カンボジア・スタディ・プログラム - 第3章第3節第4項:かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学

第4項:かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学(かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山菜々子さん)

見学地のバックグラウンド

現地プログラム4日目の11月21日(水)午前9時頃、シェムリアップのソトニコム地区に位置するコミュニティーファクトリーを全員で訪問しました。このファクトリーはNGO団体かものはしプロジェクトにより運営されており、かものはしプロジェクトの駐在員でおられる亀山菜々子さんにご案内いただきました。い草を使用した製品作りの過程を見学し、このファクトリーの運営がいかに地元の女性の権利向上に寄与しているかを学びました。

写真①
写真②

CSP参加者感想①:井上 良子さん

実は今回が2回目の見学だったコミュニティーファクトリー。貧困層家庭の女性に職業訓練とハンディクラフト製品をつくる雇用の機会を提供するこのプロジェクトの見学では、「自立」「自主性」の重要性について考えさせられた。まず印象的なのは、い草を(1)染める(2)織る(3)カットする(4)縫製する各工程で真剣に、そして楽しそうに働く女性たちの生き生きとした姿。それぞれの工程でのチームワークや自主的なリーダーシップに任せられ、一方的に決められた枠組みや仕組みを提供するだけでない、自発的な組織化が目指されていることがわかる。

また、前回訪問した際にはなかった、製品を販売するお店がファクトリー内にできたことで、自然と作り手たちのモチベーションにつながっていると感じた。一定の収入が入ることによる経済的な自立の他、識字教室や生活全般の指導など、自立的に生きていくための力をつけることが一過性でない持続的な底上げになっていると思う。

CSP参加者感想②:窪 健志さん

大学で社会起業なるものを学ぶなかで、はじめて覚えた組織がこのかものはしだった。せっかくなので共同代表の方に聞いてみた。「社会起業とよばれることをどう思われますか?」と。「自分たちはこの国の人身売買の問題をなんとかしたいというのが第一優先のミッション。だからそのアプローチの仕方にはこだわらない。」 やっぱりソーシャルビジネスは目指す社会、そして世界に向けての手段と考えられる。実際にはその社会的活動とシビアなビジネスという、ともに難しい2つの要素の両立に対しての厳しさがあり、バスの中でほかのCSP参加者とも議論もした。だが、はじめて海外におけるその現場を見てみて、現地の女性たちがせっせと、そして楽しそうに作業する姿、さらっとアツいことを話してくれるスタッフやインターンの学生さんたちと接して、お金やビジネスを手段と考えて行動することもやはりすてきだなと感じた。

写真③