6.3. 報告書班
6.3.1. 役割
報告書班は、現地渡航での学びをさらに深め、それらの学びを報告書にまとめ広く周知することを役割としている。渡航前の研究班の活動を引き継いでいる
6.3.2. 活動
具体的に行う活動は、下記の2つである
6.3.2.1. 渡航後勉強会の実施
渡航後勉強会は、前節の報告会と並んで、JSPの学びを外部に発信するための最終成果物である報告書を充実させる過程として位置づけ、全2回実施した。特に、報告書のハイライトとなる第4章(ヨルダンが抱える課題とその取り組み)について、経済や保健、教育、ジェンダーといった各テーマを深堀し、質の高い報告書となることを意識した。
渡航後約1カ月後に実施した第1回渡航後勉強会では、「テーマごとに渡航期間中に経験したことを振り返り、参加者間で共有するとともに、意見交換を行なう」という全体テーマのもと、メンバー同士でディスカッションを実施した。「ヨルダンの持続的な経済発展について」「ヨルダンにおける難民との共存について」「ヨルダンの人道・開発の現場における援助のあり方について」「ヨルダンの女性のエンパワーメントについて」という4つをディスカッションテーマとし、グループに分かれテーマごとに渡航中の経験や感じたことを共有したのち、テーマごとに用意された質問に対する答えを議論した。渡航から1カ月が過ぎていた中での議論ではあったが、渡航中に十分に議論することのできなかった論点について各々の意見を交換することができた時間であった。また、渡航前にもっていた仮説を改めて確認することもできたことからも、現地渡航の学びをさらに深めるきっかけとなった。
この勉強会での議論を踏まえて、参加者それぞれが最も深めたいと考えたテーマごとに、後述する報告書のうち、第4章を執筆する6つのチーム(難民キャンプにおける支援、経済・雇用、環境、保健、教育、ジェンダー、難民とホストコミュニティの共存)に分かれて準備を進めた。約一か月後に実施した第2回勉強会では、報告書の内容をブラッシュアップすることを目的に、各チームが執筆した内容について発表し、プログラム全体からのフィードバックを実施した。また、この勉強会がJSPメンバーが集まる最後の機会であったため、勉強会後半では、各自が1年間JSPで学んだことやこれからの抱負などの共有も行った。
6.3.2.2. 報告書の作成
報告書では、JSPでの1年間の学びをまとめる。作成した報告書は広く周知するとともに、訪問機関の方をはじめ、これまでにお世話になった方に送付をすることで、私たちの学びを共有するものである。
「みんなでつくる」というコンセプトのもと、報告書作成はその方向性を決めるところから始まった。メンバーにアンケートを実施し、その結果をもとに報告書の目的やターゲット読者、成果物のイメージなどを固めた。また、過去のスタディ・プログラムで作成した報告書のレビューおよび分析も実施し、JSPの報告書の構成の検討に活用した
報告書の執筆は、報告書班メンバーが取りまとめつつも、JSPメンバー全員で行った。先述のアンケートや過去の報告書レビューをもとに決定した構成のもと、章ごとに執筆メンバーを分担した。執筆に際しては、執筆の方向性について各章でミーティングを重ねる中で決めていった。各章の方向性や内容は、先述の勉強会にて共有をし、全体からもらったフィードバックをもとにブラッシュアップを行った。各章執筆が完了した後も、全員がフィードバックを行うとともに、執筆担当者とは別のメンバーが責任をもって編集を行うことで、より精度の高い報告書の完成を目指した。