カンボジア・スタディ・プログラム - 第3章第2節第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて
第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
実施状況
11月19日(月)現地プログラム2日目、FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャーのイアン・ラッセル博士が率いるプロジェクトチームの案内の元、カンボジア北部Chheur Teal Chrum村を訪れました。農村地域での農業組合の取り組み、活動状況について6名の農協運営メンバーからお話を伺いました。
ブリーフィング内容:6名の農協運営メンバーとの対談
農協の主な取り組みは、農協に所属する個人農家に対して金利一律2%の融資を実施することである。それらの融資により個人農家は農業に必要な機械や肥料などを妥当な値で購入することが可能になる。一般的なカンボジア企業からの融資は非常に高い金利がつくことから、個人農業者に特化した資金面での援助をすることで、農家の負担を低減し、農業全体の発展へと結びつけることがねらいである。
本農協では、融資以外にも非営利団体との連携による農家のための農業トレーニングや運営・管理に関する講座を実施。現在300名以上の農協メンバーが所属し、これらの取り組みは農村地域の組織能力を強化する代表的な取り組みとなっている。しかし、融資資金の大部分が非営利団体の資金援助で成り立つことから今後は持続的な農協の発展が必要とされている。
CSP参加者の感想:桑田 恵理華さん
協の取り組みを通して、農作業において目に見えて成果が上がるようになり、それが大きなモチベーションになっているという声が非常に印象的でした。かつてはやみくもになりがちであった作業に目的意識が芽生え、作業自体にも楽しみを見出せるようになったと話して下さった方々の生き生きとした姿が何よりもそのモチベーションの高さを物語っていました。農協が取り組みを行うことで、農業を中心とする農村地を活気付けていることを肌で感じました。また、現場の声に真摯に耳を傾けることの重要性を痛感しました。現場の生の声は文章に表現しにくかったり、抜け落ちてしまったりしやすい分、現地で人々の様子に目を配ることが取り組みの成功に繋がると思いました。
今回イアンさんとともに私たちの現地訪問をサポートしていただいたFAPカンボジア事務局現地職員のチャンタンさん。この農協でのブリーフィングもそうでしたが、現地での会話通訳をしていただきました。彼なしには本プログラムでの出来事は語り切れません!(Chanthan-san, awkunh ch'ran!)
「皆さんがカンボジアを訪問されたことは、いまだに鮮明に記憶に残っています。皆さんはカンボジアのような紛争直後の国がどのようなものであるか、またその国での生活を向上させるためになされるべき優先事項はなんであるのかを自身の目で確かめるためにカンボジアに来られました。私やほかのFAO職員にとってそのような皆さんの手伝いをすることは特別なことでした。また、この国での農業開発を通して生活改善に貢献しているFAOのような開発団体のその重要な役目を確かめていただけたこともうれしく思っています。皆さんの訪問は日本とカンボジアの互いの生活様式への理解を深めさせ、またその間に良い関係性を示したと思います。」(FAO Seim Reap: Mr. Chen Chanthan)