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第7回
朝居 八穂子さん
インターン先:
UNICEFウガンダ事務所
第6回
戸崎 智支さん
インターン先:
UNFPA/ILO東京事務所
第5回
杉 みちるさん
インターン先:
UNICEF
バングラデシュ事務所
第4回
中村 秀規さん
インターン先:
UNICEFウガンダ事務所
第3回
小谷 瑠以さん
インターン先:
国連事務局軍縮局

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第8回 菅野 文美さん / Plan中国事務所
インターン先:UNICEF本部事業資金部
(写真:UNICEFにて)


Plan(子供のための国際NGO)中国事務所の菅野文美と申します。ひと夏前、ユニセフ・ニューヨーク本部事業資金部でインターンをした経験を紹介させていただきます。私は大学院を卒業後、フルタイムの仕事経験がなかったのですが、当インターンシップから現在の職にどうにかつなげました。将来の就職活動を念頭に、国連のインターンシップを考慮されている方の参考になれば幸いです。

■1■ インターンシップへの応募から獲得まで

大学院卒業を間近に控えた頃、学校および国連フォーラムのメーリングリストでインターン募集を知り、応募いたしました。その後、電話インタビューと面接を経て、幸運もあって採用されました。後日、その時のインタビューのフィードバックをうかがったところ、「インターンシップをただのキャリアのステップアップとして利用するのでなく、ユニセフのミッションに賛同し、コミットする用意があることが重要」とおっしゃった言葉が、現在自分が人を選ぶ際にも、非常に参考になっております。

■2■ インターンシップの内容

主な担当業務として、ユニセフ各国事務所が「国連人間の安全保障基金」に提出するプロポーザルの作成を支援しました。例えば、プロポーザルがユニセフと当基金の政策や要求を満たすようにフィールドオフィスにコメントを返し、前任者が残した文書 を元に、ユニセフのイントラネット上に「人間の安全保障基金ハンドブック」を作成しました。部署やオフィスによって状況が異なるようですが、私の場合、大学院卒業後のインターンシップは許可されなかったため、書類上は「ボランティア」でした。そのため、インターンのように期間の制限もなく、4ヶ月以上にわたって働かせていただくことができました。もちろん無給ですので、住居は留守中の同級生の部屋を借りたりその後友達の家に居候をし、物価の高いニューヨークでの生活を凌ぎました。

プロジェクト現場に直接アクセスできるフィールドオフィスに比べ、本部でのインターンシップは地味ですが、途上国開発における先進国の役割を学ぶ貴重な機会だったと思います。ユニセフの資金獲得と配分の仕組みだけでなく、セクターを越えた複数の国連機関によるジョイント・プログラミングなどの改革を推進するには、資金の流れや質の改革も重要であることを学びました。また、数多くのプロポーザルのレビューを通じて学んだロジカルフレームワークやプロポーザルの書き方、ドナー研究の重要性などは、今の仕事でも役に立っています。最も大きな収穫は、この機会を通じて、上司の久木田さんや人間の安全保障ユニットの田瀬さんをはじめ、様々な方から、開発に対する考え方やプロフェッショナルとしてのあり方についてお話をうかがえたことだと思います。

■3■ その後

上司の理解があったおかげで、インターンと同時進行で就職活動をすることができました。冒頭で紹介いたしました上司の言葉を考えると耳が痛いのですが、私はこのインターンシップを最大限利用して、できるだけ多くの方にお話しをうかがった結果、今の職につながったと思います。今から考えると自分でも恐ろしくなるのですが、大学院在籍中から約一年間に渡って様々な形でお話をうかがった方はおそらく100人近くに上ると思います。ただ、手当たり次第に人に相談すれば良い訳ではなく、私の場合、これまでの興味と経験に照らし合わせて自分のキャリアの中期的目標を「中国での教育開発」と明確にしてから、やっと就職活動が軌道にのりはじめました。上司および元ユニセフ中国事務所スタッフの紹介で、中国で活動する方々と電話でインフォメーショナル・インタビューをするうちに、私が今所属するプラン・チャイナのディレクターが発した「北京に来ることがあれば、私の事務所に寄りなさい」という一言で、北京行きを決めました。北京での一ヵ月半に渡る就職活動後、ユニセフ北京事務所教育プログラムで三ヶ月間コンサルタントとして働き、現在プラン西安事務所で教育プロジェクトのコンサルタントをしております。主に、参加型モニタリング・評価システムの設計と実行、コミュニティの能力開発、リサーチ&アドボカシーを担当しております。

■4■ 感想

開発で働いていく以上、ファンド・レイジングの知識は不可欠であると考えておこなったインターンシップでしたが、NGOの立場から子供とともに進めるコミュニティ開発に取り組む現在でも、ユニセフでの経験は活かされている感じます。即戦力重視でトレーニング期間がほとんど存在しない開発の世界で、私のような新米にとってインターンシップは不可欠なトレーニングであると同時に、周りの方々に自分の能力を知っていただく貴重な機会でもあります。また、国連でのインターンシップは往々にして自由度が高いからこそ、自分次第で充実度が大幅に変化する面があります。好奇心と明確な目的を持って積極的に仕事を開拓し、自分なりのアウトプットを残すことが重要です。ただ、私の場合、多くの方々の支援に恵まれてはじめてこのインターン経験を今の仕事につなげることができました。インターン先で出会った「メンター」の方々はかけがいのない財産です。長期にわたり相談に乗っていただくことが大切だと思います。

以上、拙い文章で失礼いたしました。参考にしてくださる方がいらっしゃれば幸いです。




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