モンゴル・スタディ・プログラム - 活動報告書(本編)3.3. 研究班

1.研究班の業務内容と構成

(1)研究班の業務内容

  • (a)  事前勉強会の企画と運営
    • 【企画・準備】
      • テーマと講師の選定・決定
      • 予習用参考文献のリサーチと情報共有
      • 3都市での各回勉強会会場の確保
      • プレゼンテーション発表者の決定
      • 各回の連絡調整(発表者・講師・参加者)
      • 各回勉強会会場でのリハーサル
    • 【勉強会当日】
      • 会場設営
      • 総合司会とディスカッション司会
      • 議事録の作成
    • 【勉強会後(各回)】
      • 議事録の共有
      • 運営上の問題点の洗い出しと改善
      • 講師の方からのコメントフィードバック
      • Facebookページでのフォローアップ議論
  • (b)  訪問先諸機関のリサーチとしおり原稿の作成
    • ロジ/しおり作成チームとの連携
  • (c)  現地でのディスカッション企画と運営
    • ディスカッション形式の企画・役割分担
    • ロジチームと連携して現地会場の確保

(2)研究班の構成

研究班メンバーは9名、内訳は以下のとおり。担当決めの段階で、他の班に比べて多めの人数と地域間バランスを確保したため、業務量と実際の運営に見合った構成だった。

  • [内訳]2名:九州(学生1社会人1) 
  • 3名:関西(学生3)
  • 3名:関東(学生3) 
  • 1名:海外(社会人)

2.事前勉強会のスケジュールと内容

日程テーマプレゼンテーション内容・担当者(地域)講師
6/16●モンゴル社会の変遷
-遊牧社会の成り立ち
-市場経済導入後の社会の変化
●社会変化に伴う諸課題
≪観点≫
人の移動/労働問題/教育/女性や子どもの地位
「モンゴル社会の変遷」:宇野原(福岡)
「モンゴの近代化に伴う諸課題」:大津(東京)
今岡 良子 先生(大阪大学 言語文化研究科・モンゴル語):関西会場
6/30●都市化と生活環境
-都市化の問題
-ゲル地区の改善
●農牧業と自然環境
-モンゴルの農牧業
-自然災害・防災
-環境問題(砂漠化など)
「農牧業と自然災害(防災)」:沼口(福岡)
「モンゴルの都市化と生活環境」:礒部(東京)
深澤 良信 氏(国連ハビタット福岡本部):福岡会場
7/14●中間ディスカッション
-補足プレゼン
-論点やポイントの整理
-まとめの議論
-モンゴル語講座
-現地渡航中の研究企画
補足プレゼン「社会主義から市場経済へ」:吉越(東京)ゲスト:モンゴル語講座 吉村さん(JICA):東京会場
7/28●経済発展と国際的地位
-鉱物資源の採掘と政治の実態
-モンゴル経済と国際貿易上の問題
-地政学上の特異な問題
●日本との関係
-外交関係・ODA関連
-経済交流・自由貿易協定
「モンゴルと日本関係」:宮崎(東京)
「経済発展と国際的地位」:西村(大阪)
岩田 伸人 先生(青山学院大学 経営学部・国際貿易):東京会場
事前勉強会

3.運営報告

(1)工夫した点・よかった点

まず、事前勉強会の準備段階では、第3回に中間的なまとめの回を設定し、十分な復習と参加者間での議論が行われるように企画した。これまでの経験上、渡航前の2ヶ月間に2週間に1度のペースで実施される勉強会では、毎回の充実した内容の学びが消化不良のまま渡航を迎えることも少なくなかったため、その改善策として試験的に導入した。結果としては、中間的なまとめと議論の整理ができたことに加えて、ゲスト講師をお呼びしてモンゴル語講座や現地渡航中のアイデア出しの時間も作ることができ、よい試みだったといえる。次回以降も、各回のテーマや内容量との兼ね合いを考えて毎回の構成を企画するとうまくいくのではないかと思う。

次に、しおり作成の関係でよかったのは企画班の役割と兼任してくれたメンバーがいた点である。研究班では渡航先で訪問する諸機関の活動やプロジェクト内容を調べ、しおりでの該当原稿を分担して作成したのだが、その作成には企画班による訪問先の確定や情報共有が前提となるため、短期間の準備だったにもかかわらず、兼任メンバーの両班をつなぐ働きのおかげで比較的スムーズに原稿を作成することができた。この工夫は次回以降も不可欠であり、役割分担の段階で連携すべき業務の確認が必要と考える。

さらに、現地でのディスカッション企画において、今回は研究班メンバーからの新しい提案により、毎日の振り返りとシェアリングの時間を取り入れた。現地での体力や時間との関係もあって、参加者と担当する研究班メンバーの負担にならない程度で実施したが、2つのメリットがあった。1つは、現地ではじめて対面するメンバー同士が多いなか、小グループごとのシェアリングの時間により、情報共有や意見交換のみならず、参加者間の仲も深めることができた点。もう1つは、毎日の振り返りを行うことで、参加者の学びの整理と最終日のディスカッションに向けた論点整理につながった点である。全体としての結果は、その日のうちにメーリングリストに流され、渡航できなかった参加者も、そのメモを確認することで現地での議論に日々ついていくことができた。この試みは継続的に導入するべきだと思う。

(2)問題点と次回への改善案

一方で問題点としては、研究班内でのコミュニケーションの問題と、それに伴う事前勉強会の運営上の問題があった。

1つ目の問題は、研究班に限ったことではないが、初対面が多いなかでの学生と社会人との間のメールでのコミュニケーションの仕方・重視の程度の違い、報告・連絡・相談の認識・徹底不足から、班内での情報共有ができていなかったり、協議事項に関するメールへの返信や反応がなく意思決定が進まなかったり、という問題が生じた。その結果、事前勉強会を運営するにあたって、会場の確保や連絡が遅れる、各会場でのリハーサルが十分にできない、当日の役割分担を理解していない、などの問題につながった。

問題の背景には、プログラム策定が全体として遅れたため、事前勉強会の内容への反映も遅くなったことで運営準備の時間があまりなく、不本意ながらハングアウトでじっくり話し合う時間が取れないままメールで物事を進めざるを得なかったという事情があった。互いの信頼関係があまりまだない段階でメールでのやり取りのみで準備を進めていくのは難しく、また、業務の進め方についての理解も学生と社会人とでは差があるため、一度はハングアウトでしっかりと(1)班の業務内容(2)全員で決定すべき事項(3)班内での運営体制(4)メールでのコミュニケーションの取り方(5)「報告・連絡・相談」の重要性について説明し確認することが重要である。

今後は、プログラム内で役割分担が決まった段階で、班ごと・リーダーどうし・全体の顔合わせハングアウトミーティングを必ず行い、定期的に班内でも横断的にも全体でも、こまめにコミュニケーションをとっていくべきだと考える。また、上記(1)~(5)はどの班にも共通する前提ルールであるため、ノウハウとして蓄積、必要に応じて文書化し、次回以降にしっかりと引き継いでいった方がよい。「みんなでつくる」という原則を全うするためにも、プログラム全体として運営面でのノウハウはまとめておくべきであろう。

(文責:井上良子)