バングラデシュ・スタディ・プログラム - 報告書:SP概要
スタディ・プログラム(SP)の概要
1.国連フォーラムとは
国連フォーラムは、2004年10月24日、ニューヨークに在住する国連に関心を持つ有志により「ニューヨーク国連フォーラム」として設立された。その1年後の2005年10月24日、さらに世界中のメンバーが幅広く積極的に参加できるように「国連フォーラム」と名称を改めた。2021年からは、さらなるガバナンスの強化と、より開かれたフォーラム運営のあり方について議論を進めてきた。
そして2025年、国連フォーラムは設立から21年目を迎える。本年はこれまでの歩みを礎としつつ、国際社会が大きく揺れ動く中で、平和・人権・開発といった国連の理念を改めて見つめ直し、次世代へとつながる学びと対話の場をさらに深め、広げていく。
国連フォーラムのミッションは、国連のことをもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考えている、実務者、研究者、学生、メディア関係者など幅広い人々を対象として、日本語で国連についての知識を得て議論に参加し、さらには活動に参画する場を提供することである。さらに議論の深化と発信を通じて、参加者にとって有意義な変化を引き出すことも目標である。このミッションに賛同する人であれば誰でも個人の立場でフォーラムに参加することができる。
国連フォーラムの活動は、2024年12月時点で登録人数が約9000名から成るメーリングリストを通した情報共有や、国連職員やインターン参加者へのインタビュー記事の掲載といったウェブコンテンツ、東京およびニューヨークでの勉強会、ネットワーク・カンファレンスといった直接参加できる活動などがある。その活動のひとつとして、実際に国連の現場での活動を訪問するスタディ・プログラムを2010年より主催している。
2.スタディ・プログラムの歴史
スタディ・プログラムは、(1)知識の習得と議論する力の獲得、(2)ネットワークの拡大、(3)リーダーシップの涵養、(4)国連の活動に関する議論の提供、の4つの目的の実現のために実行されているプログラムである。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に伴い、2020年度より現地渡航を断念していたが、2024年度より再開することとなり、バングラデシュ・スタディ・プログラムを含めてこれまで13回実施している。
2010年の第1回目は東ティモール・スタディ・ツアーを実施し、翌年から名称を「スタディ・プログラム」と改めた。2011年以降は、国連機関を含む国際協力に携わる組織の活動地域に赴くだけではなく、約1年に及ぶプロセスにおいて参加者それぞれが役割を担い、プログラム策定を行う「みんなでつくる」がコンセプトのプログラムを実施している。具体的な活動内容は、現地渡航を充実させるための渡航前・渡航後の勉強会実施、訪問機関の選定およびアポイントメント、ホテル・移動手段の確保などの準備、現地の治安情報収集およびリスク管理、プログラム全体の会計管理、渡航後の報告書の作成や報告会の開催である。
各訪問地とテーマ、および主な訪問地域は以下の通りである。回数を重ねるにつれて、訪問機関や訪問プロジェクトの打診・決定・調整を自分たちで行ったり、ミャンマー・スタディ・プログラムからは現地渡航期間中の3日間を2~3の小さなグループに分かれて違う地域のプロジェクトを訪問し、その後メンバー全体で経験の共有をしたり、コロナ禍で実施したウガンダ・スタディ・プログラムでは、オンラインでのブリーフィングを試行したりするなど、少しずつ進化している。
3.過去スタディ・プログラムの概要
| 渡航時期 | 名称(略称) | 主なテーマ | 訪問地域 | 訪問機関 |
| 2010年9月 | 東ティモール・スタディ・ツアー(TLST) | 紛争後の国づくり | ディリエルメラ県など | UNICEF, ILO, UNDP, UNFPA, WFP, FAOなど |
| 2011年12月 | タイ・スタディ・プログラム(TSP) | 貧困地域の人道・開発 | メーホンソーン(タイ北部県) | UN Joint Programme on Integrated Highland Livelihood Development in Mae Hong Son |
| 2012年11月 | カンボジア・スタディ・プログラム(CSP) | 紛争後の開発と法整備支援 | シェリムアップ、プノンペンなど | FAO, クメール・ルージュ特別法廷など |
| 2013年8月 | モンゴル・スタディ・プログラム(MSP) | 急激な経済成長下の諸課題 | ウランバートル、セレンゲなど | UN-Habitat, FAO, UNICEFなど |
| 2014年11月 | ミャンマー・スタディ・プログラム(MySP) | 民主化と経済発展 | ヤンゴン、エーヤワディ、シャン州、ミチナ | UN-Habitat, WFP, FAO, UNHCR, UNDP, UNFPAなど |
| 2015年9月 | スリランカ・スタディ・プログラム(SSP) | 平和構築と持続可能な社会 | コロンボ、北部州 | UNDP, FAO, UNICEF, 世界銀行, UN-Habitat, WFP, UNHCRなど |
| 2016年11月 | ネパール・スタディ・プログラム(NSP) | 災害復興および災害リスク削減 | カトマンズ、ヌワコット、チョータラ | UNDP, ILO, 日赤, ADB, JICA, WFP, UN Habitat, FAO, WB, IOM, UNESCO, UNHCR, UNICEF |
| 2017年9月 | ルワンダ・スタディ・プログラム(RSP) | ジェノサイドからの復興と今後の展望 | キガリ、ニャルグル県など | UNHCR, UNDP, UNICEF, WFP, FAO, JICA, REACH, DMM Africa等 |
| 2018年9月 | パプアニューギニア・スタディ・プログラム(PSP) | 島嶼国パプアニューギニアから考える国際協力の意義・役割 | ポートモレスビー、ニューブリテン島ラバウル | World Bank, UNDP, WHO, ICRC, Child Fund, 教育省, OISCA, NCDC, ADB, UN Joint session等 |
| 2019年9月 | ヨルダン・スタディ・プログラム(JSP) | 激動する中東の中心で紛争と共存、世界の平和を考える | アンマン他 | 難民キャンプ, UNRWA, UNDP, UNHCR, UN Women, 世界銀行, ICRC, JICA等 |
| コロナ禍で現地渡航中止 | ウガンダ・スタディ・プログラム(USP) | ウガンダから考える持続可能な社会のあり方 | オンラインで実施 | 難民を助ける会, UNHCR, Save the Children, UNDP, 世界銀行等 |
| 2024年9月 | コロンビア・スタディ・プログラム(ColSP) | レジリエンスと平和構築 | ボゴタ・メデジン・サンタマルタ | UN Habitat, 世界銀行, UNODC, UNIDO, JICA, JETRO等 |
| 2025年9月 | バングラデシュ・スタディ・プログラム(BSP) | 平和・人権・開発の交差点で考える国際協力 | ダッカ・ノルシンディ・チッタゴン・コックスバザール | 世界銀行, JICA, UNFPA, UNESCO, UNDP, UN Women, シェアプラ, Eco Industrial Park, UNIDO, JETRO, グラミン銀行, 難民キャンプ 等 |


