パプアニューギニア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航中:大発洞窟」

大発洞窟(ラバウル)

1.訪問先概要

ラバウルは第二次世界大戦時、日本軍によって要塞化されていた場所のため、かつて日本軍が使用していたものの形跡が至る所にみられる。そのうちの一つである大発洞窟の”大発”とは、大型発動機艇の略称で、日本海軍が使用していた大型発動機艇が洞窟内に格納されていた。

2. 参加者所感

  • 大型発動機艇を身近に見てみると、船室が非常に小さかった。小さなドアがところどころ欠けた状態で残されており、そのドアから戦時中の日本人が非常に小柄だったことがうかがえた。戦争から70年を経たが、70年で私たち日本人は体格も変わったのだと考えると、短いようで長い時間が経ったのだと感じられた。
  • 日本から遠く離れたパプアニューギニアで、私たちの先祖が戦争のためにここに存在し、戦っていたということをありありと感じた場所だった。今を生きる私たちには直接的に関係は無いかもしれないけれど、同じ日本人が、この地の人々の生活に良くも悪くも影響を与えてしまったということに関して、私たちは何を考えるべきなのか、と混乱してしまった。
  • 日本人がパプアニューギニアを戦争の地としたことを、忘れてはならないし、伝えていかなければならないと考えた。
  • 日本では戦争というと、やはり原爆や大空襲などの国内の被害に目が向きがちだが、同じように日本も世界の各地で大きな被害・不幸をもたらした加害者であるということを自覚しなければならない。それを改めて突き付けられた、日本軍の遺物である大型発動機艇であった。