コロンビア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航後:ColSPの経験とその活かし方(木内 翔太)」

1. 参加動機:参加の動機を教えてください。

コロンビアスタディプログラムに参加した動機は、「国際的な視点とは何か」を学びたいと考えたことにある。私は臨床現場で働く薬剤師としての一面と、公衆衛生学(パブリックヘルス)を学ぶ大学院生としての一面を持っている。いずれも「人の健康を考える」ことを使命としている。

しかし、これまでの生活は国際的な視点からは遠いものであった。薬剤師として海外で活躍する人は少なく、大学院も国内のものに通っている。

私の国際的な接点は、グローバルヘルスの情報収集を始めたことからである。WHO(World Health Organization)のような機関に漠然と憧れを抱いていた。将来のキャリアとしてグローバルヘルスの領域を目指すことは可能であるが、まずはそこで働く人々の考えや視点を知りたかったのである。

さらに、私の海外渡航経験は観光で訪れたハワイとマレーシアのみであり、日本の国境を越える機会を探していた。海外への漠然とした憧れと、そこに行けない自分へのコンプレックスが動機の一つとなった。

こうした理由から、「国際的な視点とは何かを現地で体験し、漠然とした憧れを明確にする」ことを目的に、このプログラムに参加することを決めた。

2. 参加してみて:参加してみて得たものを教えてください。

多くの成果が得られたが、ここでは三つを挙げる。

まず、「健康」を第一優先にしない環境で「健康」を考える経験である。

私が普段属するコミュニティでは、「健康」を最優先に考えるのが当然である。しかし、他に優先すべきことが存在する環境もあると知った。

たとえば、「健康」を考えるには「平和」が不可欠であることを実感した。これを体験できたのは、非常に貴重な経験であった。

次に、目的としていた「国際的な視点」を得たことである。5日間という短期間ながら、多数の国際機関を訪問する機会に恵まれた。

どの機関でも歓迎され、プロジェクトの紹介を受けた。これを通じて、彼らが「どのように考え、どのように『世界』を見ているのか」を感じ取ることができた。これにより、国際機関への漠然とした憧れが具体的なものへと変わり、自分の視点との差を認識することができた。この「差」は今後のキャリア選択に役立つと考えている。

最後に、多様なメンバーとの貴重な出会いである。

年齢やバックグラウンド、参加動機が異なるため、議論が噛み合わないこともあったが、異なる視点を学ぶ良い機会となった。この経験は「世界」の課題に取り組む上で重要な素養となると考えている。日常生活では出会えないようなメンバーとの出会いは、かけがえのないものであった。

このように、私にとって重要で有意義な経験ができた。自分の視点が大きく変わったと実感している。コロンビアスタディプログラムに参加して本当に良かったと思っている。

3. 参加を迷っている方へのメッセージ

日本の国境を越えるハードルは高いと感じるかもしれません。私も語学力、金銭面、ネットワーク、時間など、多くの壁に圧倒されていました。また、どんな仕事があるのかも分かりませんでした。

こうした不安を解消するために、スタディプログラムは一つの解決策となるかと思います。万人にとって「お手軽」とはいえないが、国境を越える第一歩としては適しています。

参加前と参加後で、自分の視点に大きな変化があることに気づくはずです。関心のある方はぜひ挑戦してみてください。応援しています。

写真①