ミャンマー・スタディ・プログラム - 参加者紹介「第10回 伊藤里奈さん」
「きっかけ・これから」
所属:東京外語大学中国語専攻4年開発経済学研究
MySP担当班:ロジ・会計班
初めて途上国に足を運んだのは大学2年生の夏でした。
大学の授業やテレビからの情報でしか知らなかった途上国の姿を実際に自分の目で見てみたいと思い、興奮と緊張が入り混じった心境で空港に向かったのを覚えています。
訪れた先はフィリピン・ボホール島にあるイナバンガ市。その市のとある漁村と交流のある団体のプログラムで訪問しました。
この地域はフィリピンの中でも貧困が深刻な地域でした。村の主な産業は、9割の男性が従事している漁業。天候に左右されながらも毎日カニやエビを獲り、それらを売って1日約250円の収入でその日暮らしをしていました。
村はとにかく子どもが多く、5・6人兄弟は当たり前。中には15人もの子どものいる家庭もあり、収入と家族数のバランスがとれず厳しい生活を強いられていました。経済的な理由で中学校を辞めて家の手伝いをしている子どもや、都市に出稼ぎにいく子どももいました。
このような、日本での生活と全く異なる環境下で感じたことがありました。
それは、村人がとても幸せそうだということです。日本人の私よりも苦しい生活を強いられているけれど、私よりも何倍も幸せを感じているように思えました。
それはきっと、コミュニティの結束力が強いからだと思います。
村人は家族のように親密に繋がっており、互いを支え合っていました。
村人だけでなく、NGOや政府機関、国際機関が結束し、信頼の厚い村長を中心に様々な開発プログラムに取り組んでいました。
村に関わる全ての人が一緒になって、力を合わせて村をより良くしていこうという姿勢を強く感じました。
「私にできることは何だろう?」
村での経験を経てから、ずっと答えの出ていない疑問です。
村人でもないし、国際機関の人間でもない単なる学生の自分は、情けないほどに無力でした。
草の根レベルのことしかできないけれど、少しでも村のためになればという思いから、団体メンバーと共に奨学金制度の立ち上げ、古着の寄付、日本での資金調達などに取り組んできました。そして次第にNGOや国際機関など大きな組織の立場からのサポートにも関心を抱くようになりました。少人数では限界のある大規模なプロジェクトにおいても、草の根とは異なるやり甲斐や意義があると感じたからです。
今回MySPでは、FAOやUNHCRなどの国際機関のプロジェクト視察をさせて頂く機会があります。ミャンマーにおいてどのようなプロジェクトに取り組んでいて、どの程度のインパクトをもたらしているのか、また職員の方々のキャリアパスやお仕事に関する生の声を聞いて、吸収してきたいと思います。