サイト内検索


国際仕事人に聞く第18回
長有紀枝さん(難民を助ける会(AAR)理事長)
田瀬和夫さん(国連フォーラム共同代表)

国際仕事人に聞く第17回
牛嶋浩美さん
イラストレーター

国際仕事人に聞く第16回
近藤篤史さん
元WFP物流担当官/軍民協力調整官

国際仕事人に聞く第15回
甲斐田万智子さん
認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rightsシーライツ)代表理事・文京学院大学准教授

国際仕事人に聞く第14回
吉川舞さん
日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)現地広報

国際仕事人に聞く第13回
高嶋由美子さん
国連UNHCR協会事務局長

国際仕事人に聞く第12回
栗栖薫子さん
神戸大学大学院法学研究科・法学部教授

国際仕事人に聞く第11回
小林立明さん
国際交流基金ニューヨーク日本文化センター副所長

全タイトルを見る⇒
HOME国際仕事人に聞く > 第19回




外務省での女性参画推進
〜女性が輝く社会への新たな試み〜

松川るいさん
外務省女性参画推進室長

松川るい

「国際仕事人に聞く」第19回では、外務省総合外交政策局女性参画推進室室長の松川るいさんにお話を伺いました。松川さんは、2014年4月に発足したばかりの女性参画推進室の初代室長をお務めの傍ら、私生活では5歳と1歳の二人のお子さんの育児をされています。今回は、外務省で女性参画の推進を進めていく意義や、女性による国際会議WAW!などについてのお話をいただきました。 (2015年2月於東京)



外務省の女性参画推進室について教えてください。

女性参画推進室がなぜ外務省にあるかというのは不思議ですよね。現政権では国内の成長戦略としてアベノミクスを提唱しており、2013年9月に国連総会でウーマノミクス(※語句説明1)に言及し、日本の外交や国際協力分野においても女性の分野を重視していくという内容を打ち出しました。それを実施していくにあたり、女性分野における日本の立場を統括するオフィスが必要となり、外務省に女性参画推進室が設立されました。

松川 るい(まつかわ るい) 1971年生まれ。東京大学法学部在学中に、外務公務員I種合格、1993年外務省入省。1997年米ジョージタウン大学にて国際関係大学院修士号を取得。これまで、総合外交政策局国際科学協力室にて国際宇宙ステーション関連業務他、条約局法規課みなみまぐろ事件に関する国際裁判や国家責任法、管轄権を担当。アジア太洋州局地域政策課にて ASEAN 協力や日中韓協力、日タイ、日フィリピン他との 経済連携協定交渉に携わり、ジュネーヴの軍縮日本政府代表部にて核軍縮に取り組む。この間、育児休暇を 2 度取得し、5 歳、1 歳の二女児の母として育児にも没頭。前職は、日中韓の3ヵ国政府が2011年9月にソウルに設立した国際機関である日中韓協力事務局の初代次長。その後、育児休業を経て現職。

女性参画推進室は、国連においてジェンダーに関する取り組みを行うUN Women(※語句説明2)との連携、国連女性の地位委員会(CSW)(※語句説明3)に関する調整、「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議第1325号」(※語句説明4)に基づく国別行動計画等を所管しています。女性と平和安全保障という分野では、例えば、PKOを派遣するときにはきちんとジェンダーの視点を守った上で人を助ける、政府開発援助(ODA)で支援するときにはジェンダーの視点を取り入れる、また、国内でも防衛省や外務省の担当者はジェンダーに関する研修を受けるといった、分野横断的にジェンダー分野を確保していくことが必要です。G8の中で女性参画推進室を設置していないのは、日本とロシアだけという状況でした。前述の国連総会での行動計画の策定宣言後、2014年4月に外務省に女性参画推進室が設立され、初代室長として任命を受けました。

女性参画推進室の主な業務を教えてください。

女性参画推進室の主な業務としては、上記の国連関連の業務に加え、「WAW!」をはじめ、新しく生じる女性に関する国際会議を開催することです。行動計画の策定とWAW!の準備がしばらくはメインです。「WAW!To Do」(※語句説明6)ができたことで、11年ぶりに策定された今年のODA大綱では序文にも一行、本文にも女性のリーダーシップ、女性の参画推進が大きな独立した項目として出てきます。なぜ女性だけそんな扱いなのかという意見もあるかもしれませんが、擁護される対象としてだけではなく、主体としても大事だということを強調して欲しいと伝えました。「WAW! To Do」で女性の参画を確保せよ等の定義が入り、ODAも変わりました。

その他、国際協力局の中のジェンダーに関わるプロジェクト、OECDと女性折衝、日米・日印等について、関係課から相談を受けて今の女性ポジションのトレンド、共通した日本の立場を入れていくという業務もあります。

女性参画推進室設立に関しては、前述の国際協力分野はもとより、国内においてジェンダーを推進する必要があることが一番大きいのですが、日本が女性分野を真剣に、積極的に推進していることを対外発信していくためでもあります。日本はいいことを行っているのに宣伝が不得手なので、もっとうまく世界にアピールしていきたいですね。「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」(World Assembly for Women (WAW!)」(※語句説明5)もそのために使いたいし、他の行動計画も含めて発信をしていくつもりです。


ミッションのうち、特に国際社会での問題に対する取り組みを教えてください。

女性参画推進室の中で、つまり日本政府の中での女性に関する国際問題においては、途上国における女性達をどのように支援するかというテーマと、日本などの先進国において遅れている女性の権利や社会進出についてどう取り組んでいこうかという二つのテーマがあります。世界の女性に関して共通して言えることは、ネットワークを構築してお互い助け合うというような繋がる力があるということです。

現在政府が政策の一つに掲げているウーマノミクスは、もとは別の支援のコンセプトだったと聞いています。例えば途上国の中でも女性の地位の低い国では、男性に支援をしても男性がお金を私的な目的のために使ってしまうことも多いようです。しかし、例えば女性の教育水準を上げるといった支援をすると、習ったことを子どもに教えることになり、子どもの教育水準が向上します。農業等の分野で自立する力を女性に与えると、コミュニティに利益が還元されるということが起こっています。女性をエンパワーするということは支援の投資効率を上げることになるため、女性が鍵だと言われています。

しかし、それは途上国の支援の世界に限った話ではなく、一般企業でも女性の意思決定の重要性が注目されています。例えば、最終決定段階に女性が関わっている企業のほうが実は利益をあげる率が高い。社会として女性を巻き込んでいくことで、より良いアイデアが生まれ、より良い意思決定が出来るということになるのです。意思決定者に多様性を持たせることは重要なことです。

そして女性は、繋がるという感覚をそもそも備え持っていることが多い気がします。男性はやはり、自分がトップに立つとか、自分が上に行かないといけないという気持ちがあるのではと、私の夫も外務省員なので見ていてなんとなく思います。一方女性は、多くの場合、良くも悪くも何かが達成されれば嬉しいし、一緒に繋がって何かが出来ると嬉しいと思う部分が強いのではないかという気がします。

「女性参画推進」はこれまで経験された外務省での業務と違うと思いますが、いかがですか。

大きく違います。私は2013年10月まで韓国にいました。外務省からの出向で、当時発足したばかりの日中韓協力事務局という日本・中国・韓国の協力を推進するための国際機関で働いていました。当時は、日中関係や日韓関係といった国家間関係や過去の問題と、それをどのように進めて行くかということに関心を持っていました。

今のアイデア勝負の「WAW!」に通じる点としては、学生対象の映像コンテストも開催していました。日中韓の学生が偏りなく同一チームにいることが条件で、ラーメンや恋をテーマに設定し、協力しておもしろいショートムービーを作るといったコンテストでした。小さなことですが、こうした目的を持った活動によって良い関係を築き、そうしたグループが増えれば、どんどん新たな関係が広がっていくと思います。その仕事の前はスイスや中国にいたこともありましたが、どちらかというと国家間関係、安全保障、または対中政策等に関する仕事が多かったですね。

現在仕事上で関わっている人は、男女比で言うと圧倒的に女性が多いです。外務省に入ってこんなに女性ばかりと仕事するのは初めてです。職場外でも、女性のNGOや女性関連の団体の方と会うといったことが多いです。外務省は省庁の中でも女性比率が比較的多いほうなのですが、それでも課長等のポストはほとんど男性です。

現在は、もともと遅れている女性分野で、日本国内の政策を進めるための対外発信をしたり、世界で困っている途上国の女性をエンパワーしたり、紛争下の性的暴力を受けた女性をどう救っていくかというプログラムの支援をしています。大変な状況に置かれた人の支援が対象ですが、自分が行っていることは、明らかに良いことだという確信のもとに進んでいけている気がします。

前例がないということも、楽しさを感じるひとつの理由かもしれません。女性参画推進室は2014年4月に発足したばかりなので、自分で思いついたことを実現できる点がすごく楽しいですね。女性参画推進室で働く人たちも、ネパールから単身赴任で来ている女性や、二人の小さい子どもがいて短時間勤務で働く外務省員など、多様性のある職場です。総勢6人の中で、男性は人権人道課という他部署と兼任している首席の方のみです。

女性の世界は、ネットワークが鍵だと思います。誰も損をせず、皆で繋がって、皆で進めていくのはいいことだという感覚はすごくあります。いろいろなことを皆で一緒に進めようという気持ちが女性には強いようで、そこはすごく楽しいです。


WAW!とはどのような会議なのでしょうか。

女性による国際会議です。この「WAW!」は安倍総理のイニシアティブで、女性分野で著名な方々が100名ほど集まった大々的な会議でしたが、4ヶ月で準備しなければならず大変でした。

しかし、前例のない会議であるからこそ、会場や段取りを含め、限られた時間の中で考えられる限りのことは全て行いました。例えば会議中に食べるおにぎりを女性たちに作ってもらったり、地方への発信のために、ゆるキャラに「WAW!」のロゴを一定期間持ってもらったりということもしました。ただ昨年はあまりにも準備期間が短くて、やりたいと思っていたことを全て達成することができませんでした。昨年の「WAW!」の会議は成功したので、様々な団体から共催の提案を頂いています。他の国内会議やアジェンダリレーなどの提案もあるので今年こそは新しいことに挑戦していきたいですね。

この「WAW!」も学術機関や政府、NGO等、様々な分野で活躍する人が全国各地や世界から集まり、経済や国際問題における2つの柱で6つのテーブルに分かれ一日中議論をしました。そのテーブルの中でそれぞれ2つずつ、具体的な提案を出していただき、出てきた意見を「WAW! To Do」というものにまとめました。

「WAW! To Do」も「WAW!」も私の考えたネーミングで、もとは「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」という長くて覚えにくい名前だったので、短く、キャッチーなものを探そうということになり「WAW!」になりました。「!」をつけるかつけないかで議論がありましたが、モーニング娘。の最後に「。」が付いているぐらい重要な要素だと(笑)上の人にも押し切って、このネーミングにすることができました。


WAW!が他の国際会議と異なるところはどこでしょう。気を付けていることはありますか。

放っておくと「WAW!」は世界中の偉い女性が東京に来て難しい話をして帰っていったというような印象になりかねません。そうならないよう、平和、安全保障、ビジネスから細部に至るまで皆に関係するテーマがあるので、地方の人、女性、男性にもいかに関心を持って自分のものとして考えてもらえるかが課題です。そのために、考えたのがシャイン・ウィークス(※語句説明7)です。

「WAW!」自体は2日間の会議ですが、前後の期間に、関心のあるあらゆる人に、女性に関するイベントを考えてもらったり、ロゴを使ってもらい、外務省のFacebookにどんどん載せてもらったりします。するとイベントを主催した北海道の人とアメリカの人が繋がるきっかけになったことがあります。思いついたのが昨年6月頃と直前だったのですが120件もの応募があり、多くの人が繋がることができたように思います。多くの個人、団体が繋がることができるので、今年も行いたいと思います。

今年は北京+20(※語句説明8)が開催されるので、女性分野が世界的に注目され、盛り上がる年です。今年9月の国連総会のハイレベルウィークのサイドイベントで北京+20の閣僚級会議が行われます。WAW!はその直前にある最も大きな女性分野の国際会議なので、北京+20の後継役もしたいと思っています。

 


女性分野における世界レベルでみた日本の印象や現状はどのようなものでしょうか。

日本は女性分野が遅れている国だと思われています。それこそ日本男児にかわいそうな大和撫子が虐げられているという昔のイメージがいまだに抜けないように思われているところがあります。日本は、2014年の世界経済フォーラム(WEF)の男女格差報告(※語句説明9)では男女格差指数が世界136カ国中104位です。経済・健康・教育・政治参加という4分野の水準があって、管理職の女性が少ないという理由からです。特に、霞ヶ関の省庁はワーストセクターともいえるかもしれません。女性の割合は、衆議院9%、参議院12%で平均10%、一般企業約10%、省庁3%です。政府機関は率先して男女平等に扱おうとするはずですが、そもそも入省する女性が少ないのも現状です。女性には手に職をつけることを希望する親も多く、資格で実力が担保される仕事に就いている女性は多い一方、会社や組織の中で昇進して役職についていく女性が著しく少ないというのが日本の特徴です。

なぜ女性の幹部が少ないのかというと、保育所が足りないという問題だけではなく、長時間労働という働き方と、3歳まではお母さんが育てるとか、育児や家事は女性がするべきだという男女の役割意識が挙げられます。一人目の子供を産むと仕事を辞めてしまう女性が多いですね。10年後に復帰する女性もいるけれど、10年ほど経って職場復帰しても管理職には就けない。だから、組織で幹部になる女性は少ない。それに、上にのぼっていく女性が楽しそうに見えないという現状もあります。

男性も含めていわゆる9時5時しか働かないような世の中になれば、女性も無理なく望む人が昇進できるようになると思います。子育てと仕事を天秤にかけたとき、夜遅くまで職場にいたくないと思う女性は多いと思いますし、夫婦間で協力できないと女性が家事や育児を抱えることになります。また、育児をアウトソースしようにも、なかなか供給が足りない現状、サービスが限定的でニーズと合致しないといった問題点があります。


今年の『WAW!』はどうしていきたいと考えていらっしゃいますか。

現在準備中です。対外発信に協力いただいている様々な方と、色々なアイデアを練っている最中です。今年はユース向けのテーブルもつくりたいと思っています。中高生、または大学生で話すテーブルをつくったら楽しそうですよね。 人生は長いのに、専業主婦かキャリアウーマンかという二択しかないのはおかしいと思っているのです。2年ぐらいは政府にいて、2年ぐらい子育てして、その後NGOに戻るなど、色々な選択があっていいはずです。もっと自由な生き方ができるはずではというテーマで、それを体現している人を世界中から呼んできて話をしてもらうのも面白いと思っています。

2015年は女子差別撤廃条約(※語句説明10)が日本で締結されて30年でもあり、北京+20もあり、記念日が重なっています。2015年は鍵の年なので、特に力を入れようと思います。

 




【語句説明】
1. ウーマノミクス
1999年、ゴールドマン・サックスのキャシー松井氏とその同僚により提唱されたWomenとEconomicsを組み合わせた造語で、働く女性の増加により社会、経済活性化を目指す概念。
2013年4月、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略の一つとして打ち出された。
参考:http://www.cnn.co.jp/business/35032452.html(日本語)
参考:http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304250704579098610157136496(日本語)

2. UN Women
United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women (UN Women) はジェンダー平等、女性の地位向上を目指すニューヨークに本部を置く国連機関。2010年の国際連合総会決議により、国連婦人開発基金 (UNIFEM)、国際婦人調査訓練研修所 (INSTRAW)、ジェンダー問題担当事務総 長特別顧問室 (OSAGI)、女性の地位向上部 (DAW)の既存4組織を統合して設立された。チリ大統領のミシェル・バチェレ氏が初代事務局長に任命され、元南アフリカ副大統領のプムズィレ・ムランボ=ヌクカ氏が現事務局長を務める。
参考: http://www.unwomen.org/en(英語)

3. 国連女性の地位委員会(Commission on the Status of Women or CSW)
1946年6月、国連経済社会理事会の機能委員会の一つとして設置された委員会。女性の地位向上に関し報告、提案をおこなう。毎年国連本部にて、国連加盟国、市民社会、国連諸機関等が集い、2週間の年次会合が開催される。
参考: http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_csw/index.html(日本語)

4. 「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議第1325号」
2000年10月に国連安全保障理事会において採択された決議。紛争下の性的暴力防止や女性保護、平和構築や安全保障においてジェンダーの視点を含めること、紛争予防や解決に関する意思決定において女性の平等参加の必要性が決議に含まれている。
参考: http://www.gender.go.jp/international/int_un_kaigi/int_un_anpori1325/index.html(日本語)
参考:http://www.un.org/womenwatch/ods/S-RES-1325%282000%29-E.pdf(英語)

5. 「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」(World Assembly for Women / WAW!Tokyo 2014」
2014年9月12-13日東京にて、「女性が輝く社会」を実現するための取り組みとして、日本政府、日本経済団体連合会、日本経済新聞社、日本国際問題研究所共催、日本経済研究センター後援により、「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」(World Assembly for Women in Tokyo、WAW! Tokyo 2014)が開催された。日本国内及び世界各国から女性分野で活躍するリーダーが出席し、女性が輝く世界を実現、促進するための議論がおこなわれた。国内からは安倍総理大臣、安倍昭恵総理夫人、岸田外務大臣、海外からは、シリン・チョードリー・バングラデシュ国会議長、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長、ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁、クリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事を含む、多くのリーダーやジェンダー問題に取り組む参加者が出席した。
参考: http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001189.html(日本語)

6. WAW! ToDo
「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」中の9月13日におこなわれたハイレベル・ラウンドテーブル閉会時に、議長を務めた岸田外務大臣が、議論内容をまとめた提案書。経済における女性の活躍促進とグローバルな課題と女性のイニシアティブを支援する内容で、主に、女性の起業やビジネス支援、働きやすい環境の確保、平和、安全の分野においての女性のエンパワーメントの強化等が含まれる。
参考: http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000051980.pdf(日本語)

7. シャイン・ウィークス
2014年9月に開催されたWAW!Tokyo 2014前後の9月8日から19日までを、女性が輝く社会実現のためのシャイン・ウィークス(Shine Weeks)とし、女性関連のイベントを開催。省庁、市民団体、学生団体、NGO、民間団体等が、セミナーやアートパフォーマンス等をおこなった。
Facebook上(https://www.facebook.com/shineweeks/info?tab=page_info)でも、シャイン・ウィークスに関する世界各国のイベント情報が掲載されている。
参考: http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001189.html(日本語)
参考:http://nwp.nikkei.com/waw/shineweeks.html(日本語)

8. 北京+20年
1995年北京にて開催された第4回世界女性会議の開催、女性の地位向上、エンパワーメントを目指す「北京宣言」、12の重要分野が明記された「行動綱領」の採択から20年が経過した2015年、女性の地位向上に向けてUN Womenが中心となり、世界各国では様々な取り組みが実施されている。国連本部では今年3月、北京+20を記念し、第59回国連婦人の地位委員会が開催、「北京宣言」や「行動綱領」のレビュー、課題について議論された。
参考: http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2014/201501/201501_03.html(日本語)
参考:http://www.gender.go.jp/international/int_standard/int_4th_beijing/index.html(日本語)
参考:http://beijing20.unwomen.org/en(英語)

9. 男女格差報告
世界経済フォーラム(World Economic Forum)出版の「The Global Gender Gap Report 2013」において各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表している報告書。2013年10月に発表された報告書では、日本は105位(2012年は135カ国中101位)。本指数は、経済分野、教育分野、政治分野及び保健分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を意味する。
なお、各国における男女格差を測る主な国際的指数としては、他に国連開発計画(UNDP)のジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index:GII)があり、2013年3月に「人間開発報告書2013」で発表された日本の順位は、145カ国中21位。本指数は、保健分野、エンパワーメント、労働市場の3つの側面から構成されており、日本の順位は、日本が優位な妊産婦死亡率などの指標が評価された結果と考えられている。
参考: http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2013/201312/201312_06.html(日本語)
参考:http://www3.weforum.org/docs/Media/Japanese_Gender%20Gap_Final.pdf#search='%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0+%E7%94%B7%E5%A5%B3%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E5%A0%B1%E5%91%8A'(日本語)

10. 女子差別撤廃条約
女子差別撤廃条約(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)は国連総会にて1979年採択、1981年発効。日本は1985年に締結した。男女平等社会実現を目指し、女子に対するあらゆる形態の差別撤廃を訴える30条から成る条約。女子に対する差別の定義を明記し、締結国には女子に対する差別撤廃のための行動を取るよう求める。
参考: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/(日本語)
参考:http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/joyaku.html(日本語)
参考:http://www.un.org/womenwatch/daw/cedaw/cedaw.htm(英語)

(2015年2月東京にて収録。聞き手:田瀬和夫、木曽美由紀、瀧澤菜美子、奥田真梨子 写真:田瀬和夫、ウェブ掲載:高橋愛) 担当:瀧澤、奥田、木曽、志村、鳩野

2015年8月20日掲載
※記事に掲載されている情報は2015年2月当時のものです。

HOME国際仕事人に聞く > 第19回