ミャンマー・スタディ・プログラム - 報告書「2.4. 第四回勉強会」
2.4. 第四回勉強会
- 日時:10月19日(日)13時~16時
- 場所:東京/大阪/福岡/個別ハングアウト
- テーマ:脆弱性の削減
目的
国際社会における「脆弱性の削減」に関する議論や動向を押さえ、現代ミャンマー社会が抱える脆弱性を分析し、とくに災害の文脈における対応策を考える
勉強会の進め方
- イントロダクション:
- 「脆弱性の削減」の全体像と勉強会の位置づけを確認する
- ワークショップ(グループワーク):
- 事前配布資料を踏まえて課題を分析し、Strategic Priorityを検証する視点から議論・課題への対応策を考える
- グループ発表と解説:
- グループごとに話し合った対応策を発表、実際の具体例を交えた解説によってまとめを行う。
インプット内容
- イントロダクション:
- 脆弱性とは「悪影響の受けやすさ」「対処できない度合い」のことで、主に自然災害の分野において語られることが多いが、経済的危機や紛争などでも使われる概念。今回の勉強会では、自然災害における脆弱性に着目し、短期及び中長期的な視点での支援について検討。今回はインプットよりアウトプットに重きをおき、議論によって多様な視点を学び、自分の頭で考えることを目的とする。
- ワークショップ(グループワーク):
- 事前配布資料に加え「サイクロンナルギス」の動画を観ながら情報を整理した後、今回のワークショップで用いるPCM手法の説明。PCM(Project Cycle Management)は、課題解決のための参加型による議論全体の手法のことで、最終的なアウトプットがPDM(Project Design Matrix)と呼ばれるプロジェクト・サイクル一連の過程(プロジェクトの発掘・形成、実施、モニタリング、評価)を一貫して管理運営する表に落とし込まれる。今回は以下の4つのステップを踏まえてPDMを作る短縮したワークショップを行った。
- ①どのような関係者が関わるべきか
- ②どのような問題があったか
- ③どのような目的が達成されるべきか
- ④具体的にどのようなプロジェクトを作るべきか(課題に対する対応策)
- 事前配布資料に加え「サイクロンナルギス」の動画を観ながら情報を整理した後、今回のワークショップで用いるPCM手法の説明。PCM(Project Cycle Management)は、課題解決のための参加型による議論全体の手法のことで、最終的なアウトプットがPDM(Project Design Matrix)と呼ばれるプロジェクト・サイクル一連の過程(プロジェクトの発掘・形成、実施、モニタリング、評価)を一貫して管理運営する表に落とし込まれる。今回は以下の4つのステップを踏まえてPDMを作る短縮したワークショップを行った。
- グループ発表と解説:
- 各グループが政府や市民、コミュニティなどの立場を想定して優先課題を設定し、具体的な解決策を発表しあった。優先課題としては、国及び地方レベルでの先方政府のキャパシティビルディング、防波堤等の周辺インフラ整備の充実、国連機関やNGOとの国際パートナーシップ構築、周辺住民の防災意識の向上や防災教育、災害時の情報通信インフラ設備の充実、防災マニュアル策定が挙げられた。情報管理体制の構築、防災に関わる人材育成、通信やインフラ、物流の整備、市民レベルでの防災システム構築、地域に根差したシェターの設置、早期警戒警報システムの構築、マニュアル作成や自家発電設備、過去のデータ収集、感染症への適応力強化など多様な支援策が各チームで検討され、全体発表された。
- 解説では、JICAの具体的なプロジェクト(「自然災害早期警報システム構築プロジェクト」)や防災をめぐる国際社会の取組みと動向について説明がなされ、防災分野における日本主導の国際協力に対する理解を深めた。
参加者の声(東京会場:川口美琴さん)
前回までの勉強会と比べ、参加者のアウトプットの機会が多く設けられていたことで、他の参加者との間にインタラクティブなやり取りが生まれ、災害などの脆弱性の軽減に関して、勉強会の場だからこそ得ることのできる新たな視点に触れることができた。また、勉強会参加以前には知らなかったPCM手法について、その手法のエッセンスを体験することができたことが良かった。勉強会の内容を踏まえ、脆弱性の軽減、中でも防災などの分野におけるミャンマーと日本の今後について更に考えてみたいと思った。