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「国連や開発機関でのインターンシップ」
第79回 国連フォーラム勉強会
日時:2013年11月23日(土)15時30分〜17時00分
場所:国連 North Lawn Building
■1■ はじめに
■2■ 登壇者紹介
■3■ パネルディスカッション
■4■ 質疑応答
■5■ 関連サイト
■1■ はじめに
国連フォーラムでは、今年5回目となる勉強会を11月23日(土)ニューヨークで開催しました。「国連や開発機関でのインターンシップ」をテーマに、国連開発計画、国連日本政府代表部、国連社会経済理事会、イスタンブール・ポリシー・センター、アジア開発銀行インターンシップ経験者の方々をパネリストにお迎えしました。以下の議事録の内容については、所属組織の公式見解ではなく、発表者の個人的な見解である旨、ご了承ください。
■2■ 登壇者紹介
尾崎弘之:国連日本政府代表部の経済部、および国連南南協力室でインターンを行った。現在は、国際連合工業開発機関(UNIDO)でコンサルタントをしている。
原口正彦:アジア開発銀行(ADB)にてインターン。現在はコロンビア大学博士課程にて、環境を専門に研究をしている。
福田園造:国連の経済社会局でインターンを行った。現在は国際連合食糧農業機関(FAO)で働いている。
丸山恵梨:イスターンブールのシンクタンクであるイスタンブール・ポリシー・センター、および世界銀行、欧州連合の代表部でインターン経験をした。現在はコロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)に在籍中。
羅佳宝(モデレーター):国連南南協力室でインターンを行い、第67、68回国連総会ではボランティアも行った。現在はニューヨーク大学院 Global Affairsプログラムに在籍中。
■3■ パネルディスカッション
インターンシップの見つけ方、インターンの期間中に経験したこと。
原口:ADBのウェブサイトのページをみて応募した。気候変動分野を扱っている部署でインターンをしたのだが、ADBのインターンはプロジェクトベースで実施されるため、インターンに応募する際には関わりたいプロジェクトを探し、ポストを指定して応募することになっていた(当時)。必要書類としてはエッセイとCVを提出し、返答をもらうまでに1ヶ月ほどかかったと記憶している。人によっては、電話でのインタビューが行われたそうだ。
尾崎:国連日本政府代表部でのインターンは、代表部のウェブサイトからインターン担当部署の連絡先を調べ、応募した。CV、志望動機(英・日)と面接で評価された。面接では、経済部長や参事官といった方に、学部時代と院時代の勉強の関連性を聞かれた。また、「なぜ国連機関ではなくて加盟国の立場で働きたいか」聞かれたのは印象に残っている。選考には、1か月強程度かかったと思う。インターンの内容は、様々な会議に出席して記録をとり、それを要約して大使館員に提出するといったものだった。このインターン経験を通じて、日本の視点、日本が国連に求めるものと国連の視点の違いをみることができた。国連持続可能な開発会議(Rio+20)に関われたのも貴重な経験であった。
国連南南協力室でのインターンは、知り合いを通じてインターンの募集を知り、面接後、採用が決まった。国際機関でのインターンは、色々なつながりが鍵になってくることもあるので、人とのつながりは大切にしてほしいと思う。国連機関でインターンをしたことで、代表部の時とは逆に国際機関側の視点を見ることができた。
福田:国連事務局ホームページを通じて、CVとカバー・レターなどを書き応募した。経済社会局でのインターン内容は、リサーチに関わるものが多く、行政部では組織の透明性をはかる指標の作成などに関わった。国連の面白いところの一つは、リサーチと政策作りを常に共に行っていることにある。例えば、透明性の問題に関するリサーチの結果を生の形で出してしまうと、不透明だとされた加盟国にとっては受け入れられるものではなくなり、政治的な問題が生じることもある。リサーチは大切だが、政治的な視点も常に持って仕事にあたることが重要だと学んだ。
丸山:トルコでのインターンは、SIPAのキャリアセンターの方とも相談をしながら見つけた。勉強で忙しかったこともあり、インターンを探すための時間を確保するのに苦労した。具体的なプロセスとしてはCVとカバー・レターを送ったが、カバー・レターでは差別化をはかる工夫として、自分の経験とトルコでのインターンがいかに関連しているのかという点を強調した。また、エネルギー政策の勉強をしているので、そういった問題をトルコの視点から見たいということも伝えた。書類提出後、1週間程度でスカイプでの面接をしたい旨の連絡を受け、インタビュー後数日で採用の連絡を頂いた。
インターンを通じて得たこと。
原口:尊敬できる上司に出会えたことが最大の収穫だった。開発業界で働きたいという目的意識を明確化することができたことは貴重だったと思う。
福田:ネットワークと異文化の壁を超えて様々な人々と働くスキルを得たことが有意義だった。そして、積極的に働くことを学び、「誰かに止められるまでは、何事も進めればいいのだ」という姿勢で臨んだ。
尾崎:2つのインターンにより、加盟国の立場と国連の立場の両方の視点が見られたことが、一番大きかったと思う。
丸山:インターンでシップでは、事前に上司とコミュニケーションをきちんととり、自分に求められているものを把握すること、また、指示を待つのではなく、常に主体性をもって自分ができることは何かを考えて行動することが大切だと学んだ。 さらに、インターンを通じて、今後自分が携わりたい仕事の分野が明確になった。
■4■ 質疑応答
質問:国際機関に応募する際、どのように自分を差別化していくべきか?
尾崎:CVの書き方を工夫して、自分が最も自信のあるところから書き始めるのが良いと思う。
羅:インターンでは、とにかく人とのつながりが大切。ウェブサイトから応募をするのも良いが、人脈確保が肝要である。
質問:人脈作りのコツは?
尾崎:例えば政府代表部では、外務省からだけではなく、農林水産省やJICAといったところからも人が来ている。自分が関れる場で、可能な限り様々な経験を持った人と接するのが良い。
質問:インターンを選ぶ際に重要視することは?
村田:国連も財政状況が苦しくなっているため、以前よりインターンを多く採る傾向にある。インターンに応募する際には、 インターン後に採用につながるように戦略的に応募することが肝心。また、インターン最中は、自分ができることを最大限に行い、その成果をアピールすることが重要である。タイミングと積極性が重視されるので、自分から進んで動いていくことが大事である。
(敬称略)
■5■ 関連サイト
・国連事務局ホームページ(英語)
https://careers.un.org
・開発メディアganas記事:『国連・開発機関でインターンするメリットは「出会い」? 国連フォーラムが勉強会』
http://dev-media.blogspot.com/2013/12/blog-post_30.html
企画運営:志村洋子、原口正彦、羅佳宝
議事録担当:橋本仁
ウェブ掲載:羅 佳宝
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