第二回:米田奈央さん

これからの支援を考えるヒントとなる勉強会に

本シリーズでは、オンライン企画 第15回SDGs勉強会 『難民支援におけるテクノロジーの活用 ~難民が直面する課題と私たちが考える支援の可能性~』の運営に携わっているメンバーの想いに迫ります。

本記事では第2回として、国連フォーラム関西支部現代表であり、企画リーダーを支える米田奈央さんにお聞きしました。過去にUN Womenでのインターンや国連ユースボランティアの経験がある米田さんならではの視点に注目です。

Q:まず、今回の企画に携わる理由を教えてください。

今回の企画リーダーから話があった際、とても良いなと思いました。近年では、国際協力の現場においてテクノロジーが用いられるようになり、平和と安全を脅かさない為に、どのようにテクノロジーのリスクマネジメントをするかという議論を聞くようになっています。

UN Womenでインターンをした際、国際女性デーのテーマの中に、テクノロジーを取り上げていこうという指針がありました。そこでは、テクノロジーが女性をエンパワーメントした事例を讃える事や、議論として今あるテクノロジーが女性を阻害しない設計にしましょうというテーマが掲げられていました。(*1)

このような点から、UN Womenだけでなく、国連全体としてテクノロジーをいかに活用していくかが議論となっており、国際協力の場においても、ホットトピックであると感じております。

国連フォーラム関西支部としても、テクノロジーに関する勉強会は今回がはじめてです。テクノロジーは、関西支部が普段ターゲットにしているユース層において、これから考える必要があるテーマだと感じています。その為、テクノロジーとこれからの国際協力を考えるヒントとなる勉強会になれば良いなと思いながら、企画を作成しています。

*1)2019年国際女性デー:https://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/in-focus/international-womens-day

米田奈央さん

【所属】神戸大学大学院 国際協力研究科 国際協力政策専攻 国際法コース

【関心】人身取引の被害者の保護、人権、国際法

【関心あるSDGs】

Q:まだ企画段階ですが、今回の企画の工夫点についてお聞かせください。

これまでの勉強会との大きな違いは、オンライン開催という点です。懸念点として、オンラインではディスカッションや発言がしづらいと思います。そんな場において、いかに参加者に議論に参加していただくのかが工夫するポイントかなと思っています。

今、まさにどのように工夫していくかを運営メンバーで試行会をするなどしています。勉強会ではwithコロナ時代のグループディスカッションを提供できるように頑張ります(笑)。

Q:どのような勉強会にしたいと考えておられますか。

勉強会の目的は、難民支援においてテクノロジーがいかに活用されてきたかを国連高等弁務官事務所(UNHCR)の好事例を知ると共に、難民支援の場の現状を理解しつつ、そこから見えてくる課題に対してテクノロジーを用いてどのように対処していくのかを考えることです。

難民支援の現場を、過去、現在、未来の三つの視点を持って、考えることが出来る勉強会になるんじゃないかと思います。過去の事例から学び、現状を知り、これからの難民支援を考えることで、参加者にとって勉強会参加後の学びや行動のヒントとなるような勉強会にしたいと思っています。

Q:なぜ、その三つの視点なのでしょうか?

国連フォーラム関西の設立趣意に書かれているように、国連フォーラム関西の勉強会は、おもにユース層に焦点が当てられています。つまり、これから国際協力の現場で働こうと考えている人々の人材育成的な側面もあると考えています。これから社会で活躍する人々は、今後どうなるのかという視点が必要となるはずです。

勉強会で様々な議題を投げかけることで、過去を学び、現状にどう対処してきたか、現状から考える未来における課題を、知るきっかけになります。特に、未来における課題は、私たちこれからの世代が対処していくことになるので、参加者にとっても有意義な時間になると思います。

Q:どんな方に参加していただきたいですか。 

メインターゲットは、難民支援に関心がある方々になると思います。また、それ以外の方々にも難民支援の勉強会は役に立つと考えて言います。難民支援に限らず、様々な国際協力の場において、ヒントや考えなければいけないポイントがかくれているのでは..?国際協力に広く関心がある人にも参加していただきたいです。

Q:参加者に勉強会を通して得てもらいたいコトについて教えてください。

難民支援の現状でテクノロジーがどのように活用されてきたかを知る中で、テクノロジーが国際協力のワークフローに効果をもたらすのかを知って欲しいなと思います。

また、勉強会で全部を扱うことが出来ないかもしれないですが、効果だけでなく課題とかも見えてくるはずです。参加者には是非、課題も考えるとより現実的で有意義な勉強会に成ると思います。

そして、テクノロジーとなると民間企業の存在は欠かせません。今回の勉強会は、民間企業の国際協力のあり方を学ぶきっかけにもなると思います。

Q:最後に一言、お願いします!

参加者の皆様の学びや学びのヒントを提供できるよう頑張りますので是非ご参加ください。国連フォーラム関西支部のコアな方へのメッセージとして、今回は新しい運営メンバーが関わっているので、新メンバーの活躍も注目ポイントです!

国連フォーラム関西支部では、11月7日(土)に、オンラインにて、『難民支援におけるテクノロジーの活用 ~難民が直面する課題と私たちが考える支援の可能性~』の開催を予定しております。皆様のご参加、心よりお待ちしております。

掲載日2020年10月22日

取材・記録・執筆担当:黒﨑 野絵海