カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)
第3章:現地プログラム
第3節:交流・ツアー
第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
見学地のバックグラウンド
現地プログラム3日目の11月20日(火)午前中、カンボジア北部に位置するKrabau村をイアン博士らの案内のもと訪問しました。2011年欧州食料安全に関するプログラムの一環として、国が所有する池に食用の川魚約150匹を放ち、魚の品種保護を進める試験的プロジェクトを実施しているとのお話を伺いました。首都プノンペンに通ずる一般道路のすぐ脇に50平方メートルプール程の大きさの池にて実施されており、品種保護と持続的発展双方を導く手法として今後の成果が期待されているとのことでした。
CSP参加者感想@:田中 陽一朗さん
今回保護池での説明を伺って、実際の国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization:FAO)のフィールド活動がどういったものか、またその時の方法として、地元の住民を巻き込んだ組織作りが大切だと強く感じました。例えば、今回の訪問地のお話では、池を保護するために村の人たちとこの場所では魚を獲らないというルールを作ったり、当番を決めてきれいにしたりする等、地域の人々と一緒になってプロジェクトを進めていくことがよく分かりました。実際に現場を見ることで、勉強会やタイでのブリーフィングで学んだボトムアップ型の政策、持続可能な開発の大切さを実感することができ、今後も開発の勉強をする上で、より具体的に考え、開発に関する見識を深めていきたいと思いました。
CSP参加者感想A:桑田 恵理華さん
農作物と比べて、魚は自由自在に移動したり、魚が水中にいることから一目で見渡すことが難しかったりする分、挑戦的なプロジェクトだと感じました。しかしながら、農村での昼食では魚が振る舞われ、農村の人々と参加者も一緒にご馳走になる中で、このプロジェクトの必要性を強く感じました。地域住民も一体となって保護池の管理に関わることで、魚が無断で収穫されることを防ぎ、より継続性がある事業へと展開することができる仕組みが印象的でした。農村の人々の繋がりが強いからこその地域性を生かした仕組みだと感じました。スーパーに当たり前に並んでいる魚が当たり前ではないことを改めて考え直すきっかけになりました。
第2章:渡航前事前勉強会
第1節:第一回勉強会
第2節:第二回勉強会
第3節:第三回勉強会
第4節:第四回勉強会
第3章:現地プログラム
第1節:概要・全体マップ
第2節:ブリーフィング
第1項:
アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
(元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)
第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士 )
第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
(UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)
第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
(カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)
第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
第8項:
クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
(CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)
第3節:見学・ツアー
第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
第4項:
かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
(かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)
第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
第6項:キリング・フィールド見学
第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
第4節:経験・交流
第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
(フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)
第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)
第4章:運営報告
第1節:プログラム実行委員会組織概要
第2節:プログラム策定
第3節:ロジ手配
第4節:会計報告
第5節:現地での保健・健康状況
第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
第8節:
事後報告会の実施状況
参考資料:
表1:実行委員会組織図
表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
表3:現地手配詳細
表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)