スリランカ・スタディ・プログラム - 報告書「第2部 第1章 SSPの全体像・プロセス」

第1節 SSPの全体像

国連フォーラムが主催するスタディ・プログラムでは、(1)知識の習得と議論する力の獲得、(2)ネットワークの拡大 、(3)リーダーシップの涵養、(4)国連の活動に関する議論の提供、という4つの目標を達成することを目的としている。SSPでは、参加者がこれら目標を効率的に鍛錬できるよう、以下3つのプロセスを設定し「みんなでつくる」をコンセプトに参加者全員で推進した。

写真①SSPの全体像

なおSSPでは、単なる机上の知識習得を目的とした受け身の座学は実施していない。上述した4つの目標を具現化する場として、参加者主体による勉強会や渡航計画の推進だけでなく、国連プロフェッショナルの人たちとの共創を通じたネットワーキング・リーダーシップ醸成や、国際開発の現場から得られる情報・洞察からくる生の学びを特に重視したプログラムを構成している。

第2節 各プロセスの概要

渡航計画・勉強会

渡航前の4ヶ月にて、渡航計画、および国連・スリランカに関する勉強会を実施した。

  • 渡航計画
    • 渡航計画は、参加者全員を6つの班(会計、企画、危機管理、広報、勉強会、保健)に分け、渡航に向けた準備を実施した。各班の活動内容については、第3部第2章第1節「渡航前班の活動内容・反省点」を参照のこと。
  • 渡航前勉強会
    • 渡航前の勉強会は、以下の3つの流れにて推進した。国際開発の初学者でもキャッチアップできるよう、国連の概要からはじまり、スリランカ国内の課題・仮説へとブレークダウンして知識を深めた。加えて、勉強会に国連プロフェッショナルの方々を招聘し、現場での体験談などをお聞きするとともに、彼・彼女らとの議論を通じて、机上ではなく手触り感のある課題・仮説を構築した。第2部第2章「渡航に向けた仮説構築―渡航前勉強会」を参照のこと。
写真②勉強会の流れ

フィールドスタディ

1週間の現地フィールドスタディでは、各機関事務所での説明および質疑応答と、事業地視察の2つを行った。15つの国際機関・政府機関などを訪問し、渡航前の仮説の検証を行った。訪問した地域・機関の概要については第2部第3章第1節「はじめに」を、訪問機関の詳細については第2部第3章第2節「訪問機関」を参照のこと。

渡航後報告プロセス

渡航後は、フィールドスタディから得られた結果にもとづく仮説検証・分析と、報告書の作成、対外情報発信の3つを推進した。

  • 報告書および対外情報発信
    • 渡航後は、参加者全員を4つの班(報告会、報告書、映像・広報、勉強会)に分け、報告会や報告書などSSPプロセス全体で学んだことを対外的に発信するための準備を実施した。各班の活動内容については、第3部第2章第2節「渡航後班の活動内容・反省点」を参照のこと。
  • 渡航後勉強会
    • 渡航後勉強会は、渡航前にたてた仮説検証結果をまとめるとともに、渡航中に新たに生じた疑問を検討するために、平和構築・持続可能な社会づくりの2班に分かれて、それぞれ検討を行った。最終的には、SSPにおける学びの総決算として、スリランカ政府・国際機関に対する問題提起・提言を、参加者全員で検討した。第2部第4章「仮説検証および将来への提言―渡航後勉強会」を参照のこと。
写真③渡航後の流れ