国連フォーラムの設立にあたっての意見や提示などをまとめた趣意書になります。
国連フォーラムの運営及び管理にあたっての会則を説明しています。
最新のステートメントや過去のステートメントに関してまとめています。
国連フォーラム設立趣意書:(2019年10月24日改定)
本フォーラムは、2004年10月24日「国連の日」に、ニューヨーク在住の国連に関心を持つ有志により「ニューヨーク国連フォーラム」として設立されました。その1年後、さらに世界中のメンバーが幅広く参加できるように「国連フォーラム」と名称を改めました。
本フォーラムの使命は、国連についてもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考える多くの人々に、情報共有や議論への参加、さらには具体的な行動を起こすきっかけとなる「場」を提供することです。
このため、本フォーラムはメーリングリスト、ウェブ・サイト、勉強会、分野別の活動などの運営や開催を行います。さらに、既存のネットワークであるワシントンD.C.開発フォーラム、国連日本人職員会、国連学会や国際開発学会などの関連諸学会、あるいは外務省をはじめとする政府機関、NGO、民間機関などと幅広く連携し、それらとの間で相補性と相乗効果を考慮しつつ、独自の付加価値を生み出していきたいと考えています。
本フォーラムへの参加はどなたでも可能です。どのような立場にあっても、個人の資格で、意見の多様性を相互に尊重しつつ、建設的な議論を行なえる方であれば、本フォーラムへの参加を歓迎します。また、本フォーラムの運営は有志が組織する幹事会が行なっていますが、これに世界中からさまざまな形で参画して頂くことも歓迎します。
国連フォーラム幹事一同
2004年10月24日発表、2004年12月18日改定、2005年10月24日改定、2009年10月24日改定、2019年10月24日改定
国連フォーラム会則
第1条 本会は、「国連フォーラム」と称する。
2.本会の英語表記は、「Kokuren (United Nations) Forum」 とする。
(目的)
第2条 本会は、国連のことをもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考えている実務者、研究者、学生、メディア関係者など幅広い人々を対象として、国連についての知識を得、議論に参加し、さらには活動に参画する場を提供することを目的とする。さらに、議論の深化と発信を通じて、参加者にとって有意義な変化を引き出すことを目的とする。
(事業)
第3条 本会は、上記の目的を達成するため、メーリング・リスト、ウェブ・サイトやソーシャルメディアを活用した情報発信と議論の場の提供、勉強会、インタビュー企画、寄稿企画などの運営や開催を行う。さらに、既存のネットワークであるワシントンD.C 開発フォーラム、国連日本人職員会、JASID(日本国際開発学会)、あるいは外務省をはじめとする政府機関、NGO、民間機関などと幅広く連携し、それらとの間で相補性と相乗効果を考慮しつつ、独自の付加価値を生み出していく。
以下の活動分野をおく。メーリングリスト管理、ウェブ・ソーシャル・メディア、勉強会、ネットワーキング・カンファレンス会、フィールド・エッセイ、国連でインターン・ボランティア、国連職員NOW!、私の提言、国際仕事人に聞く、国連とビジネス、スタディ・プログラム、九州支部、関西支部、ユース。
(役員と任務)
第4条 本会に次の役員をおく。
代表理事(1名または2名) 本会には、代表責任者として、単独または複数の代表理事をおく。代表理事は、本会の目的・使命を理解し、豊富なネットワーク、知識と経験にもとづいて本フォーラムの活動を主導・調整できる人を理事の中から選び、理事会の協議によって候補を選出し、幹事会の承認を受ける。
2.事務局長(1名) 本会には、本会の運営において代表理事を補佐し事務を主導・運営する事務局長をおく。
3.理事(約15名) 本会には、それぞれの活動分野を主導・運営する「理事」(複数も可)をおく。理事の選出にあたっては、各活動分野のリーダー、幹事としての経験を含む国連フォーラムでの十分な活動歴があり、活動分野でリーダーシップを発揮できる人を選ぶ。
(役員の選出)
第5条 代表理事は、理事会において選出し、幹事会が承認する。
2.理事は、代表理事の推薦を受けて幹事の中から選出し、理事会が承認する。
3.事務局長は、代表理事が理事の中から選任する。
(役員の任期)
第6条 役員の任期は2年とする。ただし再任を妨げない。補欠により選任された役員の任期は、前任者の残任期間とする。
(幹事)
第7条 本会の活動に関心と意欲を持った会員の中から、フォーラム全体の運営に貢献できる人を幹事として選任する。代表理事または理事が候補者を推薦し、理事に諮ったうえで、代表理事が決定し、委嘱する。任期は1年とし、本人の意思を確認、また、その活動状況を検討の上、再委嘱することができる。各活動分野に、理事を補佐し運営にかかわる複数の担当幹事を置くことができる(複数分野の兼任可)。(約50名)
(会員)
第8条 本会の主旨に賛同し、後援する個人を会員とすることができる。会員は幹事または理事2名の推薦を受けて理事会で承認する。
(顧問)
第9条 本会では、必要に応じてフォーラムの運営全般について相談を受け、アドバイスをする顧問を設けることができる。
2.顧問は、国連についての長い経験と広範な知識を持つ人の中から選び、理事会の同意を得て、代表理事が委嘱する。任期は特定しない。
(経費等)
第10条 本会の経費は、会費・助成金・寄付金その他の収入をもってあてる。代表理事の監理、および理事会の確認のもと、事務局長が運営管理する。細則に定める一定額を超える場合には、年度ごとに幹事会による監査を行う。
2.年会費は、理事会が幹事会の承認のもとに額および納期を細則に定め、各会員が納入するものとする。ただし、代表理事が認める場合は事情により納入を遅延あるいは免除できる。
(事業年度)
第11条 本会の事業年度は、毎年1月1日から12月31日までとする。
(会則の改定)
第12条 この会則の改定が必要な場合は、代表理事が理事会と協議のうえ提案をまとめ、幹事会の過半数の同意を得て決定、会員に周知する。
(活動の終了、会の解散)
第13条 事情により本会の運営が困難になった場合、代表理事が理事会と協議のうえ提案をまとめ、幹事会の過半数の同意を得て決定、活動の終了、および会の解散ができる。
(附則)
1.本会則は、2021年1月1日より施行する。
2.理事会会合
理事会会合は、四半期に一度程度開催し(オンラインを含む)、本会の運営にかかる事項の検討、決定を行う。ただし、会費の変更、年度予算案の作成、会則の改訂、代表理事の任命、活動の終了および会の解散に関しては、理事会で決定した提案を幹事会に諮り、幹事会での承認を受ける。
理事会は、過半数の理事の出席(委任状の提出を含む。)がなければ開催することができない。理事会の議事は、投票(欠席した理事が理事会終了後24時間以内にオンラインで行った投票も含む。)の過半数によって決する。主要な決定事項については、本会ホームページ掲載など適切な方法で会員に周知する。
3.幹事会会合
幹事会会合は、年度に二度程度開催し(オンラインを含む)、代表理事、理事の参加のもと、本会の運営にかかる事項の報告、意見交換、決定を行う。また、会費の変更、年度予算案の作成、会則の改訂、代表理事の任命、活動の終了および会の解散に関する理事会からの提案があった場合、その承認を行う。
幹事会は、過半数の幹事の出席(委任状の提出を含む。)がなければ開催することはできない。幹事会の議事は、投票(欠席した幹事が幹事会終了後24時間以内にオンラインで行った投票も含む。)の過半数によって決する。
幹事会の期日及び議題は、開催予定日の少なくとも14日前までに理事会から全ての幹事に通知しなければならない(ただし、代表理事が、理事の3分の2以上の同意をもって緊急幹事会を開催するときはこの限りではない。)。
4.活動計画
理事は、本会の使命を遂行するための単年または複数年にわたる活動目標と計画を作成し、それに基づいて活動する。毎年1月及び7月に活動計画のレビューを行い、次期計画を作成する。活動計画のサイクルは1月からのカレンダーイヤーとする。
5.情報管理
ウェブ・サイトやソーシャル・メディアから得られた情報(入力情報)は理事が管理し、代表理事をその最終責任者とする。入力情報は、本会の目的・活動に必要な限度を超えて利用せず、特に、ウェブ・サイト等で統計的なデータを広報する場合を除き、いかなる場合も、その参加者の意思に反して外部に情報提供しない。参加者からその参加者に関する入力情報の修正・更新・削除などを求められた場合には速やかに応じる。理事・幹事・会員の個人情報は別途理事が管理し、取り扱いには十分注意する。
6.国連フォーラムのロゴと名称の使用
国連フォーラムのロゴを次のように定める。理事は、国連フォーラムのロゴ及び名称(「国連フォーラム」)を、国連フォーラムに対する誤ったイメージや誇大な表示とならないよう、また、社会や外部に誤認を生じさせることのないように使用する責任を持つ。また、理事であることについて対外的に表明する、またそのための名刺を作成するなどの場合に於いても、同様の責任を持つ。
7.支部の設置
理事は、理事会の承認を得た上で、支部を設置することができる。支部の活動は、担当理事を指名の上、事業企画に応じた体制で運営する。また、必要に応じて、本会の他活動分野においても、同様の体制を設置し運営することができる。
8.参加者
本会のメーリングリストには、フォーラムの使命への賛同、および投稿規定への同意を条件として、誰でも登録、参加できる。本会則における「参加者」とは、国連フォーラムのメーリングリストのメンバーとして、フォーラムの活動に参加する者を言う。
9.本会の最初の代表理事、理事および幹事は次の者とする。また、その全員を最初の会員とする。
代表理事: 久木田純、田瀬和夫
理事: 赤星聖、井上良子、大宝菜都美、岡本昻、北萌、志賀裕文、原口正彦、平井采花
幹事: 赤星聖、赤堀惇起、石井はるか、石黒朝香、井上良子、太田優人、大宝菜都美、岡本昻、上川路文哉、北萌、衣川直宙、久木田純、黒﨑野絵海、鈴木真代、住野英理、瀧澤菜美子、田瀬和夫、田中葵、西崎萌、原口正彦、平井采花、廣瀬梨早、藤森みな美、古市裕子、宮村桃子、米田奈央、リバシ(渡辺)直美
以上
2021年1月1日制定
2021年3月1日改訂
2022年4月5日改訂
ステートメント
2024年10月24日:国連フォーラム設立20周年をむかえて
国連フォーラムは、2004年10月24日「国連の日」に、ニューヨーク在住の国連職員や大学院生など有志数人によって設立され、これまで20年にわたって、国連についてもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考えている多くの人々に、知識を得、議論に参加し、具体的な行動を起こすきっかけとなる場を提供してきました。
メーリングリストの登録者は約9000人を数え、日本有数の国連・国際協力に関するプラットフォームとなりました。当初「オフ会」として始まったネットワーキング・カンファレンスはこれまでに28回開催され、今冬にも企画を準備しております。インタビューも多様な方々にご協力をいただき、「国連職員Now!」だけでも170人を超える多様な背景を持つ国連職員の方々にインタビューを実施しました。2010年より開始し、コロナ禍を経て2024年に再開したスタディ・プログラムには、のべ300名以上が参加してきましたが、国連職員・国際機関職員など多様なキャリアをその後歩まれ、それぞれの立場でグローバルな課題の解決に取り組んでいます。
このように、国連フォーラムが提供してきた「種」は、さまざまなかたちで大きな「花」を咲かせつつあり、20年という歴史には大きな重みがあると感じます。しかし、この歴史も、国連フォーラムにご協力いただいた方々、開催したイベントに参加いただいた方々、メーリングリストで情報を提供してくださった方々、多くのみなさまのご助力によるものです。心より御礼を申し上げます。
残念ながら、国連をとりまく状況は日々厳しさを増しています。ウプサラ大学紛争データプログラム(Uppsala Conflict Data Program:UCDP)とオスロ国際平和研究所(Peace Research Institute Oslo:PRIO)によるデータセットによれば、1990年代以降徐々に減少傾向にあった武力紛争(国家間・国内含む)は2010年代以降増加傾向を示しています(図1)。シリアやイエメン、スーダン、コンゴ民主共和国、ミャンマー、アフガニスタンなどで生じている人道危機は深刻な状況を脱することなく長期化しており、そして、ウクライナやパレスチナ、レバノンで生じている危機は、国連憲章をはじめとする国際法の理念に真っ向から挑戦するものでもあります。
(図1)第二次世界大戦後の紛争数(出典:Davies et al 2023より赤星作成)
多くの国々は人権条約を批准し、人権保障が義務となっているにもかかわらず、世界各地で生じている人権侵害はいまだなくなることはなく、日本もまた例外ではありません。気候変動や頻発する災害は人々の生活を脅かし、コロナ後の感染症対策を議論するパンデミック条約の結論は先送りとなりました。そして、何よりも少なくない国々において、多国間主義や国際協力に否定的な政党の台頭、政権の誕生という現象が生じています。
このような中で国連フォーラムは何ができるのでしょうか。確かに、国連フォーラムが設立された20年前と比較して、多くの教育・学術機関は国際協力を学ぶためのプログラムを備えるようになり、多様な団体がつくられ、多くの取り組みがおこなわれ、これまで国際協力から遠いと思われていた民間企業であっても、事業の一環として、プロボノ活動として、その活動に携わることができるようになっています。
しかし、国連フォーラムの使命である、「国連についてもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考える多くの人々に、情報共有や議論への参加、さらには具体的な行動を起こすきっかけとなる『場』を提供する」ことは、引き続きフォーラムが提供できる重要な貢献でしょう。国連憲章が掲げる崇高な理念は国連フォーラムの拠り所であり、何よりもこのプラットフォームには、「国連や国際協力に関心がある・議論をしたい」という1点において共通する、多様な価値観・バックグラウンドを持つ人々が参加しており、さらに、その多様性のある参加者同士が基本的には対等な立場で議論できる場というのはそこまで多くないのではないでしょうか。
このような強みを国連フォーラムはさらに「強化」「発展」させていきたいと考えています。その際には、国連フォーラムに関わるみなさまからもご意見をいただきながら、多くの人々にとってより魅力的なプラットフォームとなるように、理事会・幹事会として努力してまいります。代表理事・事務局長が変化する大きな節目ですが、今後とも国連フォーラムにご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。一緒に国連フォーラムの活動を創り上げてまいりましょう!
2024年10月24日
国連フォーラム理事・幹事一同(あいうえお順)
理事:赤星聖、井上良子、大宝菜都美、岡本昂、久木田純、田瀬和夫、中原隆伸、原口正彦、平井采花
幹事:安藤秀雄、飯島由佳、石田菜々子、遠藤万里、太田優人、郭拓人、景山健、神田響、久保島結希、黒﨑野絵海、纐纈響七、柴真緒、住野英理、高見純平、竹内克仁、鳥羽乃愛、中村理香、藤原由佳、古市裕子、リバシ(渡辺)直美