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第54回
国連の前線から日本の国内に何を伝えるのか
〜日本が国連にできること、国連が日本にできること〜

紀谷昌彦さん
(外務省総合外交政策局国連企画調整課長)
玉内みちるさん
(ユニセフ本部人事部)
松下佳世さん
(朝日新聞社 ニューヨーク特派員)
第53回
平和構築人材育成事業の新たな展望
中込 正志さん(外務省総合外交政策局国際平和協力室長)

第52回
国連と世銀の危機管理対策での
パートナーシップ:進展と課題
黒田 和秀さん 
世界銀行脆弱・紛争影響国ユニット
上級社会開発専門家
第51回
国連の限界、国連の未来
The Politics of International Solidarity
ジャン=マルク・クワコウさん 
国連大学ニューヨークオフィス
ディレクター
第50回
緊急医療援助の現場における最近の課題
及び国際社会における女性NGOの視点

黒普@伸子さん 
第63回国連総会日本政府代表団顧問
日本BPW連合会会長
国境なき医師団外科医
第49回
TICAD IV後の展望
石井 香織さん 
UNDPアフリカ局
TICADプログラム調整官兼部長代行
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国際保健と人間の安全保障
〜ヘルス・システムの強化に関するグローバル・アクション〜

武見 敬三さん
ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員、日本国際交流センターシニアー・フェロー

マイケル・ライシュさん
ハーバード大学公衆衛生大学院国際保健政策教授、武見プログラム担当教授

2009年2月20日開催
於:ボストン・ハーバード大学
ハーバード公衆衛生大学院武見国際保健プログラム・
ボストンJapan Society・国連フォーラム共催
合同勉強会

質疑応答


■Q■ G8は先進国の集まりだが、ここでの決定は途上国での政策実行にどのように反映されるのか。

■A■ 影響力のある主要国間の一致した政策を表明することにより、国際保健に関する政策決定の主たる流れをつくる。他方において、そのG8における政策決定に、途上国からの参加を求めることが重要である。昨年は北海道洞爺湖G8サミットの2か月前にTICAD4が横浜にて開催されたことは非常に意義があった。このように政策を積み上げていく中で、途上国の意見をきちんと組み入れていくことが必要である。

■Q■ 多くある政策提言をどのように整理していくのか?

■A■ いろいろな考え方をまとめて行くのは難しい、その過程は極めて政治過程となることから主要議題となるためには、政治的モメンタムが不可欠である。しかし気候変動とくらべれば国際保健は政治的モメンタムは少ないが関係者間の対立が少なく、まとめやすいと思う。また、国際社会全体での調整するのは難しいので、G8で主たる流れを作ることは効果的である。

■Q■ 母子医療の改善は、日本では地域の協力があってできたということだが、途上国では?

■A■ 当時の日本の母子手帳をみると、高校卒業の女性が多かったことが幸した。母子手帳が難解な単語で書かれていたにもかかわらず効果を上げることができた。しかし識字率の低い途上国では、母子手帳の内容が漫画や図案で表示されている。JICA がジャカルタのスラムで健康診断を実施し、世界食糧計画(WFP)が最後にごほうびとして食べ物をあげるシステムを取り入れた。その結果母親たちは健康診断に来るようになった。このように土地にあわせて何が必要か知り、それを利用しつつ母子保健を推進する。ちなみに日本ではかつて母子手料を持っていくと配給の砂糖がもらえた。どこもはじめは同じだったのでは。

■Q■ 保健医療政策の人材の話に関して。どのように、どのような人材が増えればよいのか?

■A■ 保健医療の人材は、厚生労働省の中に多くいると考えられる。しかし可能性のある人がたくさんいるものの、厚労省では主に日本国内に関する仕事をするため、このような人々の知見が海外に発信されることが少ない。これから必要なのはキャリア・パスを変えていくことではないかと思う。WHOなどで働いたことがある人が得た知見を生かせるようなキャリア・パスをつくるべき。外務省やJICAに出向したり、または外部からのキャリア・パスを厚生労働省内に持ち込む必要があるのではないか。そしてきちんとした政策目標をつくり、行政改革を行うべきである。

また医者や弁護士など中間管理者などを人材としてもっと採用する必要がある。JPOのみでは不足である。国連職員の例をとってみても、そうあるべき半分の数しか日本人はいない。人材を育成するため、専門的知識、英語力などをもつように人材教育するべきである。

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議事録担当::中山(莉)
ウェブ掲載:柴土


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