コロンビア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航後:ColSPの経験とその活かし方(小宮 晴太)」
1. 参加動機
生まれる場所や状況の違いで享受できる恩恵がまったく異なってしまうことに違和感を感じたことが環境問題や国際協力に関心を持ったきっかけの一つであった。私がコロンビア・スタディ・プログラムに参加したのは、漠然と「グローバルな環境問題に興味がある」という状況を進め、自分に何ができるのかを考えたかったためである。
参加当時は、将来的に気候変動や生物多様性の問題解決にかかわりたいと考え農学部に進学した大学一年生であった。しかし、その関心と将来のキャリアがつながるイメージが持てず、周囲にそのようなことを議論できる相手もいなかった。その現状を変える手段として、多様な人が集まるスタディプログラムは魅力的であった。
また、異なる文化で暮らす人々や国際協力の現場を自分の目で見てみたいという思いもあった。しかし海外渡航も乏しく、まして観光地でない国際協力の現場に一人で行くことは難しかった。その点、スタディプログラムならば自らの興味のあるプロジェクトや機関を訪問でき、安全も担保できるため魅力的であった。
2. 参加してみて
コロンビア渡航で学んだことの一つは、困難な状況にあっても主体的に生きる人々の強さである。渡航以前は紛争の被害など困難な状況にいる人を支援をうけるだけのかわいそうな人だと無意識的に決めつけていた。しかし現地渡航では見たのは、紛争で故郷を追われるなどの経験をしながらも平和を求め主体的に行動するコロンビアの人々と、その自立を支え支援を進めていく国際機関の姿であった。人のもつレジリエンスと支援する側のあり方を学ぶ貴重な経験ができた。
コロンビア渡航で学んだことのもう一つのことは、平和の必要性である。平和で暮らしが安定していなければ、気候変動の対策等に取り組むことはできない。社会をよくするための課題の一つとして環境問題があり、現実に有効な環境対策を実施するために他の社会課題を考慮しなければならないことを学んだ。
また、スタディプログラムの中で得られた、さまざまな経験を持つ人との交流機会はキャリアを考えるのに重要であった。メンバーの中には実際に海外で国際協力に関わったり、気候変動関連の研究をしている方もいて、環境・国際関連のキャリアでどのようなものあるのかを具体的にイメージできるようになった。そのおかげで、大学在学中にどのようなことをしたいかが少しづつ見えてきた。
さらに、スタディプログラムを通して自らの課題も見つけられた。コロンビア滞在中は主に英語でコミュニケーションをとっており、受験英語しか知らない私にとって、実際の英語は難しく苦労した。実際の会話で求められるレベルを知れたという意味では良い経験であった。第二外国語を学ぶ必要性を理解したのも、現地の人に英語が通じないというコロンビア渡航の経験からである。
ほかにも、議論やコミュニケーションの方法、長期計画の組み立て方など、様々な人とチームとして協働する上で自分に足りない部分を知ることができた。
このようにコロンビアスタディプログラムは、現地やプログラムでの学びだけでなく、私の今後にも大きな示唆を与えてくれた。
3. 参加を迷っている方へのメッセージ
スタディプログラムは現地渡航、その前後の勉強会や報告会と様々な経験ができ、コミットするほど、より多くのものを得られる場であると思います。中には苦労することもあるかもしれませんが、その経験から学んでいく意欲のある人や、主体的に学びを作っていきたい人であればスタディプログラムは素晴らしい機会になるはずです。ぜひチャレンジしてみてください。
