モンゴル・スタディ・プログラム - 活動報告書(本編)3.5. 企画調整班

プログラムの企画を担当する「企画班」は「プログラム・ロジチーム」と「企画調整チーム」の2つのチームで構成されていた。現地プログラムの策定や、渡航に関する各種手配を行ったのがプログラム・ロジチームで、「しおり」を作成したり、現地交流の企画など、プログラムを補強する役割を果たしたりしたのが「企画調整チーム」である。ここでは「企画調整チーム」の報告を行う。

企画調整チームの渡航前の仕事はしおりの作成、現地交流のプランニング、そしてプログラムを補強する情報の収集と共有であった。しおりは参加者のプロフィールや日程表、訪問先の情報など、プログラムに関する情報が集約されている媒体で、渡航前に参加者に配布した。しおりの準備をする一方で、訪問する先々で出会う現地の方とどのように理解、親睦を深めていけるかという点で、様々な工夫をこらし、事前準備を行った。プログラムに合わせて訪問先でお世話になった方々に渡すお礼の品を購入し、訪問先で出会う人々との交流方法の検討、そしてそのための準備を行った。また、自由行動のときのオプションや食事の場所など、プログラムに応じた情報を収集し、しおりに掲載したり、メールで共有した。

渡航後は現地交流とプログラム補強が主な仕事であった。事前に準備したおみやげを、誰にどのようにして渡すか、またお礼の言葉をいう人やタイミング、相手に応じた出し物(歌や踊りや格闘技のパフォーマンスなど)を決定した。

企画調整チームはリーダーを含め5 人のメンバーで構成されていた。 以下に本年の運営体制などについての所感と提案をまとめる。

【しおりについて】

しおりの作成は執筆依頼、執筆、編集、レイアウト、校正、共有など、各工程における作業量が多く、人員不足のため、メンバーの負担が大きくなってしまったのが大きな反省点である。また、プログラムが決まってから執筆する部分が多く、渡航直前に仕事が集中した。

【現地交流について】

しおりと同様に、プログラムの詳細が決まってからでないと企画できない部分が多いため、渡航前に準備の時間を十分に取ることができなかった。しかし今回は多才で臨機応変なメンバーに恵まれ、魅力的な現地交流のプログラムを組むことができた。

企画調整チームの業務は企画班のほかのメンバー(プログラム・ロジチーム)との連絡調整が重要で、それぞれのチームの相互乗り入れ(手が足りないところを補強しあうこと)をある程度想定しており、一人ひとりが積極的に、主体的に関わり、リーダーシップを発揮して行く必要があった。しかし主にメールでのやりとりで業務を行っていたため、コミュニケーションに時差が生じてしまうこともあった。企画調整チームの業務はプログラム・ロジでの決定事項に依存する部分が多く、メーリングリストを作成したりしてリアルタイムの情報共有に努めたが、企画調整チームとプログラム・ロジチームとの連絡調整が完璧に行われたわけではなかった。

以上を踏まえ、来年以降は、プログラム策定を最低渡航一ヶ月前に終わらせることを目標とすることを提案する。現地機関との早めの調整を行うことで、プログラム及びロジを早めに決定することは可能なはずである。それにより、しおりの作成や現地交流の準備の時間を十分に取ることができるようになり、予算の見積もりや集金、送金などの、総務的業務も潤滑に行えるようになると考えられる。また、勉強会においてもより現地でのプログラムに則した議論が行えるようになるはずだ。

そのためには参加者が決定してからプログラムの策定に入るまでに、できるだけ早く参加者全員がプログラムに主体的に関わることができるよう工夫しなければならない。特に会ったことのない人とメールでのやりとりで様々な意思決定を行っていくプロセスに関わったことのない人は、最初は戸惑うはずで、導入の部分でプログラムへの関わり方やコツなどについて理解を促す必要がある。

また、一ヶ月前にプログラム策定を完了することを前提に、今年は別だった企画調整チームとプログラム・ロジチームを一つにまとめ、プログラム・ロジと企画調整チームの役割を同じチームで担うようにするといいのではないかと思う。しおりについてはロジ策定を行う人を中心に編集部を独立して作り、参加者の多くがしおり作成に参加するような仕組みを考えてもいいかもしれない。

【来年以降の体制について】

今年は委員長がロジ策定に関わらなかったことから現地で十分にリーダーシップを発揮できなかったという反省点がある。来年は委員長が最初からロジ策定を牽引していく体制を作るといいだろう。また、委員長をリーダーとしたプログラム・ロジを行うコアメンバーで広報、財務・会計、しおり・現地交流などの各分野を率いるという体制も考えられる。つまり各班のリーダーがプログラムの策定に携わるという体制をとることで、プログラムと研究、広報、総務、などの各班との連携と相互補完性が高まる事が期待できる。ただしこの場合、各班のリーダーの負担が大きくなるため、各班における調整を中心に行うサブリーダーを置くことが必要となるだろう。体制、各班の人数などについては引き続き慎重に検討を進めていく必要がある。

(文責:吉村美紀)