第48回 邵 京京(ショウ キョウキョウ)さん
神戸大学大学院国際協力研究科 修士修了
インターン先:ユネスコ・バンコク事務所 アジア太平洋地域教育支局 教育政策課
期間:2013年10月14日〜2014年1月8日 (2ヶ月半)
■はじめに■
中国北京からの留学生です。2014年3月に神戸大学国際協力研究科を修了しました。神戸大では教育経済学を勉強していました。5月から北京にある公的機関で研究助手の仕事をしています。
■インターンシップの期間と場所■
2013年10月14日から2014年1月8日まで、タイの首都バンコクにあるユネスコ・バンコク アジア太平洋地域事務所教育支局(以下ユネスコ・バンコク)にてインターンをしました。
■インターンシップの応募から獲得まで■
私の所属していた神戸大学大学院国際協力研究科では、ユネスコ・バンコクでのインターンへの公募が定期的にあります。先輩方の経験を聞き、またユネスコ・バンコクでの仕事が私の専門性に近いと感じ、教育開発について経験を積める場所だと思い、応募しました。
インターンシップの応募のプロセスですが、大学を通してユネスコ・バンコクのスタッフの方と連絡を取り、そのあとはインターンシップの申請書提出をして、面接を行いました。面接はスカイプを通じて行われました。私自身、英語で行う面接は初めてだったため、すごく緊張しましたが、面接官の方はやさしく対応をしてくださいました。
■インターンシップの内容■
ユネスコ・バンコクのいくつかの部署のなかで、私がインターンをした部署は教育政策課です。教育政策課はアジア太平洋地域の国の教育政策と教育計画の改革の推進を研究しています。改革を通してその国の教育の質を上げることを目標としています。
インターンシップでは主に以下の仕事を行いました。
● レポートの作成:私の上司が受け持っているいくつかのプロジェクトのレポートの作成、編集をしました。
● プロジェクトの支援:上司のできる限りさまざまな経験を積んでほしいという思いから、私はほかのスタッフが担当しているプロジェクトやほかの課の仕事にも参加させていただく機会を得ることができました。インターンの間、中国人は私一人だったので、中国語関連の仕事を任されることが多く、そのひとつの“「より良い未来のためのスキル」E−コンテスト(各国からより良い未来をつくるにはどのような能力が必要なのか、作文や動画でアイデアを募るコンテスト)”プロジェクトでは、中国からの応募受付を担当しました。
● 会議での議事録:これはすべてのインターンがよく担当する仕事のひとつです。ユネスコ・バンコクは地域事務所ということもあり、会議がとても多く、ほかの課の会議でも議事録作成の手伝いをしました。議事録は専門分野とは関係なく、単に英語能力の問題で、毎回自分自身の英語能力不足を思い知らされました。ほかのインターン生は英語を母国語のように流暢に話す方がとても多かったので、もしこのような国際機関で働きたいのであれば、英語能力はとても大切だと思いました。インターンの間は英語しか使わなかったので、自身の英語能力を鍛えるいい機会になりました。
会議のあと、同じ課の仲間たちと
■その後と将来の展望■
インターンシップの期間はちょうど修士論文の執筆期間と重なってしまい、インターンシップに専念することが難しかったのですが、自身の上司やほかのスタッフの方々は本当に優しくて、あまりプレッシャーを感じることはありませんでした。インターンシップが終わってから一週間ほど北京に寄り、就職活動をしてから神戸に戻りました。神戸に帰ってからは論文の提出、口頭試問などあわただしい日々でした。
将来の展望については、私は大学で働きたいと考えています。まだ修士を修了した段階なので、これから数年社会経験を積んだ後、また博士課程に進めたらと思っています。今回のインターンシップは私の人生でとてもいい経験になったと思います。
■資金確保、生活、準備など■
これまで中国と日本でしか長期生活したことがなかったので、バンコクでの生活はすごく不安でした。しかし、ユネスコ・バンコクは各国からのインターンの学生が多く、皆さんにはすごく親切にしてもらいました。部屋探しなどもいろいろ相談にのってもらいました。バンコクに出発する前に予防接種を受ける時間もなく渡航したのですが、海外保険には入っていてよかったです。滞在中、右手を怪我しまい、現地の外国人向けの病院で治療しましたが、海外保険のおかげで治療費を賄うことが出来ましたし、ユネスコ・バンコクからも海外保険などの加入を求められるので、渡航前に必ず入っておいたほうがいいです。また、日本と環境がまったく違うため、食事が合わない、食あたりすることもあるので、自分が普段使っている常備薬を持っていったほうがいいと思います。
バンコクは、食料品などは安かったのですが、家賃は日本とさほど変わらず、滞在中は日本での奨学金と実家からの送金で暮らしていました。あまり高い食事や買い物もしてなかったので、大きな出費はありませんでした。
同じくインターンの学生仲間と世界遺産のアユタヤにも遊びに行きました
■最後に■
私はインターンの間、修士論文の執筆に追われていて、バンコクの生活もインターンの仕事も十分に楽しめなかったことが残念でした。国際機関でインターンをする際は、インターンの間に自分自身が時間に比較的余裕があるように準備をしていくといいと思います。また、インターンの間は自分から積極的にいろいろなプロジェクトに参加して、与えられた機会を十分に利用して、経験を積んでいくことをお勧めします。これが私の唯一の心残りです。
2014年6月28日掲載 ▲