ミャンマー・スタディ・プログラム - 参加者紹介「第12回 三浦舟樹さん」
「一歩踏み出すことで世界は変わる」
所属:北海道大学工学部環境社会工学科社会基盤学コース 維持管理システム工学研究室4年
MySP担当班:企画・広報班
正直に言って、私ほどMySPに場違いな人間はいないだろうな、と思っています。これまで特に国連や貧困、人権について勉強してきたわけではないですし、学生団体とかボランティアとかそういうたぐいのものにも所属していません。ただ、途上国の現場を訪問できるプログラムを探している時に偶然出会っただけです。国連フォーラムの存在すらそれまで全く知りませんでした。
何が言いたいかというと、これまで特に国連などに縁がなかった人にもこのプログラムは開かれているということです。私がこうして活動しているわけですから、このページを見ているあなたが出来ないはずはないのです。一歩踏み出してみましょう。きっとそこには今まで見たことのない景色が待っているはずです。
私の経歴について少し書きます。
札幌生まれ札幌育ちです。ごくごく平均的な家庭に生まれ、親の理解があったため2浪させてもらって北大に入学しました。しかし、希望の学部に進級できず(現在の学科は第5希望くらいでした(笑))、どん底気分を味わっていたところに現在の教授からタイへの留学の話が来て、「これしかない!」と飛びつきました。もしこのとき一念発起していなければ一体どんな大学生活になっていたか、想像したくもありませんが、とにもかくにも、初めての海外での刺激的な生活と、声を上げただけで異国で暮らせてしまったという高揚感が、「行動すること、挑戦すること」の重要性を私の脳に刻んでしまった、そういう経験だったと思います。
この留学は、自分のキャリアという点においてもターニングポイントとなりました。図らずも入った学部は土木、つまりインフラ整備の学び場であり、それがタイでの留学と合わさり、「途上国でのインフラ整備を将来の仕事に」という自分の中で明確な指針が生まれました。その後は、「海外経験」「国際交流」「途上国の現場訪問」の3つをテーマに、経験を積もうと色々探しまわり参加している中で、偶然このMySPを知りました。
様々なスタディプログラムはじめ現地訪問の手段がある中でMySPを選んだのは、自分の専門も含めて単一の現場ではなく多様な現場を訪問してみたかったこと、どうせやるなら面白そうなところにしたかったこと、の2点によるものでした。
正直、それまで国連機関などは関心・考えになかったので、多少の不安はありましたが、先の経験から、「考えるよりまず一歩踏み出してしまえ」という心持ちで応募しました。そうして今に至りますが、後悔は全くありませんし、実際毎日が刺激的で非常に満足しています。私は、企画・広報どちらも担当しているのですが、企画班としては、実際に国連機関の方とメールでやりとりをしていますし、広報班ではSNSでの広報やソフトを使ってのページ制作に関わることで、そうそう出来ないであろう経験をさせてもらっています。とても忙しいですが、みなさんサポートして下さいますし、何より自分が主体的にプログラムに参加できているという満足感があります。
さて、私がMySPに参加していてやや疑問に思っていることがあります。それはプログラムに参加している理系出身者の少なさです。別にMySPの選考でバイアスがかかっているということではなく、こうした開発や貧困を考える場、もしくは国際交流の場にさえ、経験上理系の人間は少ないです。つまり母数自体が少ないのです。
なぜでしょうか?
日々の実験や授業に忙殺されているから?しかしMySPには社会人参加者も数多くいるので、そうした忙しさは理由にならないでしょう。では理系の人間はこうした世界の問題に対して興味を持っていないということなのでしょうか。だとすれば、私は、非常にもったいないことだと考えています。途上国の現場では、公衆衛生、農業、防災など、理系の専門的な知見が求められることが多いです。いわゆる「専門バカ」ではいけませんが、知識や技術に裏付けされた的確なマネジメントができる人材は確実に必要とされていると思います。日本の科学技術の蓄積は偉大です。もっとこのノウハウを彼らに提供できれば、世界はより良くなるはずです。
私は、MySPで自分というフィルターを通してscientistやengineerがどうやって世界に貢献できるのか考えていきたいと思っています。