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国連フォーラム主催
「みんなでつくる」 ミャンマー・スタディ・プログラム(MySP)
活動報告書:2.3. 第三回勉強会
2.3. 第三回勉強会
日時:10月5日(日)
場所:JICA市ヶ谷
テーマ:人権とガバナンス
−目的
United Nations Strategic FrameworkのStrategic Priority 2(※参照):
人権とガバナンスについて理解を深める
−勉強会の進め方
はじめに、なんとなく知っているけど、よく分からない人権のイメージを参加者から共有してもらい、次にミャンマー・国連・人権というキーワードで4つの報告を行った。その上で、「ミャンマーの人権状況を知るための質問表を作成しよう」というテーマでワークショップを行い、実際に現地で人権の現状を聞くとき、どのような質問をすればいいかを考えた。
−インプット内容
- 人権とガバナンスを巡る4つの報告
- ワークショップ(グループワーク)
人権総論では、近年主張されている人権を守るために国家が存在するという考え方について解説がなされ、国連におけるライツ・ベース・アプローチ(RBA)概論では、開発においてニーズではなく権利に焦点を当てて、政府を支援し事業を行っていくという報告があった。その上で、ミャンマーの人権問題では、ミャンマーにおける良心の囚人やロヒンギャ(ミャンマーのラカイン州に住む少数民族)、子供兵を巡る現状について紹介され、2008年に改正されたミャンマーの憲法についてプロの視点から解説があった。最後に、それらの前提を置いた上で、国連がミャンマーの人権・ガバナンスにどのような戦略で取り組んでいるかというStrategic Priority4の解説を行い、ミャンマーの人権と政府に関する見取り図を参加者に提供した。
ワークショップではグループに分かれて、ミャンマーの人権状態について、「誰に」「どのような事を」「どうやって聞くのか」ということを意識して質問表を作成してもらった。
出来上がった質問表では、例えば、現地の住民の権利意識という観点から、住民がどの程度の権利までを保障されるべきだと考えているかを明らかにするため、「現在の生活で不便だと思っていることは何ですか?」という項目が挙げられていた。「なに」を質問するかだけではなく、「どのように」質問するかを考えることで、参加者より具体的なイメージをもって人権について考える機会を提供することができた。
−参加者の声(福田健太さん)
「人権とガバナンス」というテーマは、農学部に在籍している僕にとって、立ち入ったことのない分野でした。この勉強会における一つのポイントであった「ライツ・ベース・アプローチ(RBA)」という言葉を耳にしたのは第1回勉強会です。そのときは、人権を尊重する手法、といった程度の理解しかできず、もっと詳しく知りたいと思っていました。また、メンバーの方からの後押しもあり、僕自身がRBAのプレゼンを担当することにもなっていたので、プレゼンづくりを通してRBAの概要を把握でき、とても良い機会となりました。調べてみて、RBAは万能薬ではなく、経済成長と相反したり、徹底しきれない面もあったりとまだ課題を抱えた手法だと知ることができました。
今回ミャンマーへの渡航はできませんでしたが、このような勉強会の中で、各地のメンバーの方と協働することもでき、参加して本当に良かったです。
※UN Strategic Frameworkはこちらから(PDFファイル(2.3MB))ダウンロードできます。