モンゴル・スタディ・プログラム - 活動報告書(本編)3.2. ロジ班
1.ロジ班の業務内容と構成
(1)ロジ班の業務内容
(1) 国連機関とのプロジェクトサイト見学の調整、ロジ・スケジュールの作成
【プロジェクトサイトの選定】
- 各国連機関に見たいプロジェクトのリクエスト
- プロジェクトの概要・内容を事前入手・各機関へ必要情報の提供依頼
- メールを中心に、その他Google hangout, Skypeを使ったコミュニケーション
- 実行委員長・コーディネーター・仲介者の活用
【スケジュールの作成】
- 行程表の作成・企画(しおり)班への情報共有
- 各行程ごとに、時間・場所・移動手段・コンタクトパーソンの確認
- 緊急時・メンバー行動の分裂時の通信・コミュニケーション手段の確保
【プロジェクトサイト見学当日】
- 人数点呼・車の到着時間確認
- スケジュール管理(タイムキーパー)
- 清算・会計の段取りを会計班と調整
- 事前に詰められなかった内容を現地で調整
(2) 宿泊場所・移動手段・食事場所の確保・予約
- 宿泊場所(ホテル・ゲル)の調査・予約(Web検索・旅行ガイドブック・国連機関及び仲介者の紹介)
- 移動手段(バス・4WD)の予約(国連機関の紹介・Web検索、通訳者の仲介)
- 食事場所の予約・ランチボックスの手配(Web検索・旅行ガイドブック、電話予約(英語)、通訳者への紹介・仲介依頼)
- 費用の積算・会計班との情報共有
(2)ロジ班の構成
ロジ班メンバーは7名、内訳は以下のとおり。業務量は実際の運営を経て、過多であったと思われる。経験者の配置及び、来年は人数の増員が望まれる。企画(しおり)班・会計班とロジ班は分けずに一体としたチームとした方がよりコミュニケーションギャップが少ない。来年の実施にあたっては、3班の統合を提案したい。
[内訳]5名:関東(学生4社会人1)
- 1名:関西(学生1)
- 1名:海外(社会人1)
2.運営報告
(1)各人の担当とその貢献
まず渡航前の国連機関との調整では、田村と宮崎が窓口となって進め、途中田村はモンゴル渡航が出来なくなってしまったが、最後までロジの調整に奔走した。窓口を関係機関ごとに一本化したのはカウンターパートにとってわかりやすいメリットがあった一方、窓口となった人への業務負担が大きく、特に田村がUNHabitat, UNICEFの2機関の窓口となったのは負担となっているように見えた。
金子は、宿泊場所の調査・予約を担当し、主にウランバートル滞在の拠点となったテムジンホテルとの間で密なコミュニケーションをはかり、日本語での応対が可能で、安心感のもてるホテルの確保ができた。
久銘次は、詳細なレストランの調査とウランバートル市内レストランマップの作成を行った。また食事に関わることだけでなく、企画班全体にわたる議論への積極的な参加がプログラムの推進に大きく貢献した。
北室は、ひとり関西からの参加というコミュニケーションギャップの難しさがある中、当初はロジ班内でうまく議論に参加できなかった面があるが、渡航直前から議論への積極的な参加が見られ、現地渡航プログラムのアイデア出しや、現地交流企画を担い、渡航中もディスカッションへの積極的な参加が見られた。
後藤は、現地交流プログラムでのアイデア出し、企画などを担っていただいたほか、ミーティングの日程調整なども行った。
(2)問題点と次回への改善案
事前準備段階の問題点としては、関東・関西の間でメールだけでは十分にコミュニケーションができなかったこと。関東組は、東京での事前勉強会で直接コミュニケーションがとれ、メールで進捗がはかどらない点につき、直接話し合えた一方、関西組とは物理的な障害から、コミュニケーションがうまくいかない点があった。来年のロジ班への人員配置については、関西にも複数名配置することが関西からの参加者を孤立させず、うまく事前準備から議論に参加しやすい環境をつくる上で、望ましい。
昨年度に比べて見学するプロジェクトサイト・企画の決定が遅くなってしまったが、実行委員が事前に関係機関とプロジェクト見学の大枠を決めてしまい、ロジ班には純粋にロジの調整だけを割り振った方が、業務負荷としては望ましいと思われる。
企画というメインコンテンツの内容を決める部分には、アイデアや開発に関する知識や効果的な企画のためのブレインストーミングといったクリエイティブな作業が求められる一方、ロジは関係者との調整・情報収集、時間割の作成といった 事務・確認作業が多いため、両者を区別して、各担当者の業務負荷を軽減する工夫が求められる。
今回しおり班・ロジ班・会計班は3つに分かれていたが、ロジ班が宿泊費やレンタカー代、食費などの費用に関する一次情報をもっているため、会計班は一体的に活動した方が都度情報をロジ班から会計班に伝達するよりも効率的に思われる。またロジ班が策定したスケジュールをしおり班に情報共有する場合、事前の関係機関とのメールのやりとりや経緯を理解していないと表層的にしか理解ができないため、やはりロジ班としおり班を区別することなく、一体としたチームで運営した方が情報共有が容易となる。今回ロジ班としおり班は企画班として同じメーリングリストに入ってはいるが、メールの量が多すぎたため、すべての進捗状況につき、しおり班がロジ班の交渉経緯を追えていなかったと思われる。
プロジェクトサイト見学中、移動中もタイムスケジュールを把握しているのはロジ班であったため、点呼やタイムキーパーの役目をしていたが、もっと各班のリーダーレベルでも一日のタイムスケジュールを把握して、リードをとるべきであったように思う。移動が遅れたり、見学時間が伸びてしまったときに、適切に全体に注意喚起し、迅速な移動や行動を促す役割をロジ班だけでなく、各リーダー役が参加者に声をかけるような雰囲気が必要であるように思われた。
全体的な業務量について、国連機関との企画・プログラム策定には未知の途上国での企画作りに加えて、顔を合わせたことのない相手との英語のコミュニケーションでかなりの業務的・心理的負担がかかる上、その他宿泊・移動手段・食事といったロジをすべて手配することはその他の班の業務負荷に比べ、業務量が過大であるように感じられた。
来年は多くの人員をはりつけることも重要だが、過去のスタディプログラム参加者や国連機関・NGO経験者、リーダー経験者、社会人などを多く配置し、未経験の学生だけにタスクが丸投げにならないようにフォローできる体制の量と質両面での強化が必要に思われた。
今後は、ロジ班には実行委員長及びコーディネーターが特に立ち上げ段階ではロジチームの一員となって、各国連機関や各種手配の段取りにつき、アドバイスを行うことがスムーズな運営に有効だと思われる。また関係機関とのミスコミュニケーションやロジ手配上の障害などに直面した場合にすぐにサポートできるように、ロジの進捗についても常に情報を共有し、適切なアドバイスを行い、時に直接交渉の窓口に立つなどのサポートが期待される。
企画(しおり)班、会計班との統合により、縦割りの弊害をなくして、予算及び清算がスムーズに流れるようにし、スケジュールもひとつずつ決まり次第、しおりがアップデートできるような体制ができることが望ましい。
全体に通じる話ですが、実行委員長や各班リーダーには、困ったときや最後の最後にアドバイスをするのではなく、つねに議論を追い、積極的に発言し、アドバイスをタイムリーに出すことが期待される。
(文責:宮崎 潤)