ルワンダ・スタディ・プログラム - 報告書「2.2.RCO(Resident Coordinator’s Office:国連常駐調整官事務所)」
1.訪問先
RCO(Resident Coordinator’s Office): 国連常駐代表事務所
2.該当テーマ
国連システム、開発、調整、One UN
3.組織概要(事業目的、ゴール等)
RCOは、RC(Resident Coordinator: 国連常駐調整官)の日常業務を支えるために設立された。RCは、ただでさえUNDP他開発分野に従事する国連機関の活動を調整する役割が求められるうえ、国によってはDSRSG(事務総長特別副代表:当該国の国連システムNo.2で、特別代表を支え、特別代表不在時には同国の国連システムを代表する)、HC(Humanitarian Coordinator: 人道調整官、WFP、UNICEF、IOM、UNHCRなど人道分野の国連機関及びNGOの活動を調整する)、RR(Resident Representative: UNDPのトップ)などの仕事が重なることもあり、非常に多忙であるので、RCの仕事を軽減するための様々な業務を担う、RCOの仕事は非常に重要である。
4.ブリーフィング、プロジェクト訪問において説明された内容・質疑応答の詳細
- 冒頭、日本からのルワンダに対する支援に感謝する、及び日本社会の未来のリーダーとなっていくであろう参加者に会えてうれしい旨の歓迎のメッセージを頂く。
- One UNシステムについて、「政府との調整」「資金獲得」「プログラム実施」「広報」「事務所の所在地」の5つの側面で実際に各国連機関が統一して活動していることが紹介された。特に、ルワンダ政府が策定した第二次経済成長貧困削減戦略(EDPRS II)に基づき、国連の開発関連機関全体で策定したUNDAP(UN Development Action Plan)、そしてその中に含まれる4つの開発目標グループ(Development Result Groups)の活動が上手く調整されて実施されるよう、RCOが調整役を担うことが説明された。
- SDGに関連し、政府との調整の中でSDG実現に向けた支援策を取る必要をRCOを感じたため、SDGをキニャルワンダ語に翻訳することで、ルワンダ人によりSDGをなじみやすくする努力を行っている。
<質問>ルワンダ政府との関係はどうか。
<回答>複数のチャンネルで協議の場を設けるなど、良好な関係を保っている。
<質問>ルワンダの今後の更なる発展のためには生産性の向上が必要で、今後教育分野やジェンダー平等に一層力を入れていかなければならないと思うが、どうか。
<回答>同意である。アフリカ全体で780億ドルがジェンダー平等のために使われているなど、ジェンダー平等の実現に向けた努力はアフリカ全体でも多く行われている。教育も、例えば普通の農家が一層の技術を使いこなせるよう、質の高い教育の実現が重要だ。
<質問>どのようにすれば、民間資金が農業分野に一層投資をするようになるか。
<回答>ベンチャーキャピタル企業が今後も継続的に資金を投資してくれることは非常に重要であるし、地域レベルでの貯蓄・投資団体(SACCO:Savings and Credit Cooperatives)が増えることも重要だと思う。
5.参加者所感
- 共同でプロジェクトや調達事業を実施しているため、費用を大幅に節約できたとの説明が印象に残った。