サイト内検索




第15回
山岸 千恵さん(3)
インターン先:
UNICEF
バングラデシュ 事務所
第14回
朝居 八穂子さん(2)
インターン先:
UNICEFウガンダ事務所

第13回
佐々木 佑さん
インターン先:
UNDP・日本WID基金


第11回
山岸 千恵さん(2)
インターン先:
UNICEF
バングラデシュ 事務所

全タイトルを見る⇒
HOME国連でインターン > 第16回


第16回 増川 智咲さん
東京大学大学院総合文化研究科
「人間の安全保障プログラム」

インターン先:UNICEF・タジキスタン事務所
写真:緊急援助でスクール・イン・ボックスを配った学校で。


東京大学大学院「人間の安全保障」プログラム修士課程に属す、増川智咲と申します。7月から9月の2ヶ月間、ユニセフタジキスタンオフィスでインターンシップを行なう機会を頂きました。この場を借りて、インターン経験を記させていただきます。

■1■ インターン応募と獲得まで

現在の大学院の前に、アメリカのNY州立大学オルバニー校で1年間、教育行政政策の修士課程に属しておりました。大学院進学前から、特に子供への教育分野における国際協力に興味を抱いており、ぜひUNICEFでインターンシップを行なえたらと考えていました。さらに、大学時代よりロシア語を専攻し、中央アジア地域研究を行なっていたため、「中央アジア諸国における教育援助」という、特定地域におけるインターンを望んでいました。今回のインターンは、アメリカで修士を取得後すぐに開始し、東大の授業が始まる直前まで滞在、というスケジュールでした。

今年1月の終わりに、久木田さんに連絡を取り、自分のインターンシップにかける考えを伝えたところ、面接に応じていただけました(2月)。その後ユニセフタジキスタンオフィスの代表、杢尾さんに推薦していただき、ユニセフでのインターンシップという夢が叶ったのでした。

■2■ インターンシップの内容

与えられたインターンシップの課題は主に、ユニセフ優先地区で新しく始まった女子教育プロジェクトのアシスタントと、それに関するペーパーの作成でした。この女子教育プロジェクトは、女子の学校退学や、繰り返される欠席を防ぐ目的を持っています。私が関わったのは、

A. 「この問題の原因特定」のためのRapid Assessmentが行なわれる前までの段階のアシスト。例えば、パートナートレーニングへの参加、プロジェクト対象学校選択におけるNGOとの会議への参加。

B. 「国家教育発展戦略」を踏まえたうえで、UNICEFが現在進行中のプロジェクト並びに、女子教育全体にどのように貢献できるかをまとめた分析ペーパーの提出。特に、情報システム構築という点から分析を行いました。分析を具体化するために、女子教育プロジェクトの共同パートナーである、セーブ・ザ・チルドレンのフィールドトリップへ2回ほど参加しインタビューも行ないました。

C. 女子教育向上のための、"Let's go back to school" キャンペーンのコンセプトノート作成。

D. 上記のプロジェクト以外にも、日常業務の補助(TORの作成など)、教育省との中間報告の打ち合わせ、中間報告会議への参加、特別全寮制職業訓練学校での英語の教授、各セクションチーフとのディスカッション、医療系のモニタリングへの参加、地震による緊急援助(スクール・イン・ボックスの配布)、NGO会議への参加、データ収集などの分野にも関わることができました。

 


NGOとのフィールドトリップで訪れた学校にて、地域学校
委員会の生徒代表達と。

■3■ 資金確保、生活

資金はすべて自己負担でした。旅費以外にも、予防接種(2ヶ月間でしたが、長期滞在者対象の予防接種類をすべて受けました)の費用がかかりました。タジキスタンではアパートを借りましたが、月$400でした。タジキスタンでの生活の様子はあまり知られていないことが多く、情報を得るのには工夫が必要でした。中央アジア研究を行なっている者から言えば、タジキスタンは中央アジア地域の中でも唯一紛争を体験した国であり、その安全性は疑わしいものでした。

私の場合幸運にも、オフィスのJPOの方から状況を事前に伺うことができ、大変助かりました。例えば、必要な予防接種の種類(日本では受けられないものも)、アパートを選ぶ際の注意点、食べ物に関する注意点、などです。そして着いて驚いたのが、以外にも、タジキスタンは国全体「平和」な雰囲気が漂っていたことです。外国人に対する犯罪も比較的少なく、夜間の注意事項はむしろ、街を徘徊する「野犬」にありました。しかし安全性に関しては注意が必要なため、着いた初日に、国連セキュリティーの説明を受けました。さらに大使館へ赴き、タジキスタンでの生活における安全注意事項を伺いました。又、指定された国連ドクターもいて、予防接種はそこでも受けることが出来ました。その他生活に関しては、タジキスタン在住の日本人ネットワークの方々にお話を伺うことで、様子を把握しました。

■4■ その他感想・アドバイス等

ユニセフで、しかも自分の専門地域であるタジキスタンでインターンが出来たのも、周りの方々に恵まれていたからだと思います。又、インターンの内容の充実度に関しては、すべて「自分次第」だということです。ユニセフでのインターンシップは、「何をしろ」と具体的に指示されるというよりも、「インターン最終日までに、この課題を達成しなさい」との大枠が渡され、それをどのように達成するかは自分の計画次第であるということです。そして時には、自分のスーパーバイザーに自分の意見をはっきりと伝えることで、自分の活動の幅を広げていかなくてはならないということです。それにはディプロマティックな交渉術も必要になると感じました。

(2006年10月19日掲載)



HOME国連でインターン > 第16回