「未来(さき)の話をせえへん?~地球規模課題と私たちの関わり~」開催報告
2017年7月16日実施
【イベント概要】
日時 | 2017年7月16日(日)12:00~15:30 |
場所 | 関西学院大学梅田キャンパス1405教室 |
ゲスト | 久木田純氏(関西学院大学教授、国連フォーラム共同代表) 鷲巣仁美氏(手術室看護師) 有廣悠乃氏(神戸大学大学院国際協力研究科・株式会社ワンピース・NPO法人EN Lab. 理事) |
参加者 | 高校生 23人 |
コンテンツ | ・オープニング ・講演 ・パネルディスカッション ・ワークショップ |
《オープニング》
1.国連フォーラムの紹介
- 国連フォーラムの目的
- メーリスの紹介
- 国連フォーラムの歴史、背景
- イベントや勉強会、ネットワークの構築など
2.代表によるお話
- 自己紹介(国際協力に興味をもったきっかけ、背景など)
- 高校生企画の説明:「いろんな人のいろんな意見を聞いて、今後将来を考えていく上でのイメージや、視野を広げる機会になれば」
- 高校生フォーラムチームの紹介
《講演》
久木田純 氏「未来にはどんな課題が待ち受けているのか」
人生は自分でデザインできる
- 人生100年計画の作成で自分は何故生きているのか、世界とは、を考える。
- 自己保存と種の保存、という地球の過程から、自己実現と人類の存続進化を生き方としようと決めた。
- 梵我一如というガンジーの言葉
- 自分の能力を最大に高める(自己保存)、世界に出て子どもの発育と教育(人類の存続進化)を両立させようと決める。
- 国連での活動・活躍について
世界は変えられる
- 20世紀のパラダイムが作り出した問題について振り返る
エネルギー問題
貧富の差・・・富が先進国と富裕層に吸い上げられた結果、現在の人口構造が出来上がった
↓
差別や紛争、人権侵害にさらされることに=>人類のポテンシャルが活用されていない
・みなさんが生きるのは、21世紀ミレニアル世代:100歳くらい生きられる
→シンギュラリティの到来
・まず、世界に出て、戻ってきて、自分たちの立ち位置を確認してほしい。
- 問題解決しなければ地球の未来は危ない
- 大切なのは、問題解決能力
- 求める世界へ、ライフスタイルから変えよう
鷲津仁美 氏
看護師として働きながら、海外にも足を運び、世界の生死にかかわっている
JAPAN HEART
「短期」「ボランティア」で医療のないところに医療を届ける
→診療ミッション・手術ミッション
カンボジアでの手術ミッション
・カンボジアの紹介
ポルポト政権…知識者が大量虐殺され、医療者が40人に減少。派遣時も設備はあるが、それを使える人がいない状況
・現地の医療者を育てよう→教育しながら手術を進める
・世界でも頑張っている子の紹介
JAPANHERATの里親制度を利用して勉強している
「エンパワーメントする」
・皆さんに考えていただきたい課題
・求める人材…鷲津さんからは、「ストレスに耐えられる力」を。自分自身の身体と心を大切にする
有廣悠乃 氏
自己紹介:教育免許を取得し、大学院で研究者を目指しながら、株式会社ワンピースで仕事をしている
- 教育に関心「社会を教育から変えたい」→小学校の先生になって世界を変えてやろう、と立命に進学
- ケニア、フィンランド、ミャンマーなどいろんな国に行ってみたものの…まだまだ世界には深刻な貧困地域がある
- 本当に他国の途上国だけが問題なのか?日本にも問題があるのでは?ということを考えてほしい
ファシリテーション・ワークショップの手法に大学2回生で出会う
大学3回生の時に、まちづくり、という仕事に出会うことで、そこにいる人たちの価値観や考え方を大切にしながら、対話し合うことを学ぶ。目の前にいる人たちに対して真剣に考えることの大切さ、相手に寄り添い自分を変えていくことで周りが変わることを学ぶ。
持続可能な社会を作る ―お互いを大切にすることができれば、きっとできるのではないか
みなさんに考えてほしいこと「あなたはどうしたいの?」ということ
国際協力をやりたい、だけでなく自分の幸せや、世界にどうなってほしいかを考えてほしい。結果、何を得たいのか、人生の目的などを考えてほしい。
《パネルディスカッション》
久木田さん:く
鷲津さん:わ
有廣さん:あ
Q: 偉人と一般人のちがいとは?
A:
く:長い期間、あきらめずに、つまり自分の目的や価値観が明確で、ぶれず強い意志でやってきた人たちだと思う。
Q:国際協力をするうえで、高校生の間につけておくべきスキルとは?
A:
く:まず、自分は何を大切だと思っていて、何をしたいのかを考えてほしい。まず、アイデアを出してみて、勉強してほしい。
わ:自分のことをよく知り、自分の考えを明確にしてほしい。自分の健康を大切にしつつ、世界のことに目を向けて。問題解決に向けて、考えて動いて、と努力をして思いがあれば、いずれ見えてきます。どう受け止めて、どのように生かしていくかが大切。
く:
- 内発的動機付け:自分自身でやりたいことを見つけて進んでいく、
- レジリエンス:負けない、ぶれない、失敗してもそこから学んで進んでいけること、
- セレンディピティ:人生の様々な選択を、自ら進んでやっているうちにやってくる幸福・機会、
- インテグリティ:首尾一貫、言っていることとやっていることが一貫している。これらが大切。
あ:スキルは後からついてくるものだと思うので、思いが大切。「思い」を出し、伝えられるようになってほしい。そうすると、やっていくべきものが見えてくる。
Q:どのようにしたら世界は協力的になれるのか?
A:
あ:地域の現状を知ることから始まり、問題解決ができる。
Q: 2050年にどのような仕事が生まれ、どのような仕事がなくなっていくか?(ナガハマさん)
A:
く: AIは人間の考えを出す、つまり感動を生み出すのが苦手。地球の問題を解決する仕事は生まれてくるのでは。
あ:仕事がなければ作ってしまえばよい。自分が楽しく仕事できるものを作ってしまえばよいのではないか。
Q: コミュニケーションの取りづらい人はいるか、またどのように接するか?その時の対処法とは?
A:
く:必ずその国の言葉を覚えてきたが、発音できないものもあった。でも、あきらめることはない。努力し続けて理解しようとすると、相手も理解しようとしてくれる。
わ:様々なツールを駆使する(翻訳者や、助けてくれる人)。デザイン力は誰にでも通じることができる大きなツール。
あ:意外とコミュニケーションが取りづらい子がたくさんいる。その人のことを知ろうとすることが大切。あきらめずに、寄り添いながら理解しようとすること。
《ワークショップ》
- 自己紹介
- ルイスの物語を朗読して、内容を把握しよう
- ウェブチャートで掘り下げる
ルイスがなぜ死んでしまったのか、「原因」を考えてみよう
- 付箋に「原因」を書き出す
- 真ん中に「ルイスの死」と書く
- 「原因」を真ん中に張り付ける
- 洗い出した「原因」を整理し、さらに掘り下げる
4.ワークショップ、スタート
- 2050年はどうなっているか?
気候変動によって、干ばつが激しく→食糧難や、水不足、またこれらによる感染症
災害や紛争による難民問題や人口移動
職を都市に出稼ぎに行くなどがあれば、児童労働など労働問題や貧困の悪化、児童婚なども
- ワークショップ2
Q1: これからの世界はどうなってほしい?
Q2: あなたの望む世界を実現するためにあなたは何ができるか、また何がしたいか?
- 講評
問題意識の高い高校生たちは、学校で話し合えなくても、このような場では思いっきり話ができる。そうすると様々な意見が出てきて、知識も増える。
様々なことを学ぶ中で大切なのは、構造的に理解すること。世界の問題がどのようにつながっているのか。まずは、状況分析をすることができることが、スキル。どのように解決するべきかBest Practiceを探し出す。そのためには、Communicateする必要があり、自分たちもやろうと促す。
現場での経験を増やすことも大切。原因構造をみつける中で、直接原因や間接要因などがあることがわかりましたね。このように構造的に状況を理解していきます。マインドマップは手でやったほうがいい。
自分たちがやっていく、またはやっているところに参加していってください。
近い将来の話だけでなく、生涯の話をしてほしい。
自分でもどんどん考えを発していってほしい。問題解決のために、項目ごとにやらなきゃいけないことを挙げて優先順位を考えていく。
複合的な問題の根本をいろんな視点からアプローチしてほしい。問題解決にもいろんな視点を持つ目を養ってほしい。目の前のものや人、人の気持ちを大切にしてほしい。
- ワークショップ3
「自分がやりたいと思っていること。自分が迷っているものを言葉にする」
《参加者の声》
最後に参加者アンケートから参加者の声を一部抜粋してご紹介します。
- 「学校ではできないような議論ができた。」
- 「立場・年齢が違う人たちと意見交換できて嬉しかった。」
- 「人の話を聴くのも自分のこと話すのもとても勉強になりました。」
- 「色んな考えや目標を持った同世代の人と意見を聞きあえて良かった。」
- 「色んな職を経験している方々の話が聞けた。」
- 「自分の夢のぼやっとしていた部分が明確になった。」
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みなさまと共にこのような場を作ることが出来たことを、とても嬉しく思います。
これからも国連フォーラム関西支部をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
また、国連フォーラム関西支部のFacebookグループページやホームページでは、国連や国際協力に関する情報共有を行っております。関心のある方はぜひチェックしてみてください!