スリランカ・スタディ・プログラム - 報告書「第1部 第1章 SSPのミッション」
第1章 SSPのミッション
国連フォーラムとは
国連フォーラムは、2004年10月24日、ニューヨークに在住する国連に関心を持つ有志により「ニューヨーク国連フォーラム」として設立された。2005年10月24日、さらに世界中にいる方々が自由な立場からより積極的に活動に参加できるように「国連フォーラム」と名称を改めた。国連のことをもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考えている、実務者、研究者、学生、メディア関係者など幅広い人々を対象として、日本語で国連についての知識を得、議論に参加し、さらには活動に参画する場を提供することを目標としている。さらに議論の深化と発信を通じて、参加者にとって有意義な変化を引き出すことも目標である。
メーリングリストやウェブコンテンツを提供するとともに、勉強会など直接参加できる活動も実施。その一つとして、実際に国連の現場での活動を訪問するスタディ・プログラムを2010年より主催している。
スタディ・プログラムの歴史
2010年の第1回目は東ティモールへのスタディ・ツアーを敢行した。翌年からは名称を「スタディ・プログラム」へと改め、単に国連の活動地域に赴くだけではなく、渡航前の勉強会やホテル・移動手段の確保などの準備、渡航後に報告書の作成や報告会を開催することまでを含めた約半年~8ヶ月に及ぶ「みんなでつくる」がコンセプトのプログラムを実施している。
各訪問地とテーマ、及び主な訪問地域は次の通り。回数を重ねるにつれて、訪問機関や訪問プロジェクトの打診・決定・調整を自分たちで行ったり、ミャンマー・スタディ・プログラムからは現地渡航期間中の3日間を2~3の小さなグループに分かれて違う地域のプロジェクトを訪問し、その後メンバー全体で経験の共有をしたりと少しずつ進化している。
渡航時期 | 名称(略称) | 主なテーマ | 訪問地域 | 訪問機関 |
2010年9月 | 東ティモール・スタディ・ツアー(TLST) | 紛争後の国づくり | ディリ エルメラ県など | UNICEF, ILO, UNDP, UNFPA, WFP, FAOなど |
2011年12月 | タイ・スタディ・プログラム(TSP) | 貧困地域の人道・開発 | メーホンソーン(タイ北部県) | UN Joint Programme on Integrated Highland Livelihood Development in Mae Hong Son |
2012年11月 | カンボジア・スタディ・プログラム(CSP) | 紛争後の開発と法整備支援 | シェムリアップ, プノンペンなど | FAO, クメール・ルージュ特別法廷など |
2013年8月 | モンゴル・スタディ・プログラム(MSP) | 急激な経済成長下の諸課題 | ウランバートル, セレンゲなど | UN-Habitat, FAO, UNICEFなど |
2014年11月 | ミャンマー・スタディ・プログラム(MySP) | 民主化と経済発展 | ヤンゴン, エーヤワディ, シャン州, ミチナ | UN-Habitat, WFP, FAO, UNHCR, UNDP, UNFPAなど |
2015年9月 | スリランカ・スタディ・プログラム(SSP) | 平和構築と持続可能な社会 | コロンボ 北部州 | UNDP、FAO、UNICEF、世界銀行、UN-Habitat、WFP、UNHCRなど |
SSPの団体説明
SSPは、国連フォーラムのスタディ・プログラム班幹事と過去プログラム参加者で構成されるタスク・フォース・メンバー11名が訪問国、現地渡航時期、訪問テーマを決定し、参加メンバーの募集と選考を実施した。選考を通過したメンバーと合わせて計45名がSSPメンバーとして、2015年5月から2015年1月(予定)の約9ヶ月間活動している。
渡航前、渡航中、渡航後と3つの各段階において全員が1つ以上の班に所属し、個人の専門性や強みを生かしながら活動に取り組んだ。SSPメンバーは、大学1年生(応募時は高校生)から現役の国連職員、NGO職員、医師、MBA留学中の会社員など多岐に渡る。それぞれの専門性も、開発経済、医療・保健、教育、金融、インフラ、人道支援など幅広い。もちろん、これから自分の進むべき道を見極めたいという人もいる。国連フォーラムと同様にSSPもまた、年齢や所属にかかわらず全員が自分の意見を自由に表明でき、終始、活発な議論が繰り広げられていた。
SSPの目的
SSPの目的は、(1)知識の習得と議論する力の獲得、(2)ネットワークの拡大 、(3)リーダーシップの涵養、(4)国連の活動に関する議論の提供の4つである。SSPメンバーだけでなく、国連フォーラムに関心のあるすべての方々にとって有意義なプログラムとなるよう、国連の活動やスリランカの問題を議論する場やネットワーキングの機会を作っている。