コロンビア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航後:ColSPの経験とその活かし方(谷 彩織)」

1. 参加動機:参加の動機を教えてください。

国際機関でのキャリアを追求したいという自分の気持ちに確信を持つために参加しました。私は14歳の頃にコンゴ民主共和国出身の元子ども兵と出会ったことをきっかけに、個人の力ではどうすることもできない社会的な要因で苦しんでいる人々に寄り添い、貧困削減や平和構築を実現する為に働きたいと考えるようになりました。9年前にもスリランカ・スタディプログラムに参加し、その時の有意義な学びを踏まえて最初のキャリアは民間企業で再エネ発電事業を開発する道を選択しました。その後5年間の実務経験を踏まえて、やはり国際機関でのキャリアを追求したいと考えるようになり、大学院受験を視野に入れて準備を始めたタイミングで、コロナ禍で中断していたSPが再開することを知りました。自分の進みたいと思っている道が、本当に進みたい道かどうかを確かめたいと思い、迷わず応募しました。

2. 参加してみて:参加してみて得たものを教えてください。

書ききれないほどの学びがある為、キャリアや自己理解という観点から2点挙げたいと思います。

まず、様々な国際機関とのミーティングやプロジェクト現場の視察を通じて、国際機関でのキャリアが間違いなく進みたい道であるという確信が得られました。

9年前にスリランカ・スタディプログラムに参加した当時は大学1年生で、そもそもミーティングや視察中の会話をすべて理解出来る程の英語力が備わっていないうえに、見聞きしたこと全てに「へー!面白い!」となるだけで、自らの視点で疑問を持ち質問する力もありませんでした。一方で今回は、大学4年間の学びや実務経験を踏まえて、疑問に思ったことを深堀りすることが出来、コロンビアの抱えている課題や、課題に対する国際機関のアプローチ・役割に関しての理解を深めることが出来ました。その結果、大学院での研究テーマや、卒業後の進学先についてクリアなイメージを持つことが出来、大変有意義な学びを得られました。

次に、自分の「好き」に気が付くことが出来ました。

UNODCのプロジェクト訪問時に、アルアコ族という先住民族のコミュニティにて、”マモ”と呼ばれる一族のスピリチュアルリーダーからお話を聞く機会がありました。彼の一族がこの土地に住み始めた経緯や、山と海に囲まれた環境で自然の恵みを享受しながらその自然を守り受け継いでいくことの喜び、コミュニティの一人一人に与えられた使命によって伝統と知識を伝承していくことの責任感、などについて語ってくださりました。この世界には目に見えるものと目に見えないものがあるけれども、そのすべてに意味と使命があって、彼らが栽培しているカカオは「知恵」の象徴とのこと。日本で生きているだけでは決して出会うことのできない人々と出会い、全く異なる価値観に触れ、想像の及んでいなかった幸せのかたちや苦しみを目の当たりにした時、自分の心が一番強く動かされるのだということに改めて気が付きました。この世界をより良く理解する為に、世界のいろんな場所に行って様々な人と出会い、話をききたいという自分の好奇心を、大事にして生きていこうと決意しました。

3. 参加を迷っている方へのメッセージ:参加を迷っている方へのメッセージをお願いします!

皆が口をそろえて言っていると思いますが、年齢も経験も歩んでいる人生も全く異なるメンバーと、1週間の渡航期間だけでなく前後の準備期間含めて1年間密に関わり、学び合える環境は、本当に貴重で楽しいものです。参加して後悔することは絶対ないと断言しますので、少しでも惹かれる気持ちがあれば是非飛び込んでみてください!

写真①