ルワンダ・スタディ・プログラム - 報告書「2.11.国際犯罪法廷メカニズム(MICT)」

写真①

1.訪問先

MICT(Mechanism for International Criminal Tribunals)

2.該当テーマ

移行期正義、紛争後の癒し・和解

3.組織概要(事業目的、ゴール等)

2015年に閉鎖されたルワンダ国際犯罪法廷(ICTR: International Criminal Tribunal for Rwanda)の後継機関として設立された。なお、ICTRはルワンダや近隣諸国において、ジェノサイド加害者や国際人道法違反者を起訴するための機関として設立された。
今現在は、ジェノサイド被害者と目撃者の保護や心理的サポート等を行っている。

4.ブリーフィング、プロジェクト訪問において説明された内容・質疑応答の詳細

  • 今現在も新たな目撃証言が出てきているのか。
    • 今でも毎日新しい証言が出てくる。保護を求めてくる場合もあれば、医療支援を求めてくる場合もある。
  • 実際の証言が来てから起訴されるまでの期間はどれくらいかかるのか。
    • 事例によるので一概には言えないが、最長で1年かかる場合もある。
  • 国外逃亡者はどのように逮捕するのか。
    • 国毎に異なるが、私たちの機関は単独で逮捕することはできない。しかしながら、様々な組織と連携しながら進めている。
  • ジェノサイド防止のためには、ジェノサイド教育が大切だと思うが、ICTRでは啓発活動もしているのか。
    • ICTRでは実施していない。しかし様々な機関と連携しており、例えば Institute for Legal and Development Practice(ILDP)ではそのような教育活動を実践している。

5.参加者所感

  • ジェノサイドは直接的な被害者だけでなく、その家族や残虐行為を見てしまった方々など様々な被害者がいる。ジェノサイドの加害者と被害者が同じ地域で暮らしている中で、証言をするのは非常に勇気のいることだと思うし、その証言者の保護や精神的なサポートは非常に重要だと感じた。
  • すでにジェノサイドが起こってから20年以上たっているのに、未だに毎日ジェノサイドの目撃証言が来ると聞いて、今でもジェノサイドによる心の傷が癒されていない人々が多く存在すること、そこから解決に向けて様々な人々が活動していることを学んだ。