ミャンマー・スタディ・プログラム - 振り返りエッセイ「No.3 鈴木健司」

平和を担う人材となっている自分へ

所属:立命館大学法学部4年

No.3 鈴木健司

2025年。自身初の途上国訪問、ミャンマーへの渡航から10年。今どのような気持ち、志を持って日々生きているのでしょうか。社会人となりちょうど10年であることからも、節目の年を迎えていることだと思います。とりあえずお疲れ様。  

ミャンマーでの経験はどのように活きているのか、大学の図書館で考えています。恐らくここでの経験は自分の基礎となっているのではないかと思います。ミャンマーでの経験というのは、色々と初めてが多かったと思います。ミャンマーへの訪問が初めてなのはもちろん、国際機関の活動やIDP(国内避難民)キャンプへの訪問では考えさせられることが多かったはずです。その中でも、10年後の自分に伝えたいのは、「どれだけ当事者意識を持てるかは常に考え続けて欲しい」ということです。IDPキャンプを訪れた時、まるで陽気な旅行客のように見まわる自分に、違和感を覚えたはずです。キャンプ内の人々とお話をさせてもらった際に、何を話していいのか分からず、あまり経験したことのない緊張感を覚えていたはずです。そして、キャンプ内の人々への配慮の欠如から、当事者意識は常に持っていたいと思っていたはずです。同時に、あくまで第三者として訪問する以上完全に当事者意識を持つことは難しいのではと今は思っています。当事者のレベルでいかに物事を考えられるかを追求し、どのような援助ができるのかを10年後も考え続けていて欲しいと思います。

そして、何故国際協力という分野に興味が湧いたのか、定期的に振り返っていますか。特に途上国に縁がある訳ではなかったにも関わらず、なぜ人々や国々は争い、その結果苦しむ人々が生まれるのか、何かそこに違和感を覚えたのが始まりだったはずです。もちろん10年の社会人生活を経て、良い意味でも悪い意味でも現実を色々と見ていることと思います。そんな自分がこの文章を見て何を思うのでしょうか。もしかすると現実に打ちひしがれて、綺麗事ばかり並べている2015年の自分に嫌悪感を抱いているのではと思うと、不安でもあります。しかしそのように仮に感じていたとしても良いのかなとも思います。10年の中で自分なりに思うことが色々とあってのことだと思います。

しかし、どのような考えが2025年の自分の中に渦巻いていようと、自分の信念はしっかりと持ち進んでいて欲しいと思います。難しいことは苦手だけれど、苦しむ人が少ないことに越したことがないと信じています。その自分なりに考える平和な世界を実現させるために、MySPで感じた純粋な気持ちを忘れずにこれかも進んでいって欲しいと思います。2015年の自分も、そのためにこれから10年間一歩ずつ進んでいきます。