バングラデシュ・スタディ・プログラム - 報告書:委員長より
BSP実行委員長からのメッセージ
本報告書を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
2025年国連フォーラム主催バングラデシュ・スタディ・プログラムで実行委員長を務めました、久保島、木村です。
本スタディプログラムは2010年に始まり、今年で15年目を迎えました。本年度の渡航先であるバングラデシュは13か国目の訪問国となります。同国はこれまでにも何度も渡航候補国として挙がりながら、今年まで実現してこなかった国の一つでした。そのような中で、今回バングラデシュが選ばれた理由を振り返ると、「10年後に全く異なる姿になっている可能性がある国」という、本年度の国選定における重要な視点に、まさに合致していたからではないでしょうか。
バングラデシュは2024年8月に長期政権が終焉を迎え、2026年2月に予定されている総選挙を前に、依然として混沌とした状況にあります。高い経済成長率や人口ボーナス、長期政権終焉のきっかけともなった若者のエンパワーメントが顕著である一方で、貧困や格差といった課題も依然として残されています。また、近くLDC(後発開発途上国)を卒業する予定であることから、繊維産業への依存からの脱却も求められています。さらに、ロヒンギャ難民問題を抱える国でもあり、まさに激動の只中にある国の一つと言えるでしょう。今後10年で大きな変化が見られる国であると同時に、その将来像を容易には想像できない国でもあります。本年度の渡航では、1週間という短い期間でありながら、国際機関、NGO、難民キャンプなど、さまざまな機関を訪問し、多角的な視点からバングラデシュという国を学びました。参加者全員が、同国の熱気と将来性を強く感じたのではないでしょうか。
今回のスタディプログラムでは、「個人で問いを立て、その問いを検証すること」を大切にしてきました。各自が立てた問いは多様でしたが、個人の興味・関心に基づいて問いを立て、参加者同士で議論し、実際に現場を自分の目で見て検証し、さらに議論を深めていく。この一連のプロセスこそが、国連フォーラム主催のスタディプログラムの醍醐味であると私たちは考えています。渡航前と渡航後で、バングラデシュに対する印象が大きく変わったメンバーもいたのではないでしょうか。また、バングラデシュに限らず、経済、難民、ジェンダー、環境といった各自の関心分野への理解が深まり、それらの相互関係についての認識が広がったメンバーも多くいたことでしょう。多様な関心を持つ仲間との議論を通じて、これまでにない新たな視点を得たメンバーもいたと思います。
グローバリゼーションが進む現代において、世界へ出ていくこと自体は以前よりも容易になりました。しかしその一方で、世界や各国が抱える課題は、より一層複雑化しているのではないでしょうか。そのような時代だからこそ、仲間と共に議論を重ね、理解を深め、自身の価値観を広げていくことが重要であると考えます。本プログラムは1年間という限られた期間であり、3月をもって終了となりますが、このプログラムを通じて出会った仲間とのつながりは、これからも続いていくはずです。本スタディプログラムへの参加が、メンバー一人ひとりの今後につながっていくことを心より願い、結びの挨拶とさせていただきます。
2025年度バングラデシュ・スタディ・プログラム実行委員長
久保島結希、木村茉莉

