ミャンマー・スタディ・プログラム - 報告書「2.5. 第五回勉強会」
2.5. 第五回勉強会
- 日時:11月9日(日)13~16時
- 場所:JICA市ヶ谷 2階和室
- テーマ:社会サービスとアクセス
目的
国連戦略枠組み(United Nations Strategic Framework※参照) の戦略的優先順位(以下SP2とする):Increase equitable access to quality social services(質の高い社会サービスへの衡平なアクセス)について、理解を深める。
勉強会の進め方
MySPのメンバーが概要を説明し、SP2について理解を深めた後、SP2に関連のあるテーマで、ディベートを実施した。また、民意を反映した政治が質の高い社会サービスへの衡平なアクセスの実現のために必要な要件の一つであるという観点から、ゲストスピーカーとして前衆議院議員の阪口直人さんをお招きし、ミャンマーの民主化と開発課問題について意見交換を行った。
インプット内容
- 1)SP2について
- SP2について、包摂姓と衡平性が重要なキーワードである。また、教育と保健が大きな領域となっており、MDGsの2と3と繋がりがある。
- 2)ディベート
- ディベートのテーマ:「途上国は、国の政策としては国民だけに社会サービスの提供を限定するべきではない。領域内にいるすべての人に対し、社会サービスを提供するべきである。」
- 上記のトピックについて、肯定派と否定派に自分の意見を関係なく分かれ、肯定派、否定派の論拠の交換・反駁を2回繰り返した。 肯定派は、国の安定や発展のためにも、領域内にいるすべての人に対し、社会サービスを提供することは必要だと主張した。一方、否定側は、国と国民間では、社会契約を結んでいるが、結んでいない人に対して、サービスを提供する必要はないというスタンスをとった。また、領域内にいる難民も視野に含めて考えた時に、リソースが少ない途上国よりも国際的なアクターが保障すべきであると主張して対抗した。
- 3)阪口直人さんのお話
- 質の高い社会サービスへの衡平なアクセス実現のためには、国民の意思が反映される政治が必要である。にも関わらず、日本政府は、内政干渉と受け取られる事を言う憂慮し、当該国の政治体制の変更に直接つながるような分野に踏み込むことを避けてきた(参照:http://blogos.com/article/98780/)。
- 阪口さんは、法整備支援やガバナンス支援などとセットで実施する効果的な民主化支援のあり方や非民主国家と中国の融和性の高さに言及しながら、民主化支援には強い政治的意志が必要であり、日本政府の民主化支援も、その国の文化、宗教、歴史を踏まえた民主主義のあり方を一緒に考えるスタンスで臨むことが重要であると強調した。
※UN Strategic Frameworkはこちらから(PDFファイル(2.3MB))ダウンロードできます。