スリランカ・スタディ・プログラム - 報告書「第2部 第2章 第1節 はじめに」
第1節 はじめに
(1) 勉強会の目的・位置付け
勉強会は、「知識の習得と議論する力の獲得」を中心としつつ、「ネットワークの拡大」や「リーダーシップの涵養」、「国連の活動に関する議論の提供」というSSPの実施目的を達成することを目標とした。
なお、勉強会の位置付けは、インプットだけでなくアウトプットの場として重視した。各テーマについて深く自主的に学ぶために、参加者は最低1つのチームに所属しチーム内で議論を深め、勉強会では議論したそれぞれのテーマにアウトプットを全体にむけて行う場とした。
さらに、SSPでは渡航前のみならず渡航後も勉強会を開催し、渡航前に立てた仮説を検証しながら、さらに深めたい議論点について議論した。渡航後勉強会については、第4章で後述する。
(2) 勉強会の日時・場所
渡航前勉強会の日時・場所の決定にあたっては、2015年5月の1ヶ月にわたって「第2回以降勉強会チーム」を中心に議論がなされた。
日程は、3週間に1度の頻度で開催した。報告者だけでなく参加者も事前に十分な準備をすることで有意義なディスカッションにするため、また、事前に報告内容や参考資料を共有し、それを確認したことを前提として勉強会に臨むことを期待するため、といった理由からこの頻度が適切であるとコンセンサスを得た。
場所は、東京、大阪、福岡の3地点で大学、民間企業、独立行政法人国際協力機構(Japan International Cooperation Agency: JICA)に会場をお借りし、これら3地点と他日本国内・世界各地にいる参加者をビデオ中継で繋いで開催した。
(3) 勉強会のテーマ
渡航前勉強会のテーマも同じく「第2回以降勉強会チーム」を中心に検討が行われた。
テーマ決定にあたっては、SSPの大テーマである「紛争後の平和構築と持続可能な社会づくり」より、「平和構築」と「持続可能な開発」の2大キーワードを設定した。次に、トピックとなるキーワードを洗い出しながら、やや広めの分野横断的なテーマを設定した。その際、スリランカで活動を行う国連機関の掲げる“United Nations Development Assistance Framework 2013-2017”[1] や、日本政府外務省の掲げる「対スリランカ民主社会主義共和国 国別援助方針・事業展開計画(2014年4月)」[2]を参照した。さらに、参加者の関心分野を基に環境分野(公害や防災を含む)や教育分野に焦点を当てたテーマも加えることとし、各自の関心事項がいずれかのテーマ内で網羅されるように考慮した。
その結果、最終的に5つのテーマが提案され、SSP参加者全体で承認された(下表参照。)それぞれの名称を短縮して、平和構築班、経済班、教育班、環境班、脆弱班の5班が構成された。
- United Nations Development Assistance Framework 2013-2017, http://un.lk/wp-content/uploads/2013/02/UNDAF-2013-to-2017.pdf, accessed on 16 November 2015.
- 日本外務省「対スリランカ民主社会主義共和国 国別援助方針・事業展開計画(2014年4月)」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000072264.pdf, accessed on 16 November 2015.