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カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)

第3章:現地プログラム

第2節:ブリーフィング
第3項:MALISプロジェクト概要について
(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士)

実施状況

11月18日(日)現地プログラム初日、FAOカンボジア事務局にて現地のプロジェクト・マネージャーイアン・ラッセル博士から今回訪問するFAOのMALISプロジェクト概要に関するブリーフィングを受けました。

 

ブリーフィング内容:イアン・ラッセル博士の発表

今回訪問するウドンメンチェイ州のアンロンベン地区は、カンボジア北部タイの国境付近に位置し、クメール・ルージュ政権最後の拠点としても知られている。この地区は特に開発が進んでいない農村が多く所在し、村の人々は農業を主とした自給自足の生活を営んでいる。FAOカンボジア事務局はこの地域において、食糧安全保障と小自作農の市場との結びつきの改善(Improving Food Security and Market Linkages for Smallholders:MARIS)プロジェクトを発足、欧州食料安全に関するプログラム(EU The Food Security Thematic Program)の一環として2011年から2015年まで400億ユーロの予算で農村地区におけるプロジェクトを実施している。

本プロジェクトは、稲作技術(種子・肥料・穀物の貯蔵・機械化)の導入や農村地域での基幹インフラの整備によって農村地域の生産性と収益性の改善を目的とする。イアン博士は、外部機関の立場として与えるだけのプロジェクトではなく、農村の人々と対等な立場で一緒に出来ることを考え、最終的には農村自立・持続可能な農業の仕組み作りの構築、及び安定的な収入を得る健全な開発を促進することを本プロジェクトの最終目標であると述べた。

CSP参加者の感想:岡見 有純さん
このプロジェクトの参加は食と栄養に関心があり、食を通じて国際貢献をしたいけれど、その具体的な映像がなかった私にそれを見せてくれる一生に残る体験となりました。また、このプロジェクトで見た活動されている方々の真剣なお姿や活動から感じられた人々の生活を支える食に携わる意義は、私に今までの学びをより深め更なる学習意欲をわかせてくれました。そして、「食」だけでなく関連するいくつもの事象があることを学び、自分の視野がとても広がりました。これから、食を中心にその他の社会問題にも目を向けより効果的な貢献を考えたいと思います。

 

 

   “2012年11月の国連フォーラムスタディプログラム参加者の訪問は、私たちチームにとっても大きな出来事でした。今回の訪問で、私はOtdar Meanchy とPreah Vihearの地域にあるMALISプロジェクトを訪問するコーディネートを取りましたが、私たちだけでなく現地の村の方も皆さんの訪問を非常に楽しみにしておられました。また、実際に現地の人々と同じような食事や生活をともにすることで、村人の方々も非常に喜んでおられ、とても良い友好関係を残したと言えます。将来、このプログラム参加者の方々が、世界をより良くするためにご活躍されることを心より願っております。私はこの訪問に参加した方々の将来のビジョンや溢れんばかりのエネルギーに深い尊敬の意を表するとともに今回このような形でプログラム参加に携わることが出来て、非常に光栄でした。”(FAO:Dr. Iean Russell)

 


カバーページ
目次と第1章「はじめに」

第2章:渡航前事前勉強会
 第1節:第一回勉強会
 第2節:第二回勉強会
 第3節:第三回勉強会
 第4節:第四回勉強会

第3章:現地プログラム
 第1節:概要・全体マップ
 第2節:ブリーフィング
  第1項: アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
  第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
      (元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)

  第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士
  第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
  第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
      (UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)

  第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
      (カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)

  第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
  第8項: クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
      (CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)

 第3節:見学・ツアー
  第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
  第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
  第4項: かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
      (かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)

  第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第6項:キリング・フィールド見学
  第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
 第4節:経験・交流
  第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
  第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
  第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
  第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
      (フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)

  第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
  第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)

第4章:運営報告
 第1節:プログラム実行委員会組織概要
 第2節:プログラム策定
 第3節:ロジ手配
 第4節:会計報告
 第5節:現地での保健・健康状況
 第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
 第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
 第8節: 事後報告会の実施状況

第5章:次回に向けて

参考資料:
 表1:実行委員会組織図
 表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
 表3:現地手配詳細
 表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)