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1.訪問先
Rwanda Education Board |
2. 該当テーマ
教育 |
3. 組織概要(事業目的、ゴール等)
【概要】 普通教育(general education)と技能教育(technical education: WDA Workforce Development Authority)に関わる教育省の下部組織。教育省の政策を受け、それを教育現場に具体的に落としていく役割を担っている。 【組織体制】 カリキュラム編成、教材調達、教師の人材育成、マネジメント、高等教育段階の学生向けローン、ICT教育の推進の6部署 |
4. ブリーフィング、プロジェクト訪問において説明された内容・質疑応答の詳細
・教育研修プロジェクト: 地域で選抜された160人の教師が参加する研究プロジェクト。教科ごとに担当の教師が集い、子供たちがより質の高い教育を受けられるよう、カリキュラム検討をする研修である。本プロジェクトの背景として、知識重視(つめこみ型)からの脱却という目的がある。コンピテンシー重視型への移行とICTの活用(One Laptop per Childなど)により、労働市場に対応した、社会で生きる力を育成する目的がある。 ・ICT教育 ルワンダは現在、シンガポールのようなICT立国を目指している。Smart Classroomを実現するため、学校に対してPC、プロジェクター、インターネット環境、ICTラップトップ等の提供を強化している。ネットを介してマテリアルを配る等、ICTと普通教育を結び付けていきたいと考えている。 しかしながら、まだ環境が整っていないのが現状である。そもそも、ICTに限らず、基本的な消耗品(紙やテキストなど)も地方では不足している。一方で、VISION2020に沿ってICT導入が急がれている。将来的には全科目でICTを用いて教え、コンテンツもICTの中に入れたいため、紙やテキストは長期的には不要とも考えている。 ○質疑応答 ・インクルーシブ教育の実態はどうなっているのか。 ⇒ハンディキャップのある子供たちへの対応は進めている。社会的需要が高まっている現状も鑑みて、身体障がいの子どもも普通学級と同じ教室で教育を受けられるように推進している。 ・都市と地方の教育機会格差はないのか。 →実際にあるのが現状である。地方の子どもたちが都市で教育を受けられるプロジェクトがあり、格差是正に努めている。 ・学校教育でICT化を進めるとなると、電力、インターネットといったインフラの欠如が問題ではないのか。 →実際に問題であるが、Ministry of Infrastructureの協力のもと、インフラを整える方向で進めている。太陽光発電による電力供給も進行中。 ・ルワンダに道徳教育はあるのか。 →平和、環境、男女平等など、規範となる考え方は全ての科目の中に横断的に含まれている。そのためルワンダには道徳教育の科目は存在しない。 |
5. 参加者所感
・教員研修に参加していた教師が非常に熱心なのが印象的だった。学校訪問もしたが、小学校、中学校共に1人1台のlaptopで授業を受けており、日本の学校よりもICT環境が進んでいる公立学校があることが分かった。公用語をフランス語から英語に変更した時、ほとんどの教師が英語も話せるようになったという話を聞き、ベテラン教員含めて柔軟な対応ができるルワンダであれば、学校教育のICT化も日本以上のスピードを持って進むかもしれないと感じた。 |
執筆者:小口 瑛子