ネパール・スタディ・プログラム ー 報告書「第2部 第3章 第12節 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)」

2016年11月26日

執筆担当者:布川敦士

概要

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) ネパール事務所はブータン難民・チベット難民等の支援に加え、2015年4月25日に発生した地震による被災者を対象に活動した。主な活動内容は物資(防水シート、ソーラーランタン)・ラジオを活用した心理サポート・シェルター・教育・法律の支援を、実施パートナー団体(Project partner: PP)と協力して行った。

質疑応答

Q. 震災直後の法的支援として、どのようなものを行っているか。

A. 支援を受けるために必要なIDの保証を行っている。農村部では出生登録が徹底されていないこともあり、地震後の支援の大きな障害であった。

Q. UNHCR Nepalはどのような団体がPPになっているか。

A. Save the ChildrenなどのNGO団体がPPになっている。

Q. 緊急時に現場でも活動を行うか。

A. 現場での活動は主に各PPが行う。UNHCRはガイドラインの指導がメイン。

Q. ネパールのシェルタークラスターのリードはUNHCRが担当しているのか。

A. ネパールではUNHCRではなくRed Cross(IFRCとネパール赤十字)がリードの役割を担っている。

Q. 支援の対象はどのように決めるのか。

A. 震災後にvulnerableに関するモニタリングを行い、その結果を元に決定した。

印象的な言葉

PCやネット環境について特に驚かされた。被災地の中学校にPCを配備し、通信環境はカトマンズよりいい場所もあるとのこと。チョータラの村落でパワボラアンテナを大量に見た時もとても意外に感じたが、思っているよりも地方で情報を得られる環境はできているのかもしれない。

所感

所長以下3名の方にネパールにおける活動の説明をしていただいた。緊急時に対応できる人材が限られている中で、NGO団体と調整をしながら最善を尽くした支援であったように感じた。UN Houseなどと比べても警備がしっかりしていることも印象的だった。