ルワンダ・スタディ・プログラム - 報告書「2.10.国連開発計画(UNDP)ガバナンスプログラム」
1.訪問先
- 国連開発計画(United Nations Development Programme; UNDP)
- 民主的ガバナンスと平和の定着ユニット(The Democratic Governance and Peace Consolidation Unit)
- ルワンダ平和アカデミープロジェクト(Rwanda Peace Academy Project)
2.該当テーマ
ガバナンス
3.組織概要(事業目的、ゴール等)
UNDPは、国連システムのグローバルな開発ネットワークとして、変革への啓発を行い、人々がより良い生活を築くべく、各国が知識・経験や資金にアクセスできるよう支援している。
4.ブリーフィング、プロジェクト訪問において説明された内容・質疑応答の詳細
●概要
RPAでは、主に、ルワンダの経験を生かすという考慮から平和の定着支援に重点を置いたPKO訓練コースが実施されている。主に東アフリカ地域の軍関係者、警察、文官にコースを提供し、紛争予防,管理,解決,紛争後の復興及び平和構築にかかる地域のキャパシティ向上に重要な役割を果たす。日本政府もUNDPを通じてRPAに支援金を拠出し、RPAの施設建設や、新規雇用職員に対する研修支援等を実施した。
●これまでの成果
- 約70のコースを提供
- 軍関係者、警察、文官を含め1900人以上がRPAでトレーニングを受けた。
●提供されたコースの例
- ジェンダーに基づく暴力
- 子どもの保護
- 子ども兵の使用の禁止
- グッドガバナンスと平和構築
●質疑応答
Q. 女性の受講者はどのくらいか。
A. ルワンダはクオーター制を導入しており、軍においても人員の30%は女性でなければならない。RPAでは女性がコースを受講することを重視している。女性を対象としたコースはこれまでに数回提供されたが、コースの多くは男性と女性両方を対象にしている。
Q. 他国に軍を派遣する動機はどのようなものか。
A. ジェノサイドが起きた時、国連はルワンダに十分な対応ができなかった。過去の経験は、アフリカを一つにした。We are all African(私たちは皆アフリカ人である)という意識や平和への希求が動機となっている。
5.参加者所感
プロジェクト訪問の感想として、RSPメンバーからは、「戦闘方法を教える一般的な軍人向けの学校とは異なり、平和構築にフォーカスし、地域のキャパシティを拡大することを目指すという点で、ユニークであると感じた。」「受講者のモチベーションはどのようなものか。」「受講期間が2~4週間と短いため、腰を落ち着けて学ぶことは難しいのではないか。」など、様々な意見が挙げられた。
執筆者:大竹 真理子