ネパール・スタディ・プログラム ー 報告書「第2部 第1章 全体プロセス、スケジュール」

執筆者:赤星 聖

第一節 ネパールスタディプログラム (NSP) の全体像

国連フォーラムが主催するスタディ・プログラムでは、(1)知識の習得と議論する力の獲得、(2)ネットワークの拡大 、(3)リーダーシップの涵養、(4)国連の活動に関する議論の提供、という4つの目標を達成することを目的としている。NSPでは、参加者がこれら目標を効率的に鍛錬できるよう、3つのプロセスを設定し「みんなでつくる」をコンセプトに参加者全員で推進した。

図:NSPの全体像

NSPでは、単なる机上の知識習得を目的とした受け身の座学は実施していない。「何を学ぶ」のかという研究テーマの決定および調査、「どの機関」の「どの事業」を見に行くのかという渡航計画の推進など、各運営グループ(第3部にて詳述)を中心に、「みんな」でつくりあげてきた。また、外部公開勉強会や、現地渡航における国連など国際協力を活躍の場とするプロフェッショナルの人たちとの交流を通して、ネットワーキング、リーダーシップ醸成や、国際開発の現場から得られる情報・洞察からくる生の学びを特に重視したプログラムを構成している。

第二節 各プロセスの概要

渡航計画・勉強会

渡航前の約4ヶ月にて、渡航計画、および国連・ネパールに関する勉強会を実施した。

渡航計画

渡航計画は、参加者全員を3つのグループ(プログラム企画、研究、渉外・広報)に分け、渡航に向けた準備を実施した。なお、プログラム企画グループは企画、ロジ、会計、保健という4つのサブグループに分かれ、また危機管理グループも別途結成された。各班の活動内容については、第3部第2章第1節「渡航前班の活動内容・反省点」を参照。

渡航前勉強会

渡航前勉強会の目的は、現地渡航前に自分たちで事前調査を行い、現場に行かないと見えてこないものをより明確化し、それに伴う「仮説」を構築し、有意義な現場視察を達成することであった。勉強会は、以下の3つの流れにて推進した。国際開発の初学者でもキャッチアップできるよう、国連およびネパールの概要からはじまり、ネパール国内の課題・仮説へと細分化して知識を深めた。加えて、公開勉強会を開催し、実際に国際協力の分野で活躍された方の、現場での体験談などをお聞きする機会も設けた。詳しくは第2部第2章「渡航に向けた仮説構築―渡航前勉強会」を参照。

図:勉強会の流れ

フィールドスタディ

1週間の現地フィールドスタディでは、各機関事務所での説明および質疑応答と、事業地視察の2を行った。13の国際機関・援助機関などを訪問し、渡航前の仮説の検証を行った。訪問機関の詳細については第2部第3章「訪問機関」を参照。

図:訪問場所・機関

渡航後報告プロセス

渡航後は、動画・報告書の作成、福岡、関西、東京、北海道(開催順)での報告会の開催と、渡航前勉強会およびフィールドスタディから得られた結果にもとづくこれまでの学習内容の振り返りの2つを推進した。

対外情報発信:報告会の開催、報告書・動画作成

渡航後は、参加者全員を3つのグループ(報告会、報告書、映像)に分け、報告会や報告会などNSPプロセス全体で学んだことを対外的に発信するための準備を実施した。各班の活動内容ついては、第3部第2章第2節「渡航後班の活動内容・反省点」を参照。

渡航後の振り返り

渡航後には、渡航前にたてた仮説検証結果をまとめ、NSPにおける学びの総決算のための振り返りハングアウトを実施した。第2部第4章「仮説検証および将来への提言―渡航後勉強会」を参照。

図:渡航後プロセス