第73回 三戸部 美帆(みとべ みほ)さん
インターン時代の仲間と事務所が入っているビルの前で(一番左)
第73回 三戸部 美帆(みとべ みほ)さん
エジンバラ大学 アフリカ国際開発学 修士課程修了
インターン先: 国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所
インターン期間: 2016年5月~2016年10月(約6ヶ月)
■インターンシップ応募から採用まで■
私がインターンシップ募集について知ったのは国連フォーラムのメーリングリストを通してです。私の修士論文のテーマが日本のODAだったため、マルチにおける日本の国際協力にも関心を持つようになり、日本にある国連事務所でインターンを探していました。将来的にJPO合格を目指しているため、まずは国連での経験を積もうと思っていたときに、国連フォーラムのメーリングリストに投稿されたインターン募集のお知らせを見つけて、応募しました。履歴書を提出した後、2次選考で、筆記試験(英文の和訳)と面接(日本語・英語)を受けました。応募時はまだイギリスで大学院に通っていたため、大学のキャリアサービス等を利用し、応募書類の添削や面接の練習を行いました。
インターンに応募する際、インターンの時期がTICADⅥ(アフリカ開発会議)とかぶっていたため、自分の専門分野(アフリカ国際開発)や学部時代のガーナ短期留学の経験、また大学院在学中のOxfam Great Britain(イギリスの国際NGO)での活動経験等を積極的にアピールしました。また当時の私はサブ・サハラアフリカにおける日本のODAをテーマに、修士論文を執筆しながらのインターンとなるため、パートタイム(週4日)での勤務を希望しました。
■インターンシップの業務内容■
インターン先では、広報ユニットに勤務しました。勤務にあたっては、事前に自分の希望する業務内容や専門分野(人権やサブ・サハラアフリカにおける小規模農家のエンパワーメント等)についてお話しする機会をいただき、どのような業務に従事していくか、あらかじめご相談することができました。具体的な業務内容としては、UNDPが人権団体と公開講座をする際のプレゼン資料作成のサポート(資料集めやスライド作り等)をしたり、UNDPの視点から人権問題に取り組むには何が必要かをUNDPの文書(人間開発報告書)や関連ニュースから分析、提案をしたりしました。また、自分が関わることを強く希望していたTICADⅥにも携わることができたことは、とても有意義でした。アフリカ人間開発報告書の英語版・日本語版両方の編集作業、会議のパンフレット作成(英・日)、ケニアで行われたTICADの関連イベントのロジまで、サポートという形で関わることができ、本当に充実した毎日でした。
尚、インターンの仕事以外の時間では、修士論文執筆に必要なデータを収集していました。修士論文ではサブ・サハラアフリカにおけるアグリビジネスというテーマで執筆を考えていましたので、このインターンを通して、UNDP職員の方々へインタビューをしたいと考えていました。このことも、事前のブリーフィングでお伝えしており、実際にUNDP職員の方々へのインタビューの実施や、その方々から関連するNGOや機関の職員を紹介していただくなど、執筆にご協力していただくことができました。結果として、インターンをしている以外はずっと、データ収集・分析・執筆というかなりめまぐるしい日々でしたが、本当に学びが多かったです。この場をお借りしいたしまして、改めてお忙しい中、インタビューにご協力いただいたUNDP職員の皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
■その後と将来の展望■
インターンシップ期間中に外務省のプログラム「日本人学生のインターンシップ支援・日本人研究者育成支援事業」に応募し、合格していたため、インターン終了の一週間後には、ワシントンD.C.に派遣され、半年間、アメリカの財団及びアムネスティ・インターナショナル USA(国際人権NGO)で米国議会議事堂での会議補佐や関連イベントのボランティア等携わっていました。その後、在ルワンダ日本国大使館の草の根・人間の安全保障無償資金協力外部委嘱員として、日々、公衆衛生、教育、その他を中心とする草の根・人間の安全保障無償資金協力の調査、モニタリング、フォローアップに勤(いそ)しんでおります。最近では、私が関わっていた給水案件が完了し、引き渡し式を行いました。詳細は大使館のホームページをご覧頂けると嬉しいです。これが私にとって初めての仕事、そして初めての開発途上国の勤務ですが、まずはルワンダでできるだけ多くの学びと経験を重ねるつもりです。そして開発という仕事が本当に好きでやりがいを感じているので、どのような形であれ、この先もかかわっていけたらなと思っています。
アメリカでインターンをしていた時にユースデリゲートとして訪問した国連本部(NY)
週末にルワンダの友人と訪れた地方のNGO(ムハンガ郡ルワンダ)
■最後に■
UNDPでのインターンは無給ですし(私は学部時代に給付された奨学金や親からの援助で必要経費をカバーしました)、当時の私のように大学院生の場合は修士論文の執筆などとかぶってしまうと、かなりハードだと思います。ただ、そこで得た経験や人脈は、その後のキャリアに必ずプラスに働くと思うので、もし迷っていたら、まずは応募してみることを強くおすすめします。国際開発の世界では、必要な知識やスキルなどがTOR(契約書)に明確に記されています。自分の興味がある機関もしくは職種のTORを調べてみて、足りないものを足していくことによって、様々なチャンスを掴めるのではないでしょうか(私も日々勉強しています)。私はインターンの最中に自分が開発分野の仕事が好きだとの確信を持ち、その後のアメリカ生活で先進国ではなく、開発途上国のフィールドで、実際に現場での経験を得ながら、開発という仕事にまずはかかわってみたいのだと実感しました。開発業界は本当に求められるスキル(語学能力や関連する分野での経験等)が高く、どのポジションに応募する際にも即戦力を求められることが多いと思います。私もまだやっと一歩を踏み出したところなので、今後も一緒に歩んでいきましょう。
2018年1月19日掲載
ウェブ掲載:三浦舟樹