ルワンダ・スタディ・プログラム - 報告書「2.20.AEC(African Entrepreneur Collective)」
1.訪問先
AEC(African Entrepreneur Collective)
2.該当テーマ
IT/経済・産業
3.組織概要(事業目的、ゴール等)
ルワンダの起業家の支援(スキル・資金・ネットワーキング)を行うベンチャーハブ。経済成長が国民の格差を広げないために若い起業家を支援して、5万人の雇用創出を狙う。
支援している事業内容は下記の通り。
- 農業・食品加工:40%
- 建設業:13%
- 専門技術的サービス:10%
- ICT:7%
- ヘルスケア:5%
- エネルギー::5%
- その他:20%
1)経済成長 2)全てのセクターの成長 3)貿易格差是正 が大きな3つの目標。
- 2002年から目標ごとに期間をフェーズわけ。
- 2002 - 06:�社会の再構築とDecentrisationの達成
- 06 - 12: Home grown initiatives, ICTの強化
- 13 - 18:上記に加えて、農業、地域産業、およびジェンダーバランスのとれた労働市場
対象となるアントレプレナーは18-35歳までの若手に限定していることも特徴的。
4.ブリーフィング、プロジェクト訪問において説明された内容・質疑応答の詳細
- 株式投資ではなく融資を行なっている。
- 融資額や返済期間は柔軟であり、スタートアップにはマイクロファイナンスも行う。
- これまでほとんどの融資先が返済を完了している。
- UNHCRと連携して難民に対して融資を行うプロジェクトも開始した。2019年までに4000人の難民出身アントレプレナー輩出を目標にしている。
- 2012年からはACE Programという、経営戦略アドバイスや技術補助、モニタリング、資本へのアクセス補助といった内容のサポートプログラムを開始している。
- 2017年9月時点で2672件の雇用創出および231人のアントレプレナー輩出。プログラム卒業後も2年間のフォローアップがある。
Q&A
Q 融資審査の際の基準はなにか?
A 創造性、潜在的な可能性、(ACEの目標に対して)どれだけ協力的か
Q 難民への融資はどのように行うか?
A UNHCR, Master Cardと協力して、主に難民のマイクロビジネスへの支援を行っている。起業することで、支援からの自立やあるいはアメリカへの再定住支援につながる。それだけではなく、社会復帰することで内戦のトラウマ克服につながった例もある。
5.参加者所感
アメリカ資本のNGOのためか、オフィスがモダンかつ、担当者もとても流暢な英語を話しており、整った環境だというのが訪問時の第一印象。
UNHCRやMaster Cardと協力して難民の企業支援をしているという事例は、ルワンダ国内の難民キャンプで長年支援を受けている難民の自立へつながる大きな可能性を秘めていると感じた。
マイクロファイナンスだけでなく、より大型の起業融資も行っていることも特徴的であり、支援だけでなく投資という側面があることで事業の持続性につながるのでは。
執筆者:松本、森田、松原