カンボジア・スタディ・プログラム - 第3章第2節第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について

第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について(元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)

実施状況

2012年11月16日(金)16:30~18:30、現地プログラム前のオプションプログラムの1つとして日本学術振興会バンコク事務所にて日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science:JSPS)バンコク事務所長の山下邦明さんからブリーフィングを受けました。JSPS及び山下さんの取組みを通して、開発に関する教育のあり方を学びました。

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ブリーフィング内容:山下 邦明さんの発表

山下さんは、2012年よりJSPSバンコク事務所に勤務する。現在、タイの学校における持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)について共同研究を行っている。日本では、ユネスコ・スクール(UNESCO School)によりESD推進を行っている。ユネスコ・スクールでは、ASPネットワーク(Associated Schools Project Network)によるユネスコの理念に沿った取組みを実施する。ESDの源流であるサルボダヤ・シュラマダーナ運動は仏教哲学に基づく農村の自立運動である。「サルボダヤ」=意識の目覚め、「シュラマダラ」=労働を通じた分かち合いを意味し、スリランカのアリ・ヤラトネ氏が提唱した。

CSP参加者の感想:藤田 綾さん

まず、国際協力の場で働くための資質のお話の中で、日本人として協調性の強みを生かしてほしいというお言葉に大変励まされ、また、学部・大学院時代に身につける専門性の大事さを改めて知った。それから、ESDの日本での取り組みの例で、防災教育が3.11の震災で生かされたという教訓がすごく印象的で、人権や環境、異文化理解などの教育による意識の変革について前向きな可能性を感じた。ずっと自分の望んでいた国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の仕事に関わって、世界110か国を飛びまわって交渉を重ねながら成長されてきたお話や、現在も日本学術振興会でバンコクの地で活躍されている姿から、生涯かけて熱く好きな仕事に打ち込むということがとても輝かしく思えた。

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私たちの訪問の様子をJSPSのホームページにてご紹介いただきました。山下さん、JSPSのスタッフの皆さんありがとうございました!

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「11月のこちらのオフィスへの訪問そして交流夕食会と楽しい時間を共有できましたこと、こちらこそお礼を申し上げます。かつては大学で教えていましたので、学生さんたちと一緒にいる時間はとても懐かしく感じますし、いっぱい若いエネルギーをもらえます。ありがとうございました。」(JSPS:山下邦明さん)