コロンビア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航後:東京報告会」

1.報告会概要 

(1)日時:2025年3月29日(土) 14:00~16:00

(2)会場:Think Coffee Japan 

(3)プログラム

  • 第一部 コロンビア概要とスタディプログラムの紹介  
  • 第二部 現地渡航者の発表   
  • 第三部 近藤宏(ゲスト)のご講演 
  • 第四部 パネルディスカッション(敬称略)
    • 近藤宏(ゲスト)
    • 竹林理帆(ColSP参加者)
    • 谷彩織(ColSP参加者)
    • 小宮晴太(モデレーター)

2.発表内容

第一部 スタディプログラム紹介 

プログラムの目的や魅力、コロンビアの概要を紹介した。

第二部 渡航者個人発表

竹林さんからは、紛争後のコロンビアの平和構築への取り組みについてのお話いただいた。今回コロンビアに渡航した際に訪問で来た紛争被害者の方や、元戦闘員の方、UN Verification Missionのお話をしており、様々なアクターによって平和が作られていると知ることができたと話されていた。

谷さんからは、UNODCやUN-Habitatがコロンビアで行っている移民や避難民、先住民など社会的に脆弱な人々の生活支援についてお話しいただいた。キャリアを考える観点からのスタディプログラム参加についても話されていて、今後は世界銀行グループで官民連携を推進したいと展望を語ってくださった。

第三部 近藤宏(ゲスト)のご講演

東京報告会では文化人類学を専門として、コロンビアでフィールドワークを行われている神奈川大学の近藤先生をゲストとしてお招きした。コロンビアの平和構築の中で、マイノリティである先住民の中で、さらにマイノリティである紛争によって故郷を追われて避難してきた先住民の人々への対応が後回しになっているという状況を近藤先生は指摘され、平和構築から取り残された人々がいることを教えてくださった。

第四部 パネルディスカッション

竹林さんと谷さん、近藤先生の3名をパネリストにお迎えして、パネルディスカッションを行った。短い時間内ではあったが、コロンビアの和平構築をどのように進めるかという議論の中で、SPメンバーからは地方政府のガバナンス機能やリソースの分配、和平プロセスに言及があった。近藤先生は、コロンビアでは法律は整っていながら、それを実施する主体がコロンビアにはいないと指摘されていて、コロンビア社会の複雑さを感じる機会でもあった。

3.参加者所感

ゲストとして近藤先生をお迎えしたことで、ColSPメンバーのコロンビア経験に近藤先生の知見が加わり、より立体的にコロンビアのことを理解する機会になったと感じている。参加者の皆さんからも多くの質問を頂戴することができ、閉会後のネットワーキングの時間も盛況で開催した身としてはうれしかった。ColSPは東京報告会で終わるが、コロンビアの状況は今後も追っていきたい。

写真①