カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)
第1章 はじめに
国連フォーラム主催「カンボジア・スタディ・プログラム(CSP)」では、2012年11月18日〜24日の日程で25名の参加者がカンボジアのFAOによる農村での食糧安全保障事業、NPO法人かものはしプロジェクトの人身取引対策事業、ユネスコの世界遺産候補となっている遺跡、国連平和維持活動(UNTAC)職員であった中田厚仁さんの軌跡、トゥール・スレン虐殺博物館、キリング・フィールド、カンボジア特別法廷などの現場を訪問しました。
主催した国連フォーラムでは、メーリングリスト、勉強会及び投稿エッセイなどの知的意見交換の場の他、実際に現地での活動を訪問する「スタディ・プログラム」を2010年より企画・実施しています。2010年の第1回は、東ティモールへのスタディ・ツアーを敢行し、翌年にはタイ王国メーホンソーン県への「タイ・スタディ・プログラム2011」を実施しました。公募で応募した有志と共に途上国の現場を訪れ、国連や国際社会の支援の現場に触れることで、その地域の課題や国連の活動原則、国際社会の援助手法など学ぶ機会を提供しています。
今年は、「みんなでつくるカンボジア・スタディ・プログラム(CSP)2012」と題し、カンボジアを訪問しました。CSPでは、国連フォーラムの幹事会や実行委員会が全てをお膳立てするものではなく、参加者が決まった時点で一人一人がロジ手配や広報、勉強会などの役割を担い、「みんなでつくる」ことを大きな原則として、事前及び事後のプロセスを含めた約半年間のプログラムとして実施しました。
渡航前には、カンボジアでジェノサイドが起こった原因、国連PKOと日本の貢献、人身取引をめぐる現状と国際的取組み、農村開発とMDGsをテーマに4回の勉強会を実施しました。そして、訪問した現地では、紛争後の社会の国連と国際社会、市民社会の役割、現場での課題や現状など紛争後のカンボジア社会がどのように復興しているか、開発への課題は何か、国連や国際社会がどのような支援をしているかなどを学びました。
報告書は、渡航前事前勉強会、現地プログラム、運営報告、次回スタディ・プログラム開催の予告という構成になっており、本プログラムで私たちが体験した学びを共有することで、理解をさらに深めることを目的としています。また、今回のプログラムを通して学んだ反省点や改善点を含め、次回開催予定のスタディ・プログラムに貢献できることを願っております。最後に、本プログラム実施においてご協力いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました!
CSP参加者一同
第2章:渡航前事前勉強会
第1節:第一回勉強会
第2節:第二回勉強会
第3節:第三回勉強会
第4節:第四回勉強会
第3章:現地プログラム
第1節:概要・全体マップ
第2節:ブリーフィング
第1項:
アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
(元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)
第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士 )
第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
(UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)
第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
(カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)
第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
第8項:
クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
(CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)
第3節:見学・ツアー
第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
第4項:
かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
(かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)
第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
第6項:キリング・フィールド見学
第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
第4節:経験・交流
第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
(フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)
第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)
第4章:運営報告
第1節:プログラム実行委員会組織概要
第2節:プログラム策定
第3節:ロジ手配
第4節:会計報告
第5節:現地での保健・健康状況
第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
第8節:
事後報告会の実施状況
参考資料:
表1:実行委員会組織図
表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
表3:現地手配詳細
表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)