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カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)

第3章:現地プログラム

第3節:交流・ツアー
第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)

実施状況

現地プログラム1日目の11月18日(日)午前中、カンボジア北西部に位置する世界文化遺産・アンコール遺跡群を訪問しました。日本政府アンコール遺跡救済チーム(Japan-Apsara Safeguarding Angkor:JASA)で広報を担当されている吉川舞さんに遺跡を案内していただき、遺跡群の中でも特にクメール王朝時代の魅力的な彫刻が残るアンコール・ワット、バイヨンの壁画が示す意味やストーリーについて吉川さんに解説いただきました。 

CSP参加者感想@:吉村 美紀さん

アンコール・ワットという世界的にも有名な遺跡をまわる上で、最も重要な役割を果たして下さったのがガイドの吉川舞さんでした。日本国政府アンコール遺跡救済チームの広報を担当しながら、ずば抜けた知識と天性の話術で遺跡のロマンを熱く語ってくださる舞さんのお陰で、アンコール・ワットの遺跡を普通の何十倍も楽しむことができました。深い森の中に佇むアンコール遺跡は、各国の修復チームの手によって大切に守られながら何を語るわけではありませんが、舞さんによって語られる数々の物語のおかげで、一つ一つのモチーフがまるで生きているかのような臨場感を持って伝わって来ました。

 

CSP参加者感想A:中原 隆伸さん

今まで日本政府による政府支援の実施に関わったことがあるのですが、文化遺跡の修復という形の支援は聞いたことこそあれ実例を見たことがありませんでした。バイヨンで行われている日本政府の修復プロジェクトを見て、一口に政府支援といってもいろいろな支援の形があるのを再確認でき、非常に印象に残っています。また、吉川さんが壁画の意味や床に空いている穴の意味など、まるで某テレビ番組のミステリーハンターさながらに説明していただき、非常に楽しんで参加できました。他の遺跡を訪問した時もそうでしたが、エンターテイメントと教養を兼ね備えたまさにプロフェッショナルという説明をして下さり、大変素晴らしかったです。

 

   “カンボジアの文化遺産として最も有名なアンコール・ワット。寺院の壁面に100以上の巨大な顔を持つバイヨン。9世紀から15世紀に栄えたアンコール王朝が建立した数々の寺院は、その昔東南アジアを席巻した王国の力強さと文化水準の高さを今に伝えてくれます。未だ多くが謎に包まれているアンコールの歴史や寺院群を丁寧に研究し、王たちの実像や当時の社会の様子、その間にある歴史のうねりを、国内外に広く伝えていくことが求められています。多くの人々に伝えていく中で生まれる理解や共感は、近代になって度重なる苦しい時代を超えてきたカンボジアの足元を照らす光になることと思っています。”(JASA:吉川舞さん)
          


 


カバーページ
目次と第1章「はじめに」

第2章:渡航前事前勉強会
 第1節:第一回勉強会
 第2節:第二回勉強会
 第3節:第三回勉強会
 第4節:第四回勉強会

第3章:現地プログラム
 第1節:概要・全体マップ
 第2節:ブリーフィング
  第1項: アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
  第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
      (元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)

  第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士
  第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
  第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
      (UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)

  第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
      (カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)

  第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
  第8項: クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
      (CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)

 第3節:見学・ツアー
  第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
  第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
  第4項: かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
      (かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)

  第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第6項:キリング・フィールド見学
  第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
 第4節:経験・交流
  第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
  第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
  第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
  第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
      (フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)

  第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
  第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)

第4章:運営報告
 第1節:プログラム実行委員会組織概要
 第2節:プログラム策定
 第3節:ロジ手配
 第4節:会計報告
 第5節:現地での保健・健康状況
 第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
 第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
 第8節: 事後報告会の実施状況

第5章:次回に向けて

参考資料:
 表1:実行委員会組織図
 表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
 表3:現地手配詳細
 表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)