カンボジア・スタディ・プログラム - 第3章第4節第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問

第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)

現地での参加状況

現地プログラム3日目の11月20日(火)13:00~14:00、Kulen地区に位置する現地の病院を訪問しました。センターでは、外来診療、手術、出産、搬送手当て、リプロダクティブ・ヘルスケア、マラリア、デング熱など感染症に関する研究を主な活動としていました。参加者は、病院に勤務する現地の医師と看護師の方からセンターの活動内容についてレクチャーを受け、センター内部を回り、実際にどのような医療が行われているのかを見学しました。

写真①
写真②

CSP参加者感想①:神田 恵梨さん

田園風景がひたすら広がるその中にひょこっと現れた街外れにある病院。門の入り口には「H」のマークで病院を示す標識があり、門をくぐると素朴な白い石造りの建物が3つ見えた。診察室と呼ばれる建物の中にはなんの仕切りもない部屋にいすが2つ置いてある。「え?これが診察室?」、、日本とは違いすぎるこの現実を目の当たりにして衝撃だった。そこは穏やかな時間が流れている程とても静かで、そこで出会った看護師さん、お医者さんは何一つ嫌な素振り見せることなく私たちの質問に答えてくれた。現地医療のこと、費用のことたくさん質問が出た。

現地の医療と言っても設備や人材が十分でないことからこの病院で対応できる診察は簡易なものに限られているとのこと。緊急を要する事故や怪我の場合はここから40キロ程離れた街の大きな病院に搬送されるのが日常であるということ。私が住む日本の環境に当たり前にあるものがここにはなさすぎる現実を見て、日本に帰ってからはまず第一に「必要な物や環境が揃った中で生活できる」ことを実感し、感謝することになった。

CSP参加者感想②:花村 百合恵さん

私は日本で看護師をしておりますが、今回実際にフィールドを訪れる機会をいただき、まずは現地の状況を自分の目で見て確かめる事が大切だと感じました。それまでは自分が選んだ看護師という道をこのまま進んでいいものかと考えていました。しかし、実際にヘルスセンターを訪れた際、その状況に大きな衝撃を受けました。「何とかしなければ。」そんな思いが込み上がり、自分の感情の変化に驚くと共に選んだ道が間違いではなかったのだと確信しました。

また、一方で自分の思いを大切にしつつも、現地の人々の声を聞き、必要とされている変化を知ること、更に自分自身の知識、能力を広げる事の必要性も強く感じました。人々との対話の中からニーズを知り、「どんな変化が必要なのか」「それに対して自分は何ができるのか」「どんな力をつけなくてはならないのか」、そういった視点を持って考え、行動に移す事、それが重要なのではないかと思いました。現地で必要とされる変化や成すべき事は、人々の声や状況の中にヒントが見つかるのだと思います。まだまだ未熟ではあるものの、今後保健医療の分野で自分にできることを現地の人々に寄り添って探していけたらと思いました。

写真③