カンボジア・スタディ・プログラム - 第3章第4節第3項:クーレン地区での農村宿泊体験
第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
現地での参加状況
現地プログラム2日目の11月19日(月)、カンボジア北部に位置するKrabau村(Kulen地区)に農村宿泊を体験しました。参加者は3つのグループに分かれて村人の家にホームステイし、蚊帳やハンモックを使った村人と同様の方法で就寝しました。また、夜には村の人々と一緒に日本の歌やカンボジアの歌を歌いとても盛り上がりました。農村での宿泊を通じて、参加者たちはカンボジア農村地域に住む人々の暮らしを学びました。
CSP参加者感想①:藤居 由依さん
アンロンベンでの農村宿泊で私が感じたことは、カンボジアの人々の豊かさです。確かに道路は舗装されておらずでこぼこ道が続き、温かいシャワーもありません。しかし、カンボジアの人々の間には、「共生社会」がしっかりと形成されており、コミュニティーの皆で米作りをして、子育てもしていく、そんな生活の形にGDPなどでは計れない豊かさの形を実感しました。そんな日本が失いつつある一つの理想の生活の形を大切にして欲しいと思う一方、農民の方々は戦後日本が経験したような発展を渇望しておられました。
そこでそのような地域にとって「発展」とはどのようになされるべきものだろうか、と考えさせられました。アンロンベンに来るまでは特に気付きもしなかったこの問題に直面し、現場を知ることの重要性を改めて感じました。見知らぬ外国人である私たちを快く受け入れ大切な田畑での農作物の収穫も体験させて下さり、そして精一杯のごちそうでもてなしをして下さったアンロンベンの方々の笑顔を私は一生忘れません。彼らの笑顔を守るために何が出来るのだろうか、今でも考え続けています。
CSP参加者感想②:吉村 美紀さん
アンロンベンでの農村宿泊体験は、FAOの方々の特別の計らいによるものでした。普段は外部からの訪問者などほとんどない村に、20人以上の外国人を滞在させるのは容易なことではなかったはずです。宿泊は高床式の民家にゴザと蚊帳で寝るチームと、床下に蚊帳付きのハンモックを吊るして寝るチームとに分かれましたが、夜遅くまで村の若者と、ひとしきり歌ったり踊ったりの時間を過ごした後だったので、いつ眠りについたのかもわからないほどぐっすりと眠ってしまいました。
FAOのプロジェクトの一環として食品加工の訓練を受けた方々が丁寧に作ってくださった夕飯をお腹いっぱいに食べ、夜には特別醸造の椰子の実のお酒を呑み、電灯のない村で空いっぱいに広がった星を眺めて過ごした夜は、何事にも代えがたい思い出となりました。電気やガスなど、私たちにとっては当たり前のものが無い環境で、非常に豊かに過ごしている村人の暮らしぶりを見て、羨ましくなった人は少なくないのではないかと思いますが、実際にはいろんな苦労があるはずです。村の人々の生活が、少しでも楽になればいいなと心から願いながら、村をあとにしました。