなく、その人自身の態度や振る舞いのことを指します。例えば、自分で目標を掲げて努力する姿勢や、他人とより良い関係を築きながら問題に取り組む能力などです。近年の研究においてBig Five(外向性・協調性・経験への開放性・自律性・まじめさ)という概念をもとに研究が進められてきました。
《第1部》
  • 講演① 井上勝之氏
    • SDGsに対するKUMONのアプローチをバングラデシュの事業例(BRACとの協業)を踏まえ、ご説明していただきました。また、教育の質は多くの視点で考えることができますが、非認知能力に焦点を当てた教育についてお話していただいたことで、非認知能力の測定方法や学習者への効果を理解することが出来ました。
    • KUMONは2015年から、バングラデシュ最大のNGOであるBRAC(Bangladesh Rural Advancement Committee)と協業している。BRACは、世界最大の非政府組織(NGO)としてマイクロファイナンスのみならず、医療、教育、職業訓練などさまざまな貧困者支援を行なっています。
    • 公文式学習法の算数教材が、バングラデシュ最大の NGO である BRAC がダッカと周辺地域で運営する小学校の生徒の認知・非認知能力に与える影響を検証した。その結果、公文式を学習した群には授業自体の出席、算数の授業への積極的な参加・意欲にポジティブな変化が見られました。
      • 講演資料はこちらからご覧いただけます。

  • 講演② 久木田純氏
    • バングラデシュにおけるUNICEFの教育課題に対するアプローチや21世紀に必要なグローバルコンピテンシーについてお話ししていただき、これからどのような教育や企業のあり方、人材が求められているのかをイメージすることが出来ました。

 

《第2部》
  • 事例紹介
    • 第2部ではワークショップで「教育の質」を向上を目指し、子どもたちの「非認知能力」を“いかに”高めるのかを考えます。“いかに”高めるのかについて、明確な答えはなく、今なお子どもたちの様子や取り巻く環境に合わせて試行錯誤が行われているのです。今回は議論の参考として、すでに取り組まれている事例を紹介しました。
    • 〈学習活動の目標〉〈学習活動の場所〉〈学習活動の方法〉の多様な選択肢に着目し、次の2つの事例を紹介しました。
    • KUMON 公文式を児童養護施設 日本水上学園に導入した事例:

児童養護施設で生活する子どもたちが公文式を活用し自学自習をすることを通して、学習の達成感や意欲、成功体験を通じた自尊感情の高まりといった変化が見受けられるようになった事例です。

紹介動画

KUMON Now!「児童養護施設でのKUMON-日本水上学園」Ⅴol.097

    • JICA 「学びの質向上のための環境整備プロジェクト」:

エジプトで、児童の他の人と協力して取り組む力や感情をコントロールする力を向上するため、学級会や掃除、日直などの「特別活動(トッカツ)」の導入が行われている事例です。

紹介動画

JICA(2018/10/4)「『エジプト・日本学校』35校が開校:日本式教育をエジプトへ本格導入」

 

  • ワークショップ
    • A国B村という架空の地域の公立初等学校のケースをもとに、「教育の質」が低い原因を分析し、問題を解決するためのプロジェクトを立案するという問題解決型ワークショップを行いました。
      • 当日使用したケースはこちら(*ケースの国、学校などは実在しません。図表は参考資料をもとに一部改編しています。)
    • 今回は、「非認知能力」に着目するため、就学率や中退率といった量的な側面だけでなく、「仲間と協力して何かに取り組む機会の不足」といった内容や方法の側面に特に着目して問題分析を行いました。
      • 参加者のみなさんの間では、ご自身の学校での学習経験や途上国を訪問した経験を振り返りながら、教員同士の連携の不足や地域社会との関係などに着目して議論が行われました。
    • プロジェクト立案では、人やモノが不足する途上国の学校の限界も考慮し、学校が持つポテンシャルや学校以外の様々な教育の機会や資源を取り入れた提案が行われました。
      • 提案されたプロジェクト名の例
        • 「教員再教育プロジェクト」
        • 「多様性を身につけるための作文・グループ活動導入プロジェクト」
        • 「全員で卒業しよう」プロジェクト など
  • ワークショップの風景

①問題分析・目標設定に取り組む様子

②プロジェクト発表の様子

➢ 講評・表彰

  • グループ発表を受けて、ゲストの久木田氏と井上氏からご講評をいただきました。
  • 今回は、問題への着眼点やプロジェクトのアイディアの新規性・創意工夫に着目して、「ポテンシャル賞」「グッドアイディア賞」の表彰を行いました。児童生徒が協力して「理想の家をつくる」という学習活動を提案したチームや、次世代の教員を育成するために教員が相互に支える仕組みを提案したチーム、少数民族やジェンダーなどの多様性に関する問題に対して、作文を通して互いの思いを打ち明ける活動を提案したチームが賞を受賞しました。

➢ 講評の風景

ゲストによる講評の様子

表彰の様子

《ゲストからの総評》
  • イベントの最後に、ゲストから本日の総評をいただきました。
    • 井上氏から、今年9月にバングラデシュを訪問した際のエピソードをお話しいただきました。KUMONとBRACとの今日の協力関係は一朝一夕に出来上がったものではなく、その背後に、2度の事業の中断や、信頼関係を築くための弛まぬ努力がありました。さらには、バングラデシュが独立国家として承認される過程で日本の先人たちがかつて果たした貢献への、バングラデシュの人々からの感謝の思いがありました。
    • このような先人の途上国の発展への努力の積み重ねがあったからこそ、今の関係があり、それと同じように、私たちも将来をつくる役割を担っているということ。だからこそ、参加者のみなさんも、長い将来に得られることを願って、世界に関わってほしいというエールをいただきました。

 

《参加者の声》

参加者の皆様からのアンケート結果を一部抜粋してご紹介致します。

  • 高校生から社会人まで幅広い年代の人とディスカッションができて楽しかったです。
  • 公文の話もUNICEFの話も情報量があり、情熱的な講演で新しいことが十分知れたので楽しかったです。
  • ワークショップでは、はじめに問題があって、それを深く考察してから問題解決について考えたので、より実践的で楽しくできました。
  • 参加前は漠然とした意識でしたが、どのように国際協力に民間企業を巻き込んでいくかを考えるきっかけになりました。

 

《今回のテーマについてもっと知りたい方へ》

今回のテーマについてさらに深く知りたい方は、ぜひ以下のサイトなどをご参照ください。

国連フォーラムの担当幹事が、勉強会の内容をもとに下記のリンク先を選定しました。

 


『途上国の教育を「非認知能力」から考える』にお越しくださった皆様、誠にありがとうございました。今回残念ながら参加ができなかった方も、次回以降のご参加をお待ちしております。今後とも、国連フォーラム関西支部をどうぞよろしくお願いいたします!

また、国連フォーラム関西支部のFacebookグループページホームページでは、国連や国際協力に関する情報共有を行っております。関心のある方はぜひチェックしてみてください!

ネットワーキング・カンファレンス2018年

国連フォーラム関西特別企画『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』

2018年3月18日 実施

国連フォーラム関西特別企画
『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』

2018年3月23日(土)に、関西学院大学大阪梅田キャンパスにて、国連フォーラム関西特別企画『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』を開催いたしました。そのご報告をさせていただきます。

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ネットワーキング・カンファレンス2018年

〈参加者〉50名

〈ゲスト〉
SDGパートナーズ 代表取締役 CEO 田瀬 和夫 氏
関西学院大学院教授 久木田 純 氏
UNOCHA 神戸事務所長 渡部 正樹 氏
WHO健康開発総合センター医官 茅野 龍馬 氏
サラヤ株式会社 海外事業部アフリカ担当 森 窓可 氏
認定NPO法人テラ・ルネッサンス 栗田 佳典 氏
アマルプロジェクト 岩元 晴香 氏
大阪市立大学アイセック 三上 諒子 氏
SGH高校生(葺合高校/関西創価高校)(2名)

〈コンテンツ〉
【第一部】
◆①講演セッション:『キャリアトーク』
(学生の部)
・登壇者
  アマルプロジェクト:岩元 晴香 氏
  大阪市立大学アイセック :三上 諒子 氏
  高校生:2名 
それぞれの学生団体、高校であれば学校やスーパーグローバルハイスクールの取り組みを説明いただいたのち、パネルディスカッションで、将来へのビジョンや、大切にしている価値観などお話していただきました。
(有識者の部)
・登壇者
  UNOCHA神戸事務所長:渡部 正樹 氏
  WHO健康開発総合センター医官:茅野 龍馬 氏
  サラヤ株式会社 海外事業部アフリカ担当:森 窓可 氏
  認定NPO法人テラ・ルネッサンス:栗田 佳典 氏
それぞれの所属団体に関する概要を説明いただいたのち、パネルディスカッションで、大切にしている価値観ついて等、お話していただきました。

 

【第二部】
◆①国連フォーラム共同代表による基調講演
「国連フォーラムのこれから ~来るべきSDGs達成の2030年に向けて~」
・登壇者
  SDGパートナーズ 代表取締役 CEO:田瀬 和夫 氏
  関西学院大学院教授:久木田 純 氏
国連フォーラム設立の経緯から、今後の展望に関してお話いただきました。

◆②人とつながる。トークセッション
あなたが思う、持続可能な世界とは?」
「持続可能な世界の実現のために、具体的にどう取り組むか?個人としてどう関わりたいか?」
をお題に、グループに分かれ、ディスカッションが行われました。

 

〈アンケート〉
参加者の皆様からのアンケート結果を一部抜粋してご紹介いたします。
海外に関心がなかったのが、実際に現場を見たくなった。
国際機関だけではなく、企業でもSDGsの活動を行っていると知ることができた。
世界により目線を向けている学生達と出会えて、刺激になり、勉強に励もうと思った。
”ラベルよりコンテンツ”という考え方が今まで欠けていたので、新たな考え方をえることができた。
「大変優秀な学生が多く関西にいることを見れてうれしかったです。」
もっと悩んで混乱しようと思った。いろいろなことを知ろう!と思った。

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お越しくださった皆様、誠にありがとうございました。今回残念ながら参加ができなかった方も、次回以降のご参加をお待ちしております。今後とも、国連フォーラム関西支部をどうぞよろしくお願いいたします!

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第8回

第8回SDGs勉強会「国際教育協力の最前線 ~『質の高い教育』を問い直す」

2017年10月21日実施

国連フォーラム関西支部 第8回SDGs勉強会
国際教育協力の最前線 ~「質の高い教育」を問い直す~

 

2017年10月21日(土)に国連フォーラム関西は第8回勉強会『国際教育協力の最前線ー「質の高い教育」を問い直す』を開催いたしました。今回はその報告をさせていただきます。

本イベントでは、国連フォーラム関西運営メンバー3名によるプレゼンテーションとワークショップを通じて、国際教育協力における教育の質に関する議論の潮流を理解し、国際教育協力に関わるアクターについて学びました。

【イベント概要】

《企画概要》

第8回
イベント名:
国際教育協力の最前線 ~「質の高い教育」を問い直す~

日時 :2017年10月21日 14:00~17:00

場所 :賢者屋大阪梅田

タイムテーブル:
13:30~14:00:開場
14:00~14:05:オープニング、国連フォーラム紹介
14:05~14:25:プレゼンテーション①
14:25~14:45:プレゼンテーション②

14:55~16:00:ワークショップ
        ~この国に必要な「質の高い教育」って?~
16:10~16:35:プレゼンテーション③
16:35~17:00:クロージング

プレゼンター :

  • 矢野泰雅(神戸大学大学院国際協力研究科修士1年)
  • 浅川裕子(京都大学教育学部3年)
  • 安藤秀雄(神戸大学大学院国際協力研究科修士2年)

【開催報告】

《プレゼンテーション①》

『国際教育協力のこれまでとこれから〜「質の高い教育」と「教育の量」』(矢野)

教育協力とはどのような協力を指すのだろうか。ミレニアム開発目標の後継として持続可能な開発目標(SDGs)が採択されてから2年経ち、教育の目標において7つのターゲットが定められていますが、第1部ではこれまでの教育協力の潮流と変遷に焦点をあて、教育の『量』と『質』の観点から「教育協力」を考えました。

発表後には参加者の方から「伝統的な教育を行っている地域が存在する国であっても、純就学率100%を目指すべきなのか?」という質問をいただきました。この質問に対して、プレゼンターからは、答えは一つではないとした上で以下の文献が紹介されました。
「伝統社会における近代教育に関する課題は大変重要かつ難しい議論となっています。教育は、国家の経済開発に必要であり、1人1人の将来の選択の可能性を広げる手段として議論される傾向がありました。また、伝統社会の人々もそれらの正の影響に賛成し、同意することも少なくないことも重要です。しかし、文化継承の点から伝統社会への負の影響を与える可能性があるのも事実です。以上からわかるように、伝統社会ごとに「教育」の役割は異なり、一概に公教育を排除すべき、また普及すべきとはいうことができないため、ケースによって文脈を理解することが重要になるのではないでしょうか。」
(参考:高柳妙子「ケニアの伝統的な社会における教育の意味-ラム県とナロック県の比較から-」国際教育協力論集, 第12卷, 第2号, 2009年)

      

プレゼンテーション②

『「質の高い教育」を考える「内容と方法」の視点」〜”誰も取り残さない”ために最後の5%を教育を保障する』(浅川)

「質の高い教育」の「質」とは何か。就学率の向上や学校の設備、教師の力量形成に加えて、教育の「内容と方法」の視点も見落とすことはできません。第2部では、紛争後社会に焦点を当て、民族融和などの社会課題と教育の関わりについて、教育の「内容と方法」の視点から考えてみました。

第二部では「最後の5%」に着目したプレゼンテーションが行われました。これは学齢期の子どもの5%~10%を占める層を意味し、都市から離れた遠隔地の居住者、放牧生活者などの地理的要因に影響されるもの、障がい児、難民など、特殊な教育需要があるもの、女子などが挙げられます。教育機会の量的拡大によって、初等教育へのアクセスは飛躍的に増加を遂げていますが、まだこれに手が届かない「最後の5%」の層がいるのです。
(参考:山田肖子「初中等教育の意義と課題ー途上国の現場でのミクロな分析からー」JBIC 教育ネットワーク研究会ー国際教育開発連続講座第2回ー、2004年)

インドのカーストに関心を持つ参加者の方から、「子どもの生活に根差した教育内容と方法について、カーストの場合は具体的にどうなるか?」という質問をいただきました。プレゼンターからは、アメリカの「デモクラティック・スクール」にて実施された多様性のある集団の中の彼らの生活経験に基づいた教育方法を例にあげ、カリキュラムは公的に共通の枠組を参考にしながらも、教育現場の歴史や文化に合わせて、教師が主体的に編成していくことに価値があるのではないかという考えが述べられました。

《ワークショップ》

ワークショップ:『この国に必要な「質の高い教育」って?』

ワークショップでは、仮想国家・ヒユタ共和国のケーススタディを通して、教育内容・方法における課題を考え、多様なアクターによる関わり方の可能性をグループに分かれて話し合っていただきました。

プレゼンテーション③

『国際教育協力にどう関わるか?ー民間企業の役割ー』(安藤)

第3部では国連と民間セクターの国際教育協力に向けた動きを概観した後、事例を交えながら教育関連企業の国際教育協力に関わる活動を紹介しました。また、国際協力業界の中で近年プレゼンスが高まりつつある企業に焦点を当て、自分らしい国際育協力についても考えました。

・KUMONののバングラデシュ事業におけるアプローチについて
プレゼンではKUMON職員がBRACスクールに通う貧困層の子どもたちに対して直接関わるという形ではなく、ライセンス契約や現地スタッフ育成の面で関わっている事例を紹介しました。KUMONは国内においては、数学・国語・英語を主力として外国語や書道など様々なコンテンツを提供していますが、海外ではその国の文化や歴史等を踏まえた教科内容にしています。バングラデシュにおける教育事業は、FC展開の事業性の検討や人材育成の仕組みの確立などの為の新たなパイロット事業を2017年より展開しており、今後はJICAに限らず国連との関わりも視野に入れ、教材等のリソースを提供した教育事業の拡大を続けることを紹介しました。
プレゼンを通して、自分の思い描くアプローチがどの組織に所属することできるかは、しっかり調べて考えなければならないことを参加者の皆様と考えられたかと思います。

《参加者の声》

最後に参加者アンケートから一部参加者の声を抜粋してご紹介します。

  • 教育の質と量に分けて考えたことはなかったので新鮮だった
  • 質の高い教育と言っても幅が広く、単純な問題でないことがよくわかった
  • グループでの意見は色々な見方が人によって違っていて面白かった
  • 国際機関と言えば国連やJICAを思い浮かべませんか?という質問にハッとさせられました。民間企業もそうであること、知らないうちに意識から外してしまっていました

みなさまと共にこのような場を作ることが出来たことを、とても嬉しく思います。

これからも国連フォーラム関西支部をどうぞ宜しくお願い申し上げます。


また、国連フォーラム関西支部のFacebookグループページホームページでは、国連や国際協力に関する情報共有を行っております。関心のある方はぜひチェックしてみてください!