コロンビア・スタディ・プログラム - 報告書「渡航前:リスク管理及びロジスティクス」
1.ColSPのリスク管理体制について
各メンバーが必ず1つ以上所属して運営に携わる企画班、研究班、広報・交流班とは別に、希望者からなるリスク管理班を設けて、渡航にかかるリスク管理に努めた。さらに、リスク管理班を役割に応じて保健チームと危機管理チームの2つに分けた。
保健チームは、参加者のうち、医療従事者を中心に活動した。渡航前には現地で外国人がかかることのできる病院の情報や、罹患の可能性がある病気の情報を収集した。また、予防接種や内服薬の情報を全体に周知し、現地で何かあった際に使う保健セットの整理確認や補充を行った。渡航中は参加者の健康管理に中心的な役割を担った。
危機管理チームは、コロンビアの治安に関する情報を収集し、想定されるリスクと対応策を記載したリスクシナリオを策定し、それらの全体への周知を行った。また、海外旅行保険加入状況の管理や、その他現地渡航に係るリスクの管理と判断を行った。
2.渡航中および緊急事態発生時の対応の要点
現地到着後、SIMカードを取得した参加者の電話番号を共有し、Wi-Fi環境がない場合に備えて、地方訪問中にも連絡がつながる体制を整えた。また、渡航中は常に2班に分かれて行動していたため、各班に連絡担当者を置き、到着や出発などの報告を含め、できるだけこまめに連絡を取り合った。
緊急事態発生時に起こり得るパニックを避けるため、各班に海外渡航経験の豊富なメンバーを数名配置し、冷静に対処できる体制を構築した。さらに、事前に渡航メンバーの緊急連絡先情報を収集し、万が一の事態に備えて、日本に残留するメンバーにも協力を依頼していた。
長時間フライトや各都市の標高差の影響で、頭痛や吐き気を訴えるメンバーが数名いたが、持参した保健セットや薬剤師資格を持つメンバーのサポートにより、重症化を防ぐことができた。
3.渡航を終えての反省
今回の渡航では、大きな事件に巻き込まれることや怪我をすることなく帰国することができた。渡航中には、首都ボゴタ市内で警察車両に対する手りゅう弾投げ込み事案が発生し、一般人を含む10名が負傷する事件が起こるなど、治安の面で余談を許さない状況が続いた。しかし、徹底的なリスク管理により、大きなトラブルもなくスムーズにプログラムを進めることができた。
ただ、重症化はしなかったものの、複数の体調不良者が観察された。要因としては、日本からコロンビアまでの約30時間以上にわたるフライトや、参加者によっては10時間以上のトランジット、さらに班によっては一日で海抜2640mから海抜0mを往復するなど、身体的にかなり負荷がかかるプログラムであったことが影響している可能性がある。
以上を踏まえ、今回の渡航では治安面でのリスク管理が功を奏し、大きなトラブルなくプログラムを完遂できた点は評価に値する。しかし、身体的負荷の課題については、実際に体調不良者が出たことから、今後の改善が求められる重要なポイントであると感じている。これらの反省を踏まえ、次回以降のプログラムでは、移動スケジュールや滞在環境を見直し、より安全で、参加者全員が健康に過ごせる運営につなげていきたいと考える。
4.訪問機関に対するロジスティクスの流れ
まず初めに、リスク管理班が外務省のHPや在留邦人の方から得た情報などを参考に、治安が特に懸念されるエリアの特定を行った。それらを考慮しながら、訪問機関や滞在宿泊先を選定し、移動手段、移動経路などのロジスティクスを決定した。リスク管理や移動時間の観点から、基本的にはUberやバンをレンタルしての移動で効率的に訪問できるように工夫した。
決定プロセスの中で、現地に住んでいる、もしくは住んでいた日本人の方に滞在施設や移動手段の助言をいただき、治安情報や現地の病院情報の収集等にご協力いただいた。